ウルトラセブン第48,49話(最終回)「史上最大の侵略 前編・後編」(ゴース星人、バンドン)
●あらためてセブンに感謝。。
■ストーリー
侵略者との戦いに疲弊したセブン(ダン)は、脈拍360、血圧400、熱が90℃という状態に陥る。そんな体調のなか、朦朧としたダンは、ミスでゴース星人の地球上陸を許してしまう。
ダンは、炎に包まれた警備隊員たちを救いゴース星人操るバンドンを倒すべく、セブン上司に止められるが、セブンに変身。瀕死の状態でバンドンを倒すも、さらに重症を追う。ダンは、レントゲンで秘密がばれるのを恐れ、防衛軍から抜け出す。
ゴース星人はいつのまにか地底に基地を作っていて、「空と海の守りは堅いが地底はまったくの無防備」という人類の弱点を突く。人類は降伏に応じないため、地底ミサイルで世界の主要都市を破壊されてしまう。残るは東京。。
防衛軍は、ようやくゴース星人の基地を発見。時限爆弾を積んだマグマライザーで爆破、壊滅させる。
ダンは、アキオ少年の自宅や隠れ家をさまよっていたが、アンヌに見つけられる。そしてアンヌに自分の正体を明かし、別れを告げ、セブンに変身。捕らえられていたアマギを間一髪で救出したセブンは、再び現われた改造バンドンとの最後の戦いに臨む。
アンヌから事実を知らされた防衛軍のメンバーたちは、ホークで捨て身の援護を行う。セブンはかろうじて勝利し、明けの明星が輝く群青色の空の彼方、M78星雲へ帰っていった。。。
「ダンは死んで帰っていくんだろうか?」
いや、「ダンは生きている。きっと生きているんだ。遠い宇宙から俺たちの地球を見守ってくれるさ。そしてまた、元気な姿で帰ってくる!」
■7歳の頃~その衝撃と怒り
その日は、1968年9月8日。僕は、小学2年生、8歳になる少し前だった。
あんなに強かったセブン。その強さは、視聴率低迷の一因にまでなるほどだった。すぐに赤いランプが点滅するという弱みを持つウルトラマンに比べ、セブンは、寒さとロボットに弱い程度だった。
そんなセブンが、突如力を落とし、バンドンごときに悲壮な戦いを演じてしまう。
前編の戦いでは、ウルトラビームが途切れてしまい、バンドンに届かない。そのことに驚愕し、指を震わせ、がっくりと頭を垂れてうなだれるセブン。なんと切ないことか。
強さと切れ味の象徴だったアイスラッガーが、泥にまみれて踏みにじられる。地べたをのたうちまわって拾い、なんとかバンドンを倒す。
子どもの僕は、地団駄を踏んだ。セブンがいつもの強さなら、ゴース星人やバンドンなど恐るに足りない。何が「史上最大」だ、と。
■7歳の頃~恋と共生と別れ
ウルトラマンでは、ウルトラマンとハヤタが入れ替わっていた事実を、ハヤタ本人ですら認識しないまま終わる。ハヤタとフジ隊員の間には、特別な感情はなかった。
しかしウルトラセブンでは、ダンとアンヌはずっといい雰囲気で、最後もダンはアンヌにだけ自分の正体を明かし、去っていく。
煎餅を食べながらサハラ・ラリーの映画を見て、向ヶ丘遊園のコーヒーカップで綿菓子も食べた(第28話)。
本部に事後報告もせずに津久井湖でモーターボートにも乗った(第41話)。
休暇に上司公認で、二人で入田浜の海に泳ぎにも行った(第42話)。
ユキコさんにヤキモチ焼いてタンポポを吹き飛ばしたりもした(第38話)。
そんなアンヌへの告白。。
「僕は、僕はね、人間じゃないんだよ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ!」・・・「びっくりしただろう?」
「ううん、人間であろうと宇宙人であろうと、ダンはダンにかわりないじゃないの。たとえウルトラセブンでも!」
まさに「異なる種族との共生・共存は可能なのか」という、セブンを通貫する深いテーマの集大成だ。同時に、ダンとアンヌが心の深い部分で繋がったシーンでもある。
様々な点において、子ども向け番組を超越していたセブンだが、恋愛感情の描き方とその落しどころにおいても、それは同様だった。
7歳の僕はセブンを通して、女性は男を騙して利用することも、女性は男性を包み込むように愛することも知った(笑)。
■7歳の頃~クラシック音楽の原体験
アンヌへの告白と同時に鳴り響く、ディヌ・リパッティのピアノの、シューマンのピアノ協奏曲、1楽章の冒頭。それからのラスト10分間は、この演奏がセブンのオリジナル音楽と織り成すように流れ、感動的なエンディングを彩る。
この美しくも哀しく切迫した推進力を持つ感動的な音楽は、いったい何なのだろう、と探し始め、曲の判明までに4年、演奏者・録音データの判明までに、さらに3年の歳月がかかることとなった。そのことは、僕にクラシック音楽の本質を教えてくれることとなった。
(この顛末は、→ 「【ブログ開設1年】リパッティのシューマンとウルトラセブン最終回 」 1~3の記事をぜひご参照ください。)
■長年の2つの疑問に仮説が
mixiのセブンのコミュにおいて、長年の2つの疑問に仮説が提示された。なかなか興味深いので、ここでも紹介したい。
まず、フック星人ではあんなに元気だったセブンが、なぜ突然瀕死の状態になったか、だ。
これは、「セブンの各話は時系列的に順不同であり、また、全49話は1年間で起きたことではなく、数年の間の話である」という仮説で説明できるというのだ。
最大の根拠を、抜粋・引用してみよう。 「月世界の戦慄」でクラタと再会したキリヤマは、「一緒に宇宙に出るのはザンパ星人を滅ぼして以来3年ぶり」と言う。となると「V3から来た男」はそれより前のこととなり、少なくとも第13話から第35話までで3年以上が経っている、というものだ。
また、アンヌの髪型も突然ショートやロングになるのも、その証左だと。
そう考えると、時系列的に最終回の前に起きた話は、大きなダメージを負った、第35話「月世界の戦慄」→第38話「勇気ある戦い」あたりだったのだろう。
もう1つは、ゴース星人が、いつ地底基地を作ったのだろうか、という問題だ。
これには、実はユートムの地底基地を修復して再利用したのではないか、という仮設が提示されている。謎だらけで突っ込みどころだらけの第17話「地底GO! GO! GO!」は、最終回への伏線だった、という訳だ。
■終わりに
東京MXTVの放映をペースメーカーとして書き続けてきたセブン全49話に関する記事も、これが最後。
最初の3話は、一言コメントだった。第4話から少し長い記事にした。キングジョーの前編後編を超えたあたりから、だんだんさらっと書けなくなってきた。
書籍、ネット、DVD、過去の自分のノート等の資料にあたったうえで、1度通しで見て、2度目を見ながら書いて、3度目を見て書いたものを確認・修正しアップする、という数時間を擁する作業になってきた。
プロテ星人からあと、自分のなかでも存在が大きい作品が目白押しになってくると、どこをどう書くか考える時間が、さらに増えた。もはや、雑誌等に署名原稿を書くときと全く変わらない状態になった。
スタートから1年。改めてセブン全話を数度ずつ見て、自分の過去と現在によって濾過したうえで文章にする作業は、1967年から2007年までの自分の40年を確認することでもあった。
こんな素晴らしい作品が生まれ、放映され続け、多くのファンとともに慈しむことができることに、改めて感謝したい。
(と終わりたいですが、最初からキングジョーあたりまでは書き直したい気分なんです^^;)
(写真:「怪獣wiki特撮大百科事典」より)
→他の作品は、当ブログのウルトラセブンカテゴリーでどうぞ!
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