カテゴリー「音楽」の記事

2009年11月6日 東フィル定期演奏会 

チョン・ミョンフン指揮 「ドイツ・レクイエム」

第1曲冒頭、チェロのF音。2小節め、新たなEs音と持続するF音が短七度の和音を構成し、そしてそのEs音が半音下降するとともに、穏やかで慰めに満ちた最初のフレーズが始まる。やや骨太な響きが、ホールに充溢する。

そしてオペラシンガーズが、seligと歌い始める。まるで木霊のようなこの声は、いったい何処から聴こえてきているのだろうかと思うほどだ。幽かな木漏れ陽に似たこの美しい声は、遥か彼岸、天から零れてきているのだ。

テキスト的にも、動機的にも、ドイツ・レクイエムはこの第1曲冒頭が、全曲の根幹となると言われる。今日の演奏も、この低弦の安定感や剛性感、合唱の全てを包み込むような柔らかさや美しさ、これに貫かれていくことを確信する

その後も、ミョンフン氏のこの曲の世界観を、場面ごとに的確に表現し、万華鏡のような多彩さをもって伝えるオペラシンガーズ。いっぽう、東フィルも時折見せる不安定感はほぼ感じられず、合唱とともに音による大伽藍を構築していく。

第2曲、ティンパニの運命の動機による葬送の嘆き、第3曲フーガ、低音の長いD音の安定感と力強さ、地球に「生」が満ちる確信、合唱の天に昇る気高さ、第4曲、早めのテンポによる際立つ美しさと安らぎ感、第6曲前半、彷徨う不安定さと「怒りの日」相当部分の圧倒的な怒涛、第7曲の穏やかな静謐さによる安息感。この第6曲と第7曲の動と静のコントラストにより、全曲は見事なまでの終焉を見せた。

心残りだったのは、ソプラノの声質が、弾力のあるしっかりしたものだったこと。表現、技術ともに申し分なかったのだが、全体の基調にはややフィットしていなかったのではないか

また、第5曲終了後の、ソプラノへのブラボーは最悪だった。しかし演奏者一同、さすがプロフェッショナル。一切のテンションへの影響がなかったのが幸いだ。

しかしあらためてこの曲は、全編にわたり「生」が漲っている。数多の人が指摘しているように、これは死者のためのレクイエムではなく、生きている人のための慰めの曲、さらに言い過ぎを恐れなければ、「生への賛歌」なのかも知れない。つまり、ミョンフン氏が音楽を通して表現する、人類への愛情、肯定、温かさ、そんな主題にぴったりな曲なのだ。というよりも、氏の演奏によって、それが一層際立つのかも知れない。

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2009年7月~9月の演奏会(2)

●09年9月5日 大友直人指揮 東響オペラシティシリーズ51回

久々の、というか東京中の演奏会を見渡しても2年に1度ぐらいしかない、2番交響曲やヴァイオリン協奏曲など定番曲を含まない、オールシベリウスプロ

しかし、オペラシティ初の3階2列めのC席は驚くばかり。ステージ上の反響板からの反射音がすごい。しかしステージは右半分しか見えない。初めて聴く合唱付きのフィンランディアは、なかなかに感動的だったが、こちらも初めて聴くのが当たり前だが日本初演のフィンランド語「テンペスト」に至っては、声楽ソリストが全く見えないし。オペラシティのヤバい席はほんとにヤバい。

●09年9月11日 尾高忠明指揮 東フィル サントリー定期

全く期待していなかった、どちらかと言えば嫌いな作曲家の嫌いな曲「英雄の生涯」。しかし、なんとこれが非常に良かったのだ。

厚く熱く奏でられるオーケストラの音が心を打つ。指揮者とオケの心がこちらまで到達する。これだから生の演奏会はあなどれないやめられない。尾高氏の円熟、会心だ

●09年10月13日 サー・ジェイムズ・ゴールウェイ フルート・リサイタル サントリーホール

ゴールウェイももう70歳。一昨年あたりに聴いたカール・ライスターも近い年齢。人類の至宝のような演奏家も、永遠に現役ではいられないのだから、いつもこれが最後と思っていないとならない。

しかし年齢による渋みもほんの少々加わった気もするのが、それもはたして気のせいかもしれないと思うほど、煌くきらびやかな音色は健在。正統的で野太くがっしりしたドイツ系伝統の音もいいが、艶(つや)やかなこの音色にはまた五感を揺さぶられる。

ところで、ブリッチャルディの「ヴェニスの謝肉祭」を聴いたのは、いったいいつ以来だろう!? めくるめく艶(あで)やかなこの曲を久々に聴いて、遥か自分が10代の頃の空気がたゆたってきた。。

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2009年7月~9月の演奏会(1)

●09年07月19日 ソノール・フルート・ガラ・コンサート オペラシティリサイタルホール

三村園子門下6人によるコンサート。このうち2人が友人夫妻で、結婚式でのデュエット以来で、その演奏を聴く。

しかし同じ門下でありながら、一人ひとりがなんと個性的なこと。そんななかトリでドゥメルスマンを吹いた友人の演奏は、以前録音で聴いたプロコフィエフのソナタ同様、ドイツ正統派の音色と流儀を聴かせてくれた。アマチュアでよくここまでの高みに到達できるものだ。

●09年7月24日 チョン・ミョンフン指揮 東フィル サントリー定期

ブラームスの交響曲1番、2番。11年前の7月にサンタ・チェチーリアで聴いた氏の1番の印象がいまだに残っているのだが、今日の1番は、よくわからずじまいだった。描こうとしている全体像が見えてこないままに終わってしまった

いっぽう、2番はふくよかな演奏とは思ったものの、今日は不調だったのか? と思わせる一夜だった。

●09年8月1日 東フィル こども音楽館 オペラシティ

娘が小学生だった頃は、毎年日フィルサントリーの夏休みコンサートに行っていたことが懐かしく思い出される、今日のこどもマチネ。

また、くるみの花のワルツを聴くと、A管クラを持っていなかったため半音下げてすべてB管で吹き切った高校時代の演奏会を思い出す。花のワルツのソロは、♯だらけになってものすごいフィンガリングだった^^; 

通訳はなんと久野さん。新卒で勤務した音楽系出版社の1つ先輩に、楽屋で久々にお目にかかれました

●09年8月20日 川嶋あい C.C.レモンホール

本人にとって重要な日である8月20日に、今年もこの地でコンサートを開く。2003年が最初の年というから、6年の月日が経ち17歳だった少女は23歳に成長した

そういう背景を聴くと、つい自分のことにも思いを馳せたくなる。2003年8月、自分は今と全く違う状況を過ごしていた。そこから現在までの自分の回想を、彼女の新曲や定番曲があたたかく包んでいく

打上げで本人と一言、二言をかわす。こんな小柄な彼女のどこに、ここまでのエネルギーが潜んでいるのだろうか。人間の強い意志の持つ力を、あらためて感じないわけにはいかなかった。

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2009年9月20日 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 サントリーホール公演

昨年2008年サントリー、ムーティーのチャイ5に続き、今年2009年はメータによるウェーベルンとブラ4を聴いた。

昨年は、発売当日にずっと電話をかけ続けたがアクセス先すべて話し中のまま、完売。その後、ヤフオクにてプレミアム付きで購入した。

今年はまず確保、と考え、先行予約にてエントリー。無事当選したものの、S席にしてなんと前から3番目。サントリーでオーケストラを聴くこと、すでにアンカウンタブルな回数だが、そんな無謀な席を自ら選んだことはこれまでなく、これが初体験の、出たとこ勝負になってしまった。

さて開演。

海外オケの来日公演では、団員もその国の聴衆を観察するのが習慣なのか楽しいのか、いつも観客をウォッチするメンバーの様子を遠目から眺めていた。

しかし今日はまさにその当事者^^; 団員たちと目が合う合う。こちらがウィーンのヒトたちが珍しいの同様、彼らもまたトウキョウのヒトが珍しいのだろう。

この舞台至近の席。サプライズなメリットを何か期待したのだが、やはり予想通りデメリットだらけだった。

たとえて言うなら、遠景から眺めると風光明媚な海岸を訪れたのに、間違って波打ち際まで近付いてしまい、大波の迫力だけしか見られなかったとでも言おうか。

ほんの少々の距離を置けば気にならないだろう、微妙なズレ、歪みといったものがはっきりとわかってしまう。さらにコンマスの音が目立ち、その他のヴァイオリンの音がこれに付随して聞こえてしまう。管楽器はぼやけた音で、しかもどこの反射音から聞こえてくるのかわからない。

そんな状況だから、肝心の音作りがどんなふうだったのか、これもよくわからない。ただ、ブラ4では、メータが求心力となって団員のテンションをあげていく、というところまでは行ってなかったような気がした。

ブラームスはまず堅牢さがあって、ブラ4はそこから絶望への誘惑というような「甘やかな」部分と鬩ぎ合う必要があると思うのだが、そのあたりもなんだか無難に過ぎてしまったのかとも思う。

ウェーベルンでは、団員の作曲家への矜持を感じたものの、パッサカリアを除く2曲の十二音音楽自体が、個人的に年齢を重ねたところで理解できるものでも感じ入ることができるものでもないため、如何ともしがたい。

そんなこんなで、まともな席で聴いてみたかったと思いつつも、終演後の観客の拍手の止みがかなりあっさりしたものだったことから、大きな満足感をもたらした演奏会ではなかったと考えるのが妥当なのだろう。

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LUXMAN D-05を購入(2)

< 「LUXMAN D-05を購入(1)」から続く >

向かった先は、2年前に音楽出版社勤務時代の後輩から紹介してもらった、秋葉原テレオン

購入候補は、デノンDCD-SA11、同じくデノンDCD-1650SE、マランツSA-13S2、そして購入に至ったLUXMAN D-05の4機種だ。DCD-SA11はこの中では高価格だが、後継機の発売が近く、割引率が高いのだそうだ。

スピーカーは、現有機器のハーベス、コンパクト7の後継機。アンプは、現有のエレクトロコンパニエの適当な代用がなく、オーソドックスにデノンPMA-SA11とした。

On_bach_2試聴CDは、いつも使うシャイー&クリーヴランドの春祭に加え、現状のマイ・ベスト・オブ・ベスト、ヒラリー・ハーン、バッハのソナタ&パルティータの2枚。

まずはデノンDCD-1650SE。デノン定番の1650であり、AEのモデルチェンジ新製品ではあるものの、さすがに今回の他3機と続けて聴いてしまうと、聴きやすいがすべてにまとまり過ぎ。格の違いを見せつけられて(聴かせつかれて?)しまった。

またデノンDCD-SA11は、あくまで音源に忠実な誠実さは4機種随一だった。が、かつてサンスイの最高峰プリメイン、907リミテッド(だっけ?)と現有のエレクトロコンパニエを聴き比べたときのことを思い出してしまった。忠実過ぎて、本人らしさがよくわからなかったのだ。

01_4そして、マランツSA-13S2LUXMAN D-05。それぞれに基本に忠実ながら個性を持つこの2機種は甲乙つけがたかったが、最終的に、ヒラリー・ハーンのバッハの音の好みで、LUXMAN D-05に決めた。音のピュアさ、自由な軽やかさ、宇宙に、永遠につながる感じがわずか一歩勝っていたのだ。

しかしオーディオは、そもそも真剣に聴いて初めてわずかな違いがわかる世界。まして同価格帯の国産製品同士は、違う違うと言っても針小棒大な表現によるものだ。だから、好きなディスクを聴いたときの五感、体感、インスピレーションで決めるしかないのだろう。

ところでシャイーの春祭については、そもそも最近オーケストラは生でばかり聴いているので、この組み合わせであっても少々無理めな感じがしてしまった。

あ~スピーカーも買い替えたい!! でもでも先行きの生活すら保障されていない平成な状況を何と心得る(怒)! と自分を戒めたい気分の、盛夏の夕暮れでございました・・・

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LUXMAN D-05を購入(1)

09年5月に、「ルボックスのC221ついに全壊」の記事を書いてから3ヶ月。ようやく、新しいCDプレイヤーを購入した。

このとき全壊と書いたものの、レンズクリーナーを何回かかけながら再生させると、意外に止まらずいくこともあり、そのまま騙し騙し使用していた。が、ここへきて、さすがにそれも限界になってきた。

先日はなかなか好調で、愛聴盤であるバーンスタインNYPOのシベリウスの2番をいい感じで聴いていた。ところが、4楽章ラスト2分で突如停止。すっかり自分と音楽の間に機器が介在することを忘れて音楽に入り込んでいただけに、これはつらい。

そこでオーディオ店の知り合いにもろもろ相談したところ、手持ちのルボックスの修理は不可能かもしくはかなりの費用がかかることもわかり、購入を決心した。

しかし15年前に、現在の海外製品でオーディオを一新した時から、日本も変わり、オーディオの世界も変わった。平たく言うと、ますますハイエンド製品とその他もろもろの間に、二極化が進んだようなのだ

手持ちのルボックスと同程度の、買値20万台の輸入CDプレイヤーには、手頃な製品がないと言う。なるほど、オーディオの趣味を続けていて今も海外製品を買うような人は、広大な土地建物を持ち、将来にわたり金にも不自由しない人に限定されてきているのだろう。だから、マーケットに対応して製品もハイエンド化。

いっぽうそうでない人たちは、以前はオーディオに興味はあったが、今さらそんなものにカネをかけず、パソコンや携帯型音楽プレイヤーやラジカセで音楽を聴いているに違いない。

確かに平成の時代と自分の環境を鑑みると、向こう10年ですら、生き抜けるかどうか見通しが立たない。今が昭和なら、終身雇用に右肩上がりの給料にそこそこの退職金をあてに、ここで一気にグレードアップをはかったのだろう。が、そんな夢のような時代は、すっかり郷愁の彼方となった。

ということで二極化コアマーケットから中途半端な自分は、ひとまずは現状維持もしくは若干のグレードダウンも視野に入れ、今日、秋葉原のオーディオショップに向かったのであった。。

( 「LUXMAN D-05を購入(2)」に続く)

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09年6月26日 東フィルサントリー定期 『椿姫』 コンサートスタイル・オペラ

指揮:チョン・ミョンフン

コンサートスタイル・オペラ。ガラ・コンサートや、イベント的な演奏会で似た類のものは聴いたことはあるが、このような本格的なスタイルでは、初の体験だ。

今回演奏会を聴くまでは、「本物のオペラの縮小版」的な捉えかたをしていた。しかし実際に聴いてみると、そんなイメージは覆された。

オペラではピットにいるオーケストラが、ここではオケの演奏会の位置にいる。当然音を聴くにはベストポジションだ。

またオペラでは、衣装を着てその他大勢として演技をしている合唱が、合唱付きのオケ曲の位置に居並ぶ。こちらも当然、各パートがまとまって、ビシっと聴こえてくる。

もちろんソロ歌手も、演劇的表現の必要がない分、歌だけに専念することができるはずだ

つまりこのスタイルは、オペラから演劇的な要素を一切排し、音楽のみを純度高く抽出することができるものなのだと、聴いているうちにわかってきた。

「CDで聴く」オペラを生演奏で聴いている、という感覚が一番適切なのだろう。

しかし、今日もミョンフン氏は、弦を歌わせみごとに鳴らす。氏の手にかかると、それが東フィルだということを忘れてしまうことがときどきあるが、今日もそんなレベルの高さだ。

ところどころで、各パートで音が揃わないところもあったが、そんなことはトータルな表現に何も影響を及ぼさなかった。音が艶々ときれいに輝いていて品が高い。

また、ヴィオレッタ、アルフレード、ジェルモンの主役3人は、海外の歌手で固める。ここも細部を論えばいろいろあるものの、総論的にはOKと言っていいだろう。ただ、サントリーホールとの相性のせいか、音がダイレクトに鼓膜に響き過ぎのきらいもあった。

またまた最後にこんな話しで恐縮だが、LC3列目のご年配のご婦人は、冒頭のデリケートな第1音が鳴るまさにそのタイミングで、袋をガサガサガサガサ鳴らし続け、P席にいた友人によると、指揮者はそのために上げたタクトを2度下ろしたという。

音響から選んだ今期の東フィル定期のLC席は、これで開幕3ヶ月連続でこんなレベルの一見サンに見舞われた。清濁あわせのまざるを得ない仕事から解放される平日夜の楽しみに、こんな理不尽を排除できる仕組みはないものだろうか。。。

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09年6月11日 トリオ・ディ・クラローネ 演奏会

王子ホール

メンデルスゾーン:コンツェルトシュトゥック1番、2番

シューマン:3つのロマンス、おとぎ話、幻想小曲集ほか

しかしメンデルスゾーンのコンツェルトシュトゥック1番、2番。こんなレアな曲を、こんな小ホールで、ワールドメジャーなザビーネ・マイヤーが演奏するとは、いやいや、生きてるといいこともあるものだなと、購入。

もちろんこの曲を知るほとんどの人には、ウェストミンスターのウラッハ盤が刷り込まれていることだろう。演奏者からしても、このスタンダードとも言える演奏と、自身の解釈を対比しないわけにはいかない。

マイヤーはやってくれた。アゴーギクにしろアーティキュレーションにしろデュナーミクにしろ、ウラッハ盤の呪縛を全く感じさせない。堂々と豪快で音圧・音量抜群でキレのいいコンツェルトシュトゥックは、耳に新しく斬新そのものだ

CD録音で聴くマイヤーは、オーソドックスな定番な印象があった。いっぽう数年前にサントリー聴いたモーツァルトの協奏曲では、オリジナリティを、やたらと楽譜にないフレーズを繰り出すことで表現しており、どうも納得できなかった。

しかし今日の堂々オリジナル真っ向勝負のメンデルスゾーン。古き良き時代のウィーンの香りがするウラッハ盤の解釈を全く新しく塗り替えることに成功した演奏には、感服。素晴らしい! 

いい演奏会だった。

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09年6月10日 クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル

サントリーホール

バッハ:パルティータ2番、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ32番、バツェヴィチ:ソナタ2番、シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲

この価格設定は強気だなと思っていたところ、さすがに空席が目立つ。1階席の通路後方R側は、7割方あいていた。

全体を通して、耳に馴染んでいるバッハとベートーヴェンの2曲は、あまり印象に残らなかった。いっぽう、ともに初めて聴くバツェヴィチとシマノフスキには、心を動かされた

前者では、大作曲家と大ピアニストが対峙していた様相であったが、後者ではそれが一体となっていたとでも言えばいいのだろうか。

ポーランドの作曲家の曲をポーランドのピアニストが弾いているから、という安易な結論に帰結するのはいかがなものかなとは思うものの、この2曲を通して描かれる心の葛藤は、時代や国を超越してひしひしと伝わってきた

シマノフスキの中盤以降、近現代的な『展覧会の絵』とでも思わせるスケール感が、圧巻だった

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09年6月3日 ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団 演奏会

東京文化会館、指揮:アイヴォー・ボルトン、ピアノ・ラルス・フォークト

ハイドン:交響曲101番、モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、交響曲第41番

23日のデンマーク・ロイヤル・バレエ団に続いて、再び東京文化会館へ。かつては演奏会のほとんどが文化会館だった時代もあったが、最近は此処へ続けて来ることは、非常に珍しい

会場は8割が埋まる盛況。そんな安価ではない価格のことを考えると、やはり日本人にはモーツァルトやウィーンの愛好家が、一定数存在するのだろうか

編成は、弦の各パートが2~4プルトと、室内管より少し大きいぐらいの編成。

最初はハイドン。初めて聴くこのオケの音に、まずかなりの違和感があった。このホルンとトランペットはザルツブルクもしくはウィーンの伝統的な楽器なのか、やたら音が粗い。弦と木管は現代の楽器のように見えるが、全体的に古楽っぽい響きだ。

残念ながら、ハイドンはあまり琴線に響くところがなく、仕事の疲れから睡魔が勝ってしまった

続く20番。ピアノのラルス・フォークトの、クリアでしっかりとした情緒に流されることのない展開が心地よかった。が、ここでもピアノとオケのトゥッティにおける音に違和感が残った。

これまで聴いてきた国内オケ海外オケ問わず、モーツァルトの音とはこういう感じ、という範疇を大きく超えている。これが地元で伝承されている、18世紀からのモーツァルトの音なのだろうか

ところが休憩後の41番で、覚醒した。音は変わらないのだが、それが逆にモーツァルトの悪魔的な側面を強烈に焙り出す。モーツァルトの音楽には、ところどころに時代を超えてしまった未来の音が垣間見えるが、この4楽章も、なんだか立ち入ってしまってはいけないような音世界が展開される

今日の演奏会は、すべてこの4楽章で魔界の扉を劇的に開くために構成されていたのはないかと思えるほどだ

アンコールは、ボルトンが愛嬌たっぷりにフィガロやモーツァルトのコアな小曲を奏で、さすが本場と思わせるなか、和やかな雰囲気のなかで幕を閉じた。

それにしても今日の観客は、フォークトのアンコール終了後、音楽が終わり彼が完全に緊張感を解くまで固唾をのんで見守っていた。そして湧き上がるような拍手。久々に(というか最近ほどんどない)民度の高い観客が素晴らしかった。

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09年5月8日 チャイ5をサントリーで聴いていて

東フィル定期今シーズンの第2回定期は、飯守泰次郎指揮、ピアノはアンドレイ・コロベイニコフだ。

今回は、仕事の切り上げに失敗。6時を過ぎてからの相談案件が数珠つなぎになってしまって、会社を出たのが6時35分。1曲目の芥川也寸志は遅刻で入れず、グリーグのピアノ協奏曲から入場。

しかし、かつかつで仕事していたいくつかの案件が頭の中をぐるぐるとまわり、なかでも何度ダメ出ししても全く改善されない原稿のことに気を取られて、演奏が頭に心に入ってこない。

ホルンの大き過ぎる音にときどきびっくりしながらも、硬軟織り交ぜたピアノは、なかなか良かったような気がしたのだが。氏は若干22~23歳で初々しく、演奏後の物腰が柔らかく低く、もう少し堂々としてもいいのにと、微笑ましい感じだ

そしてチャイ5。引き続き金管、とくにホルンの音が大き過ぎ、どうにもバランスに欠ける。音色、アゴーギク、アーティキュレーション、どれもどうにも。。ということで今日の演奏に心をたゆたわせるのはあきらめ、過去のチャイ5体験に思いを馳せてみる

直近では、やはり昨年08年9月に聴いた、ムーティ&ウィーンフィルのチャイ5そのきらめく5月の陽光のようなきらきらとした音は、一音一音が五感を心地よく撫で、その幸せな感触は今でも身体に残っている。

そして一昨年07年9月に聴いた、学芸大学付属高校オーケストラのチャイ5。もちろん技術的には、プロや大人のアマオケに及ぶべくもないが、未来が無限に拡がる80人の高校生たちの情熱は、他のどこででも味わえない感動体験だった

そしてさらに自分の記憶は遡り、この曲を初めて聴き込んだ高校の頃に及ぶ。一般にポピュラーミュージックの「時代性」に対し、クラシックは「普遍性」の文脈で語られるが、自分にとって高校時代に聴き込んだクラシックの曲は、ポップス同様、当時をリアルに思い出す

自分がこの曲であの頃の五感の何に到る到るのか、ずっと辿っていたところ、当時冬の喫茶店でお茶したときの、あたたかいココアとケーキの味覚に行き当たった(は?笑)。

今、目の前で演奏している方々にはなんとも失礼な話しだが、どうしても個人的な受容範囲の外にある演奏については、こんな楽しみ方もあって許されるだろう

しかし今日も、右の年寄りは演奏中に新聞紙をたたんで音を立て、左のおっさんは紙を雑巾絞りして雑音を放ち、4楽章では曲途中、471小節の休符で拍手まで出る始末。これが東京・サントリー定期の現実か。。

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09年4月25日 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団演奏会

ファビオ・ルイジ指揮のドレスデン。しかもメインは、前回2006年チョン・ミョンフン公演のときと同じ、ブラ4だ。

今日は雷雨に暴風、という天気予報だったが、そこまでの悪天候ではなく、ほっとする。しかし寒い。その影響か、いつもミューザに行くときにそこそこ混んでいる南武線が、ガラガラだ。

と思っていると、今日のミューザも、これまた空席が多い。たぶん、ここまでがB席だと思われるステージを囲む座席は満員なのだが、サイド後方などは、40席ほどのブロックに客が一人、なんてところもある。

昨今やたら高騰している海外オケのチケット価格からすると、今回の公演はドレスデンの格と実力からして割安だと思うのだが。しかも今日は、サントリーがオールR.シュトラウスのなか、ブラ4がメインなのに。海外ほど、ルイジの評価はまだ日本に浸透していないのだろうか。

ということで、1曲目めは、「ツァラトゥストラはかく語りき」。いきなりのトランペットの安定感とふくよかな音。8日前に東フィルではらはらしながら聴いていたものだが、今日は大船に乗っているかのようだ

そして、久々に生で聴く、この本当にドイツそのものの音。とくにホルンとヴァイオリン。ウィーンが金色とすると、ドレスデンはまさしく、渋みの効いた銀色だ。 

ブラ4の冒頭の弦は、チョン・ミョンフンのときと同じように、無から何物かが生まれ出ずるような幽玄の境地。これこれ。全身がぞくぞくとしてくる。

全体像としては、ミョンフンのブラ4が、熱い感情を縦横無尽に展開していたとすると、かなり理性的なイメージ。紳士的で、統制がとれているというか

それにしても、ドレスデンのブラームスを聴いていると、ブラームスはそもそもこういう音で演奏されることを想定していたんだろうな、と思わせるほど、その相性は当たり前だが抜群だ。重厚で馬力と迫力が漲る美しい響きが、身体に沁み入る^^

アンコールは、ウェーバーのオベロン序曲。これまたドレスデンの自家薬籠といったところか。

あ~それにしても、こんなオケが日本にいて定期公演でもやってくれたら、幸せなんだがな~とつくづく思いました。

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09年度東フィルサントリー定期開幕

4月17日は、2009年度東フィルサントリー定期の開幕、エッティンガーのシェーンベルク、R.シュトラウスを聴いてきた

東フィル定期はこれで5期め。05、06年はサントリーLDのB席、07年はサントリーRBとオーチャード、ともにA席。08年はオペラシティのA席、そして今期09年はサントリーに復帰して、初めてLCのS席を購入してみた

仕事を18時早々に切り上げ、飯田橋で乗換えメトロ六本木一丁目駅へ。久々に駅に降りたら、新たに自動改札が出来ててぐるっと遠回りしなくてすむようになっていた

サントリー定期は1年ぶりだが、やはり金曜の夜にここへ向かうのは格別な気分だ。ホールも界隈のエリアも自分の今の五感にフィットしていて、落ち着くのだ。

長年の研究(?)の末に、サントリーで最も音がいい席はRC、LCの通路内側と結論づけている。1階だと音が上に抜ける。2階のセンター、RD、LDだと距離があり過ぎて音が遠かったり雑音を出す客の影響を受けがちだったり。RA、RB、LA、LB、Pだとバランスが崩れたり一部の楽器の音が聞こえなかったり。で、それらデメリットがないのが、ここRC、LCなのだ。

しかし、定期の新しい席はリスクも伴う。迷惑客が定期で近くにいると、1シーズン嫌な気分で過ごすことになるのだ。今日も、見るからにかかわりたくないオヤジ然とした男がやってくれた。浄夜のラスト、エッティンガーがまだタクトを下ろさず最終音が響いている最中から、終った終ったとばかりにカバンのファスナーを音を立ててあけ始める。ほんとに、自分さえよけりゃいいのかよ。来んなよクラシックの演奏会に。ツァラトゥストラの冒頭だけ聴きに来たくだらないイチゲンであることを望むのみだが。

ジ・Oさん(別名E46さん)に言わせると、彼は私の数倍は演奏会に行ってるがそんな目にあったことは一度もないそうで、私は祟られているのだとか。う~ん。いい加減、御祓いに行くべきか。しかし、こういうときは何の神社に行けばいいのだろうか。

ところで今日はなかなかの大編成で、さすが元2つのオケを母体としているだけのことはある。しかしいっぽう、演奏の出来不出来から推測していつも勝手に「一軍」「二軍」と呼んでいるのだが、今日は明らかに両軍渾然一体となっているのだろう。見事なソロを聴かせたかと思いきや、雑だったりはずしたりするところもあり。まあそれも一興というところだろうか。

エッティンガーの音の作り方は、やり過ぎにならない程度に美味しいツボをきちんと突いてくるので、聴いていて心地よく気持ちも入っていく演奏だった。リングのテンションのまま此処へ臨んでいるのだろう。

そんななか休憩時に、そのジ・Oさん(別名E46さん)にお目にかかる。髪型が変わってて、ますますイケてる^^ 終演後には、なんと珍しいOT氏とのツーショットも。ちょうど25年前、初めて同期入社が集合した日に、すでに同郷で知り合いだった2人の様相を思い出す^^; 演奏会アフターのウルフギャングもまた久しぶり。久々の間にメニューが一部変わっていた。

ということで、今日聴いたツァラトゥストラは、次の土曜にドレスデンでも聴く。対比がまた楽しみだ。

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冬木透CONDUCTSウルトラセブン

冬木透指揮 東京交響楽団 オペラシティ

サウンド・アンビション合唱団 中西圭三

交響曲「ウルトラコスモ」、交響詩「ウルトラセブン」、「ウルトラ警備隊の歌」、「ワンダバメドレー」

ゲスト:森次晃嗣、ひし美ゆり子、満田かずほ、飯島敏宏

ということでmixiのウルトラセブンコミュでの告知では一時炎上したりもしておりましたが、無事本演奏会が開催^^

水曜、木曜と西本智美の「復活」だった東響が、気分も新たにウルトラセブンのサウンドを見事に奏でてくれました

改めて冬木氏が描いたセブンの音楽を交響詩「ウルトラセブン」として俯瞰してみると、それはときにメシアン、ときにショスタコーヴィチも思い起こすようなきわめて20世紀的なものでした

存在への不安、破滅への危機感、織り成す暗黒と光、神秘・・・

セブン全編自体が夜や宇宙の闇が象徴的でしたが、音楽もまた然り。「希望的な終曲」のような明るいものや「ウルトラ警備隊の歌」のような勇壮なものは、やはり一部分なのだと感じました。

ゲストには、森次晃嗣さん、ひし美ゆり子さんも^^ DVDやネットの写真などで、その後お歳を召されたお姿は拝見していたのですが、生でツーショットを見られるなんて!

しかし、ひし美さんのかわいらしいこと! こんな「イケてる」60代女性を見たのは生まれて初めてです^^ ずっと音楽のトークが展開されているなかで、ちょっとおボケな回答に突っ込まれていたりして、このあたりは撮影当時の関係のまんまなんでしょうね。

それにしても、会場は40,50代男性で満員御礼。オペラシティの男性トイレでこんなに並んだのは初めてです^^; 初回放映から42年経ってこの集客力! あらためてセブンの偉大さを感じます。

望むらくは、8話のメトロン星人でのフルートとピアノのための協奏曲、12話のスペル星人でのディヴェルティメントなど、実相寺監督作品向けの古典派的な音楽も聴きかったです。まあ、あらたに編曲しないと無理ですから、それは贅沢な望みですね。

それにしても「クラシック音楽の演奏会や、ウルトラセブン全49話のコメントを掲載しています・・・」という自分のブログの説明文、この両方を同時に満たす記事が書ける日が来るとは、感慨深い一夜でした。

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09年3月7日 新日フィル トリフォニー定期

指揮:ダニエル・ハーディング

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

ラヴェル:ラ・ヴァルス

ベルリオーズ:幻想交響曲

土曜マチネの新日定期に、トリフォニーまで行ってきました。

しかし相変わらずのハーディング。どのフレーズも磨き抜かれて、新しい。というか今日は、まるで「ハーディング:新演出」とでも言うべきレベルで、楽譜にないこともたくさんあった。

全体的に、洗練されてすっきりした音色。トリフォニーの響きともあいまってか。ラ・ヴァルスも幻想も、蛮刀で豪快に切っていくような演奏も一般的だが、その対極

幻想の2楽章では、指揮者の両側にハープを2台ずつ配置し、オケの最終音が消えたあとにハープの音だけが残るという、凝った仕掛けだ。

今日のプログラムは名曲演奏会でもあるような3曲だが、さすが定期でハーディングが扱うと、これまでに聴いたことがないような音作りをしてくれる。

しかしいっぽうで、最近は慣れていない休日のマチネのせいもあってか、演奏に入り込めない。終始、「あちら側」で演っていて、自分と音楽の間に透明の壁があるような気がしたままだった。たんに自分側の問題だけだと思いますが。。 

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09年2月24日 ポール・メイエ リサイタル~こんなプーランク聴いたことない!

ホールはオペラシティ、ピアノはエリック・ル・サージュ

メンデルスゾーンとマルティヌーは、若干音色が不安だった。が、クラリネットを知り尽くしたウェーバーの旋律の影響もあってか、また時間の経過からか、ここから音のヌケと鳴り、が格段によくなる。音色も。

ベルク(4つの小品)は一筆書きのように侘びて寂びて、ブラームス(ソナタ1番)はドイツの骨格を保ちながらもフレーズの描き方は独創的。

そしてプーランクのソナタが始まったとき、それまでの演奏が「前奏」だったことを知る。

自分の国の音楽を、自分の言葉で話しているかのような、圧倒的な説得力。2楽章の静謐と孤独と死のモノローグ・・・ 3楽章の縦横無尽なキレとオリジナリティ! 

CD録音では絶対にありえないこんなプーランクは初めてで唯一無二。ライヴならではの一期一会に立ち会う感動に、身体が震え切る

そして、ドビュッシーあたりをイメージしたアンコールは見事に裏をかかれ?なんとシューマンの「幻想小曲集」から! プーランクの尖鋭とはうってかわった和みにたゆたっているうちに、幸せな時間も終了に至った。

また1つ、自分の中に伝説が積まれた一夜だった。 

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これからの演奏会

しばらく2夜のヒラリー・ハーンの余韻にひたっていました^^; 定期会員の東フィル以外で、チケットを購入している今後の演奏会の予定はこんな感じです。

●ポール・メイエ リサイタル(2月)

エリック・ル・サージュとのデュオで、プーランク、ブラームスの1番ソナタを含む垂涎のプログラム。ハーンのとき同様、オケではありえない、先行予約で前から9列めの席を確保^^ 指揮に完全転向してしまわないうちに、堪能したいところです。

●ハーディング指揮、新日フィル:幻想ほか(3月)

常に斬新なサプライズをもたらしてくれるハーディングが、幻想をどう斬ってみせるか、期待です。

●冬木透 CONDUCTS ウルトラセブン(3月)

なんとオケは東京交響楽団、ハコはオペラシティ。本気だ。セブンなら金管の比重を大幅に増やしてほしいものだ。ゲストに森次晃嗣、ひし美ゆり子、満田かずほ、飯島敏弘! 合唱団も入るとは、炎バックのポール星人のテーマ全曲が聴けるかも! オペラシティに奇跡が降臨するか凡庸に終わるか、現時点で全く読めまへん^^;

●ルイジ指揮、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(4月)

サントリーはR.シュトラウスづくしのなか、ブラ4を聴きにミューザ川崎まで遠征。ドレスデンのブラ4は、2006年にチョン・ミョンフンで最高の演奏を聴いた記憶も新しいので、ルイジがまた楽しみです。

●デンマーク・ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」(5月)

バレエ通の友人から実力お墨付きのデンマーク・ロイヤル。昨年末のくるみに続き、定番バレエを押さえていこうと思うこの頃です^^

●クリスチャン・ツィメルマン リサイタル(6月)

発売から時間をおいて購入にかかったにもかかわらず、いい席がかなりあいていたのは、価格設定が強気なためか。昨年東フィルで聴いたルトスワフスキのピアノ協奏曲では、なかなかその真価がわからず、あらためてリサイタルで聴いてみたいと思ったしだいです。

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09年1月15日 ヒラリー・ハーン リサイタル

09年1月7日ヒラリー・ハーン&リッターのアンコールはなんとパガニーニのカンタービレ! 、1月7日ヒラリー・ハーン&リッター(続き) もどうぞ^^)

Hahnということで1月7日に続き、15日のオペラシティにも行ってきました

7日は、シンガーソングライターのジョシュ・リッターとのコラボレーションだったが、15日は、オーソドックスにピアノのヴァレンティーナ・リシッツァとのリサイタルだ。

プログラムの中心は、アイヴズのソナタ3曲と、イザイの無伴奏2曲。もちろんどちらも素晴らしいのだが、この両方を聴くと、やはりイザイの無伴奏のほうが印象が強い

それは、曲自体の持つ情感に訴えるエネルギーもさることながら、ハーンのヴァイオリンのみですべて完結している小宇宙に吸い込まれるような気持ちになることに起因するのだろうか。

オープニングの4番も相当なものだったが、休憩後の6番はどこまでの高みにまで達するのか、怖ろしい気分になるほどだった。今日もハーンを見ていると、女神様が降臨してきているようにしか見えなかった。

その音楽の女神様が、1曲終えるたびに軽くお辞儀して観客ににこっと微笑みかける。あぁ、「地球に生まれてよかったーーー」ってやつかも^^;

【ところで観客は・・・】

ところでその観客のことを言うと、7日は演奏中は水を打ったように静かだったが曲の最終音の余韻をかき消すような拍手が残念。いっぽう15日は逆で、演奏中のセキや雑音は多かったのものの拍手は一呼吸おいてからで上出来。 どうしてこういう違いが生じるのか、不思議なものだ。

そして今回も出ました迷惑野郎。6列め、30代ふうバカップル! 演奏中ベタベタくっつき手と手をからめあい、女は男の肩に何度ももたれかかり、座高の高い男の頭が左右に揺れてステージが見にくいこと極まりない。いい歳して脂っこいデートなら場末の飲み屋にでも行け

【サイン会、そして家に帰り・・・】

そして、恒例のサイン会。長蛇の列だったのですが、ハイスピードの展開でほとんど待った気もしないうちに終わりました。地方ではもう少しゆったり感じで、直接書いてもらったり、本人がにこっとしてくれたり、だったそうで、こういう場合は地方のほうがいいのかと思ったりもしました。

それにしても、全国すべての演奏会後にファンのための時間を割くなんて・・音楽も容姿も人格も素晴らしく、もはや人間の域を超えています・・・

家に帰って、プログラムの曲を反芻して余韻を楽しもうと思ったのだが、今回の2日間のプログラムで、ハーンの録音によるCDは全くなし

せめて、イザイとかエルンストぐらいは同時にCD発売してほしいところです。最大の希望は、バッハのソナタとパルティータの残りの3曲なんですが^^; 

 

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09年1月7日ヒラリー・ハーン&リッター(続き)

(前の記事から続く)

とびきりの演奏を聴くと、その後しばらく、音楽そのものと自分の感動の感触が五感に残って、至福感に満たされ続けることがある。7日のハーンの演奏会がまさにそんな感じだ。4日経ってもまだその状態^^ その間別件で不愉快きわまりないことがあったのに、たいしたものだ^^;

前回書いたことに加えて印象深かったのが、リッターが主役のときのハーンの「伴奏」だ。

世界的なヴァイオリニストが、弓いっぱいを使って同じ音を奏でる(管楽器みたいに「ロングトーン」って言うのかな?)など、滅多に聴けるものではない。それが少し発展した、ミ~ソ~ド~みたいな簡単な分散和音についても同様だ。

ハーンの手にかかると、初心者用の教則本の冒頭に出てくるようなただのシンプルなフレーズが、こんなにも表現力を持つものなのか。

エルンスト、イザイ、バッハの曲にはもちろん感銘したが、超絶技巧や深い芸術性の側面から表現のしがいがある曲だけでなく、こんなシンプルな音だからこそ、その素晴らしさがいっそう際立つことも、あらためて新鮮な驚きだった

15日のリサイタルが、ますます楽しみだ。

今年は年頭からこのハーンの演奏会や、同じ歳の従姉妹に孫が生まれたり、青山セランでの旧友との再会ランチ、著者との打上げでのことなど、感動的なことが続くいっぽうで、非常に不愉快なこともすでに冒頭に書いたことだけではなく・・・なんだか波乱含みの年になりそうな感じが・・・

(→「09年1月15日 ヒラリー・ハーン リサイタル」もどうぞ)

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09年1月7日ヒラリー・ハーン&リッターのアンコールはなんとパガニーニのカンタービレ!

Hahn_2とりあえず2009年ヒラリー・ハーンのジャパンツアー、初日のオペラシティの速です。

とにかくハーンの、デジタル機器のように正確なのに、情熱とあたたかさが豊潤に迸る、最高のパフォーマンスを満喫できました!

エルンストの超絶技巧、バッハの静謐な宇宙観の官能、そしてそして、どうして想像つかなかったのか、アンコールにはなんと、ギル・シャハムのヴァイオリンとイェラン・セルシェルのギターで、一頃毎日聴いていたパガニーニのカンタービレM.S.109

最高のコラボレーションで、楽しく深い、あっという間の2時間半でした^^

(→次の記事に続く)

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2008 在京オーケストラ演奏会 曲単位ベスト5

今年も年末恒例、自分が行った在京オーケストラの公演のなかから、曲単位でベスト5を選出してみました。

●第1位● シベリウス交響曲第7番 (2008年2月1日 日フィル サントリー定期 井上道義指揮・・・吉松隆の「鳥たちの時代」も併せて)

●第2位● シューマン交響曲第4番 (2008年4月26日 東響 オペラシティ定期 シャン・ジャン指揮)

●第3位● ストラヴィンスキー『春の祭典』 (2008年6月12日 東フィル オペラシティ定期 エッティンガー指揮)

●第4位● リスト ピアノ協奏曲第1番 (2008年5月19日 都響 東京文化会館定期 小泉和裕指揮、アリス=紗良・オット ピアノ)

●第5位● レスピーギ ローマの松 (2008年11月2日 日フィル サントリー名曲 沼尻竜典指揮)

1位は文句なし。日フィル伝統のシベリウス、1番7番に加えて、吉松の鳥たちの時代という個人的に究極のプログラムを、全身全霊渾身の力で演じ切った井上道義が素晴らしかった。

2位はこの曲の悪魔的な側面に戦慄が走り、3位は春祭の二極軸の双方を同時に打ち出した新しい解釈に震撼、4位はアリスの才能が期待度大、5位は久々にこの曲の悠久さを堪能。

くわしくは、リンク先の各記事にて。。

ちなみに、過去3年間のベスト5は以下の通りです^^ ブログを始めた2006年5月以降の演奏会については、このリンクの「音楽カテゴリー」に掲載しています。 

<2007年>

●同率 第1位● フォーレ:レクイエム (2007年11月9日 東フィル サントリー定期  チョン・ミョンフン指揮)

●同率 第1位● モーツァルト:クラリネット協奏曲 (2007年3月20日 都響 サントリー定期 小泉和裕指揮、cl:カール・ライスター)

●第3位● シュニトケ:「夏の夜の夢、ではなくて」 (2007年2月23日 読響 サントリー定期 ホーネック指揮)

●第4位● ブルックナー:交響曲第9番 (2007年12月13日 東フィル オペラシティ 定期  若杉弘指揮)

●第5位● サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 (2007年8月12日 東響 ミューザ川崎 大友直人指揮、vn:神尾真由子)

<2006年>

●第1位● マーラー:交響曲第1番「巨人」 (2006年10月23日 新日フィル サントリー定期 指揮:クリスティアン・アルミンク)

●第2位● ラヴェル:「ダフニスとクロエ 第二組曲」 (2006年9月5日 新日フィル サントリー定期 指揮:クリスティアン・アルミンク)

●第3位● ショスタコーヴィチ:オラトリオ「森の歌」 (2006年1月20日 東フィル サントリー定期 指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ)

●第4位● マーラー:交響曲第9番(2006年2月17日 東フィル サントリー定期 指揮:チョン・ミョンフン)

●第5位● シベリウス:「カレリア組曲」 (2006年6月24日 日フィル 横浜みなとみらい定期 指揮:井上道義)

<2005年>

●第1位● ラヴェル:「ダフニスとクロエ 第二組曲」 (2005年3月12日 日フィル 横浜定期 指揮:広上淳一)

●第2位● ドボルザーク:交響曲第8番 (2005年7月22日 東フィル サントリー定期 指揮:チョン・ミョンフン)

●第3位● コープランド:クラリネット協奏曲 (2005年5月29日 都響  サントリー  指揮:デプリースト、cl:佐藤路世)

●第4位● モーツァルト:交響曲第41番 (2005年9月1日 N響 サントリー定期 指揮:スタインバーグ)

●第5位● バーバー:弦楽のためのアダージョ (2005年12月25日 東フィル サントリー 指揮:下野竜也)

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2008年に行った31公演を振り返って

今年も一昨日28日の第九で、演奏会の聴きおさめ。2008年は、J-POP1回を含め、全31公演に足を運んだ。年末恒例にしている「在京オーケストラ演奏会 曲単位ベスト5」は次の記事にまわし、とりあえず量的質的に1年を振り返ってみたい。まず数の内訳は、下記の通り。

○J-POP 1

○クラシック 30(内訳:以下、青字

  △オペラ 1

  △バレエ 2

  △合唱 1

  △オーケストラ 26(内訳:以下、ピンク

    ●アマ 2

    ●海外 5

    ●子供向け 1

    ●在京プロ 18(内訳:以下、□緑字

      □東フィル定期 9

      □その他 9(内訳:以下、◎茶色字

        ◎日フィル 5

        ◎東響 3

        ◎都響 1

2007「年度」は、東フィル定期演奏会を2ライン購入していた。が、仕事が忙しかったりそれほど気が乗らないプログラムの日の欠席や途中退出が増えてきたため、4月からこれを1本化。

いっぽうその代わりに、単発で購入する海外オケ、その他在京オケに行く回数が増え、またオペラやバレエは久々に本格的なものに行った

海外オケでは、9月のウィーンフィルは十数年ぶりに行って改めてその別格ぶりを思い知り、やはり9月のスカラフィルもその豊潤な音色を楽しめた3月のBBCフィルでは、ヒラリー・ハーンをようやく生で聴くことができた。

オペラは格安ロシアものを除くとかなり久々に、4月の新国立の『魔弾の射手』に行き、バレエに至っては、いったいいつ以来だろうという感じで、5月のベジャール追悼公演の『火の鳥』『春の祭典』(他)12月の松山の『くるみ割り人形』を観た。

来年2009年も、こんな感じで、国内オケの定期公演を1本中心に、海外オケやバレエ、今年はゼロだった器楽のソロ演奏会も行こうと思う。

と考えていたら、もう来週、再来週は2週連続でヒラリー・ハーンのリサイタル。来年のことだからまだまだ先だと思っていたが、もうすぐだった^^;

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08年12月28日 東響 第九演奏会

今年も仕事を終え、計30回めになる最後の演奏会は、東響の第九だ。指揮は、例年どおり秋山和慶。

毎年言っているが、コアなオケファンのなかには、普段演奏会に行かない人が大挙して押しかける第九を敬遠する人もいる。しかし自分は、もはやこの曲なしでは年を終えられない。これを聴いて澱を溶かし、精神を浄化し、厄を祓い、人の未来に希望を持って年を越すのである(笑)。

今年はさらに極めて、7月のチケット発売日に、没入しようと1枚だけ購入。座席もS席マイベストのLC通路脇。迷惑客の影響も被りにくい。万全の体制だ

しかし、秋山和慶の第九、昨年も充分な出来だったが、今年はそれを凌ぐ完成度だった。昨年のように1楽章と3楽章の中間部でテンポを落すことはなく、それが功を奏し高い緊張感を保持したまま、圧倒的な推進力を持って展開されてゆく。3楽章のホルンが大きくソロをはずしても、大きな瑕疵にならないほどだ。

いっぽう、途中でついつい来し方行く末に想いを馳せてしまい、そうすると仕事の濃い案件が目白押しなだけに、気持ちが飛んでしまう瞬間も。。

そして4楽章。これも見事な出来。肝心な箇所で合唱団員のくしゃみの音かもしくは何か倒した音か雑音が響いたり、バスソロの出だしが大雑把だったり、ソプラノソロが代役だったようで厳しいものがあったりしたが、これもまた大きく構築された音楽を壊すほどのものではなかった。

【終了後・・・】

東フィル定期を同行している友人と、今年の演奏会の振り返り。昨年は、友人のほうが1.5倍ほど多く行っていた記憶があったが、今年は30回前後でほぼ同数。今年のマイベストについては、次回記事にでも。。

その後、20代前半に通っていた英会話学校で知り合った同じ大学同期の友人たちと、青山キラー通りのイタリアン「タヴェルナ・アズーラ」へ。いつも元気をもらうポジティブな仲間とこんな年末押し詰まった日曜夜に久々に集まると、しみじみとしてしまう。ふと気付くとこの店、8年ぐらい前に一度来たことがあるところだった。

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08年11月2日 日フィル サントリーホール演奏会

指揮:沼尻竜典 ヴァイオリン:アン・アキコ・マイヤーズ

モーツァルト:「魔笛」序曲

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲

三善晃:「アン・パサン」(通り過ぎながら)

レスピーギ:ローマの松

アイスランド響シベリウス交響曲4夜連続演奏会がキャンセルになったため、その前後で行くのを控えていた演奏会を再検討、急遽この日のものに行くことにした。

目当ては、「ローマの松」。半年前に記事「久々に聴きたいオケ曲ベスト10(08.4.19)」を書いたときの、2位の曲だ。

「ローマの松」は高校時代にかなり聴き込んだ曲で、クラリネットソロはレガートの練習によく使った。1978年3月18日の東京文化会館、チェリビダッケ&読響の演奏は、今でも脳裏に焼きついている名演奏だ。が、長い間、CDでも演奏会でも聴いていなかった。

それが昨年の大晦日、たまたまジルベスターのカウントダウンで演奏されているのをテレビで観た。久々にこの歳で生を聴いてみると、どんなふうに聴こえるのか、かなり興味深かった。

【初のPブロック寄りRA「三角州」席】

これまでずっと避けていた、サントリーのP席寄りのこの一帯。9月に、スカラ・フィルで初めてLAの三角州席を体験したのだが、これがなかなか悪くなかった。

LA、RAの真ん中あたりだと、弦と管がくっきり分離するのに比べ、ここはやや後方から俯瞰するため、オケ全体が一体となって聴こえるのだ。また、木管、金管は、一人ひとりの演奏ぶりがよくわかる。また、P席より位置が高いために、音がまとまって聴こえる。

最近は、雑音を立てる周囲の迷惑な客に立腹してばっかりなので、このようにオケが間近な席のほうが潔く納得がいく。そう考えると、実はリーズナブルな一帯だ。

今日もその対角で聴いたのだが、感想は同じだった。今後は、期待が非常に大きいものはRC、LC前方のS席、そこそこなものは、LA、RAのC席かなとの思いを強くした。

【演奏】

休憩はさんでの、前半と後半の印象が全く違う演奏会だった。

前半は、さほど心に残るものはなかった。古典から前期ロマンの2曲、基本に忠実なオーソドックスなものだった。

いっぽう、自分は日フィルのシベリウスが非常に好きなのだが、後半の2曲は、これを彷彿させる内容。曲自体が拡がりを持つものなのだが、決して表面的に陥らず、インナーに精神的にも大きく羽ばたきを見せる深いものだった。

久々に聴きたかった「ローマの松」は絶品。時空を超えた悠久の歴史にまで想いを馳せることができるような、茫洋としたなかに詩情があふれる、いい演奏だった。

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落胆7割安堵3割。。アイスランド響来日中止

08年11月、4夜連続で予定されていた、 アイスランド交響楽団シベリウス交響曲全曲連続演奏会が、アイスランド本国の「金融危機」のため、中止となった。

10年に一度あるかないかのシベリウス交響曲全曲演奏会は、千載一遇のチャンス。。平日4日連続にもかかわらず、後先考えずにセット券を購入した

しかし、徐々にこの予定がプレッシャーとなっていく。月曜祝日のこの週、火曜から金曜の平日すべて18時過ぎに会社を出て演奏会に向かうことが、どれだけ仕事を滞らせるか、想像もつかなくなってきた。

そこへ来て、4夜すべての公演中止。。全曲を3日連続で、ほぼ順番に聴くチャンスなど、今後またあるのかすらわからない。とくに、5,6,7番の連続演奏は、自身最高のプログラムかも知れず、落胆は大きい。

いっぽうで、仕事をきっちりまわせることになった安堵感も、かなりのものだ

次に全曲演奏を企画する団体があったら、ぜひ土日祝日を混ぜてほしいと切に思います。。

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メイエとドゥダメルのチケットを購入^^

Meie●2009年2月24日 ポール・メイエ クラリネット・リサイタル (オペラシティ)

指揮に転向しつつあるクラリネット奏者、ポール・メイエ。世界の第一人者の一人であるメイエの演奏が、もしかしたらもう聴けなくなるかも知れないと思うと、今回の演奏会は見逃せない。

ピアノもエリック・ル・サージュと、ベストのコンビ。曲は、クラリネット奏者ではないとなかなか馴染のない、マルティヌー、ウェーバー、メンデルスゾーンの作品が前半、そしてラストはブラームスの1番とプーランクのソナタ、とクラリネットメジャーな2曲で締める。

ヒラリー・ハーンの1月演奏会に続き、かなり前の席を確保。オケではありえない、ソリスト対応のゾーンだ^^

●2008年12月17日 グスターボ・ドゥダメル指揮 シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ (芸術劇場)

CDやDVDで注目していたこのコンビ。清冽で人類の未来を信じるようなポジティブな演奏が印象的だったが、12月に芸術劇場と国際フォーラム(。。)で演奏会があると、最近マイミクさんになった方から、先週教えてもらった。

あまり前情報がなかった気がするし、新聞広告にも「緊急来日!」と書いてある。突然だったし、12月は仕事がかなり忙しそうなのだが、せっかくなのでこちらも芸術劇場の日を購入。

なんと、ダフニスとクロエ第2組曲とチャイ5! 今年も複数回聴いているマイベストな曲をこのコンビで聴けるとは、非常に楽しみだ。

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08年9月23日 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 サントリーホール公演

指揮:リッカルド・ムーティ

ロッシーニ:オペラ「セミラーミデ」序曲
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「妖精の口づけ」から
チャイコフスキー:交響曲第5番

ウィーン・フィルの初体験は1977年3月、カール・ベーム指揮の「運命」「田園」「レオノーレ」3番序曲。以来、何度か聴いているが、今日はかなり久々。15年ぶりぐらいだろうか。

そして今日のチャイ5は、自分の数百回を数えるだろう演奏会体験のなかでも、3本の指の入る演奏、もしかしたら最も素晴らしいものだったかも知れない

いや、「素晴らしい」なんていう形容詞は軽く超越していた。そこにいる人たちが作曲家の書いた楽譜を演奏している、とはどうにも思えなかったのだ

チャイ5という楽曲そのものがそこにあって、チャイコフスキー自らがやってきて、この曲を自分の言葉で話しているとでも言えば、この不思議な感じを表せるだろうか。

すべてが斬新でオリジナルで、どこかで聴き馴染んだような月並みなフレーズは、最初から最後までとうとうどこにもなかった

31年前、生まれて初めて聴いたウィーン・フィルが「田園」を奏でたときは、そのやわらかで金色の音色に驚愕した

そして今日、オーケストラが完全に自分の言葉遣いで音楽を語るのに、信じられない感動を覚えた。

★★ところで、今日も書きたくないことをたくさん書かないとならない。

リズムに合わせてカツカツと大きな音を立てるな!

楽章間で大きな声で話すな!! 

ネジを巻くような大きな音を立てるな!!!

大きな音で身体を掻くな!!!!

セキ、モノを落す、など不可抗力なら我慢もする。自分だってセキぐらいする。しかし上記の音は、故意のものだ。故意に大きな音を立てる無神経な人間は、クラシックの演奏会に来る資格はない!!

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ヒラリー・ハーン オペラシティ2公演セット券を購入

もう2週間前になるが、いよいよ来年2009年1月のヒラリー・ハーン日本公演の先行発売が開始された

→1月7日公演の記事はこちら

ふだんは、直接座席が選べない先行発売、先行予約はあまり好まないのだが、今回は特別だ。

もともと、15日のリサイタルは絶対に行こうと思っていて、7日のジョシュ・リッターとのコラボは少々迷っていた。しかし、まずはジャパン・アーツの各種会員に向けて、この2夜セット券から発売されると聞いて腹が決まる

4日深夜0時からのWEBエントリー受付、という不思議な枠に0:02頃に申込み、すんなり受付される。その後、5日の夕方には申込み完了のメールが届き、6日のお昼にはもうチケットが届いた。なんとまあスピーディーなこと^^

座席を確認すると、2夜ともに前から5~7番目で、左右も中央。オーケストラだとあまり前は困るのだが、ハーンのソロならベストだ。こんな流れなら、先行も悪くない。

さて今回の目玉の1つは、イザイの無伴奏ソナタの4~6番だ。ハーンはイザイの孫弟子にあたるそうで、これが2夜にわたって演奏される。またぜひとも聴きたかった、バッハの無伴奏は、2番ソナタの1曲だけ。アンコールに期待したい。

そのほか、ふだんオーケストラをメインに聴いている自分にはなじみのない、アイヴスのソナタ、ニールセンの変奏曲、このあたりは、きっちりと予習をして臨みたいものです^^

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08年9月13日 日フィル サントリー定期演奏会

指揮:ハルトムート・ヘンヒェン

シューベルト:交響曲第7番「未完成」

ブルックナー:交響曲第9番

しかし、前回日フィル昼定期に行った5月31日、ドイツ・レクイエムのときも思ったのだが、土曜公演は、演奏者、観客ともに平日夜公演に比べて雰囲気がゆるい

平日夜の客は、基本的に仕事をばっさりと切り上げて、ハイテンションそのままに駆けつけて来ているのであろう状況に対し、土曜の午後2時というのは、客もまったりと弛緩しているのだろう。

そんな雰囲気が演奏者にも伝わるのか、もしくは初めから演奏者もそういう状態なのか、土日の昼はオケも緊張感に欠ける演奏が多いように思う。オケ側からすると、定期演奏会と言えども、名曲コンサートに近い状態になってしまうのだろうか

そんななか、今日もなんだかテンションが上がらないままに終わってしまった

前回同様、2階席は曲間で人を入れているのか、未完成の2楽章の冒頭、やけに雑音が耳に障る

またブルックナーは曲の始まったその瞬間に、やはり2階中央席付近からジッパーの開閉音が響いて、完全に音が重なった。最悪。やはりそんな客を含んでしまうのが、土日なのだろうか。

自分にとって、またブルックナーの9番ファンにとって、この曲は神に近い敬虔な存在である。そういう曲を、休日の昼にのんきに聴いてはいけなかったのだろうか。。

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2008年9月6日 スカラ・フィルハーモニー管弦楽団 サントリー公演

チョン・ミョンフン指揮 

ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」序曲、歌劇「ウィリアム・テル」序曲、プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」より間奏曲、ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲

チャイコフスキー:交響曲第4番

ここ数年は在京メジャーオケを中心に聴いていて、日本のオケもずいぶんレベルが上がったものだと感心することしきりであった

しかしそんななかで今日のスカラ・フィルのような音を聴いてしまうと、やはり根本的なものが違うことを思い知らされる

このイタリアオケの、パレットに32色をちりばめたような音色からすると、日本のオケのは、白と黒、ときどき銀。。そのぐらいの違いがある。

また、日本のオケが100の力で100の演奏をしているとすると、今日のスカラ・フィルは、150の力で100の演奏をしていたような余裕だ。

なかでも金管の美しさと余裕、これは日本人の限界を易々と凌駕してしまっている。木管もまたウィーンともベルリンとも違って、色気があり過ぎぐらいの音色だ。

これに弦があいまって繰り広げられるオケ全体の音からは、濃厚な陽気さが香り立ち、日本男児がとくに恋愛において「イタリア人にはかないまへん。。」と白旗を上げてしまうのも、仕方がない気がしてくる。

このスカラ・フィルは、今年2008年5月号の『レコード芸術』誌のオーケストラ・ランキングでは、20位にランクされている。しかし今日の演奏は、これより上位に位置するオケが月並みな出来だったときよりも、はるかに素晴しいものだった。

いつも言うことなのだが、オケも人の集まり。どこまで気合いが入っているかで、大きくそのアウトプットは違ってくる。その「気」の入る重要な要素の1つが、指揮者との蜜月の度合であるのは自明である

今日の演奏と団員の雰囲気を見る限り、チョン・ミョンフンはこのオケを完全に掌中に収めていることが、ありありと伝わってきた。

【さて演奏は。。】

プログラムの前半は、イタリアオペラの序曲集。もう何も言うことはない。次から次へと出てくる一流シェフによるイタリア料理を満喫したような満足感だ

そして後半はチャイコフスキー。こちらは、ミョンフン氏の左脳右脳の緩急が圧巻だった

つまり、理詰めで楽想をたたみかけるように追い詰め突きつめていくところと、いっぽうで自由に伸びやかに感性でうたわせるところの絶妙な切り替え、これに魂まで持っていかれてしまうような法悦感をおぼえた。

しかし最後まで違和感が消えなかったのは、もともと自分の心象風景のなかではモノクロームで冬枯れて孤独なチャイ4、とくに1、2楽章の絶望、残酷、憂鬱に対し、オケの音色があまりにカラフルで彩豊か過ぎる点だ。どうにも仕方ないことだが。

だとすると、チャイ4は、白と黒と銀の日本のオケのほうが、本質的に合致しているのかも知れない。曲と演奏、国民性や人種のマッチングは、なかなかに興味深いテーマだ。

【LAブロック左寄りエリアを初体験】

ところで今回、LAブロックのP席寄り7番までのエリアを初体験した。一般にはP席よりも厳しい席とされているが、これがなかなかよかった。

同じLAでも8番以降だと「真横」になって、弦・木管・金管が完全にタテに分離して聴こえるのだが、このエリアだとそれがまとまって聴こえてくる。

この音のまとまり方がオケらしくて、納得感があるのだ。指揮者の表情やタクト捌きもよく見えるし、なかなかリーズナブルな席だ。これがRAだと、さらにコンバスが隠れて第1ヴァイオリンを正面に見るわけだから、なおいいのかも知れません。

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2008年8月18日東フィルこども音楽館2008

今週の月曜日18日は、早々に仕事を切り上げて、18:30開演の表題のイベントに行ってきた

指揮・監修はチョン・ミョンフン、オケは東フィルと、東フィル・ファミリーオーケストラ。ゲストに浪曲&語りの国本武春。

そもそも8月は例年、通常のオーケストラ公演がほとんどない。このような子ども向けのイベントなど、どこのオケもホールも夏休み対応の企画が目白押しで、定期公演などはお休みとなるのだ。

この日のイベントの前半は、東京フィル・ファミリーオーケストラの演奏による「アルルの女」第2組曲。下は小学3年生から上は72歳までの、2年目を迎えるオケなのだそうだが、これが非情にうまい

全奏、さらに言うと弦だけ聴いていると、とても子どもも交えたオケとは思えないぐらいの鳴りっぷりだ。さすがに木管、そして金管となると、微笑ましくなりはするのだが、それにしてもたいしたものだ。フルートソロの男の子は、天晴れとしか言いようがない。

さて話は飛んでしまうが、この日のラストの「ダフニスとクロエ」第2組曲は、自分の印象としては、第1、2曲がかなり遅いテンポだったと思う。

子どもも多くいる聴衆に対し、どの箇所がどの楽器群によってどんな色彩で鳴り響いているのかを、丁寧に示してあげていたような気もした。

もともとオケの色彩を描くのが得意なチョン氏の真骨頂だったのだろう。だからと言って、決して「子ども向け」ということではなく、2004年録音、フランス国立放送フィル盤の演奏に、少々エネルギーを加えたような感じで、大人も満足できるものだった

小学生の心象風景に、ダフニスを初めて聴いたとしたら、それはどのように映ったのだろうか。子どもにとっての「扉」とか「きっかけ」とか、そんなものになるといいなと思ったこの日の演奏だった。

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08年9月23日ウィーンフィルのチケットを購入^^

以前の記事「08年9月23日ウィーンフィルのチケット獲得できず」で、正規発売日に、23日サントリー、チャイ5の日のチケットを買えなかった話を書いた。

その後、ヤフオクでウォッチすること1ヶ月半、先週、S席を定価で落札することができた^^

当初、P席はそこそこ出てきたものの、それ以外はなかなか出てこなかった。しばらくすると、B席が出てきたが、おおむね¥5,000ほどのプレミアムがついての落札が続く

今回のチケットは、どんな価格でもどうしても行きたい! というよりは少しテンションが低いので、定価以上で競っても、断念し続けていたのだ。

そんななか、S席で定価が希望落札価格、というのが出てきた。これは時宜を得たのだろうと勝手に解釈して、即時落札した

しかし、改めて\35,000は高いと思う。今期、東フィルの定期公演、A席8回分\34,000よりも高い^^;

チャイ5のウィーンの名盤と言えば、カラヤン盤(1984)、ゲルギエフ盤(1998)などがあるが、自分のなかでは決定盤、というほどのものではない

いっぽう、この曲の決定盤は、いまだにムラヴィンスキー&レニングラード盤(1960。もしくは、1977,1983)だったりもするのだが、いっぽう自分は幼少の頃にやられた、バーンスタイン&ニューヨーク盤から脱出できずにいる^^;

果たして、ムーティ&ウィーンのチャイ5、いかほどのものか。コストに相応の名演を期待したいものだ。

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ついにキタ~!? 08年11月 アイスランド交響楽団 シベリウス交響曲全曲連続演奏会セット券を購入^^

待望のシベリウス交響曲の全曲演奏会! 今度はいつ、どこのオケがやってくれるかとずっと待っていたが、それは本命の日フィルではなく^^;、初来日のアイスランド交響楽団だった^^

ペトリ・サカリ指揮:アイスランド交響楽団

2008年11月4日(火)第1夜  交響曲第1番、第3番

2008年11月5日(水)第2夜 交響曲第2番、第4番

2008年11月6日(木)第3夜  交響曲第5番、第6番、第7番

2008年11月7日(金)≪アイスランド音楽の夕べ≫ レイフス、ヴィーザル、ハトルグリムソン他

情報を知ったのは、昨日の新聞紙上。発売開始は翌日の今日、27日。さっそく今日電話をかけ続け、12:30頃につながり、無事4夜連続券を入手することができた。個人的に絶好の席^^

昨2007年は、シベリウス没後50年の年で、演奏会のプログラムにも期待していたのだが、これが全くの不発。在京主要オケにも、来日オケにも全く無視されてしまっていた。

そこへ来て、このプログラム! 臥薪嘗胆して精進していると、捲土重来な機会が来るものである(??)

アイスランド自体は人口30万人の小国。だがその民度は非常に高く、クラシック以外の音楽でアイスランドと仕事をしている知人によると、日本へのシンパシィも高いそうなのだ

サカリ&アイスランド響は、NAXOSよりシベリウス交響曲全集を出しているが、まだまだ一部好事家に知られている程度。その演奏はさすがに最上級のレベルに達しているとは言えなく賛否両論なのだが、確かに北欧と近い環境にある国らしく、その本質を描いているようだ。

宣伝チラシは、こんな感じだ。

北国のオーケストラにしか出せない、凛とした澄み切った音色、フィヨルドに打ち寄せ砕ける荒波のような激しさ、そしてアイスランドの火山のように内なるマグマをたぎらせるエネルギー。」

月曜が祝日のこの11月の週は平日が4日しかない。その4日間、すべて仕事を早々に切り上げてトリフォニーに向かえるのか非常に疑問なのだが、10年に一度あるかの機会だけに、気合を入れていきたいところです^^

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08年7月17日 東フィルオペラシティ 定期公演

指揮:ポール・メイエ

ベートーヴェン:七重奏曲 サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」

【メイエ、指揮に転向 !?】

紛うことなくアルフレート・プリンツ、カール・ライスター以来の逸材だと信じている、天才クラリネット奏者ポール・メイエが、どうも指揮に転向してしまいそうなのだ

今日の1曲目は、七重奏曲。今月の定期では、かろうじてメイエがクラリネットを吹く曲だ。

彼の音色の何が素晴らしいかと言うと、クラリネット独特の倍音を多く含むまろやかさを保ちつつも、鋭く攻撃的な音を出してしまえるところだ。この真逆なことを同時にできてしまうクラリネット奏者は、古今東西、他に誰も知らない。

今日もその音色は、相変わらず素晴らしかった。個人的に退屈なこの曲も、メイエの音を聴いているだけで、惚れ惚れとしてしまう

そして、指揮台に上がったメイエ。タクト捌きに関しては、まだまだ素人っぽい範疇だが、オケの音色の作り方は、まさに先述のクラリネットのそれに近いものがある

オペラシティは音が綺麗に響くホールなのだが、今日はいつにまして、キラキラしている。弦も管もスッキリと尖鋭的な音を出しながらも、ふくよかな要素を失うことはない。まさに、メイエの世界だ。

【サン=サーンスの「オルガン付き」再発見】

自分はかなり前に、この曲のイマイチどころかイマ3ぐらいの演奏を聴いてしまって以来、どうにも印象が悪かった。

しかし今日の演奏を聴いて、これまでの印象は一変した。コラールふうに祈りを捧げるような響きが美しい1楽章2部、オルガンの入りが圧巻の2楽章2部、それだけではなく全編にわたってスリリングな展開。。これにはすっかり魅了されてしまった。

2部の後半は、友人に言わせると「味わいがなかった」とのことだったが、これがメイエの尖鋭なスタイルなのだと思えば、納得する。

まったく、これこそが定期会員のメリットなのだろう。単券でこの曲がメインのプログラムは絶対に買わないところが、8回セットの中でのリコメンドであれば、こうして足を運んで聴いてみる。すると先入観が覆されるような発見に出合えるのだ。

今日は、本当に得をした気分だ。しかし、ポール・メイエ。せめてソロ活動と指揮は、半分半分にして欲しい。滅多にいない、ソロで成立できるクラリネット奏者を失いたくはないのだ。。

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08年7月6日 エルムの鐘交響楽団 第21回演奏会

指揮:中橋健太郎左衛門 ヴァイオリン:藤原浜雄

バルトーク:ハンガリーの風景、ヴァイオリン協奏曲第2番

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 (アンコール:アンダンテ・カンタービレ)

今年の2月に刊行した本で、装丁と本文イラストをお願いした、イラストレーターのこやまけいこさん。彼女が所属するオーケストラ、エルムの鐘交響楽団の演奏会に行ってきた。

Photo_3その本では、2コママンガのネタを一緒に考えたりなかなか楽しい仕事だったのだが、最近ではこやまさんは、 コミックで出会った名曲たち」(ジェネオンエンタテイメント)で、「夏のポルカ」というマンガを描いている。とても親しみやすくてかわいいタッチが、かなり自分のツボにはまっているのです。

さて、こやまさんの所属するエルムの鐘交響楽団は、北大OBOGを母体とするアマチュア・オケ。さすが、北のオケだけあって、なんとすでにシベリウスの交響曲は全曲演奏ずみなのだ。演奏機会の極端に少ない、3番、4番、6番なんかも。何しろ、過去20回の演奏会でシベリウスを21曲演奏と、筋金入りだ。もっと早く注目しておけばよかった^^;

今日のプログラムは、バルトークとチャイコフスキー。やはり、ドイツ、オーストリアものよりも、北欧、東欧、ロシアあたりの曲が得意なのだろう。オケの音色も、こういった民族楽派の作品が似合っている。

ところで、自分は以前、『バルトーク物語』(音楽之友社)という書籍を編集したことがある。原書はハンガリー語で書かれたもので、バルトークの生涯を子どもにも読めるようなやさしいタッチで綴ったものだ。なので、バルトークの生涯にはくわしく、人としても親近感を持つのだが、どうにも彼の十二音を駆使した音楽は受け付けないのだ

いっぽう、バルトークが生涯をかけて収集した民謡をベースとした曲は、非常に馴染む。そんなわけで、今日も「ハンガリーの風景」は、かなり感情移入しながら聴いていた。木管が音をつないでいき、それを受け継いだ最初の弦のトゥッティでは、その音色の拡がりがタイトルどおりにハンガリーの情景を彷彿させるようだった

それにしても、クラリネットのトップの女性は名手だった。音の入りに若干の問題はあるものの、深い情感を湛えた音色はクラリネットならではの味わいに満ちており、また音圧もしっかりとしていて、聴き手を魅了するのに充分なものだ

また悲愴はなかなか堂に入っていた。もちろんアマチュアなのであちこちに綻びが見られるのは当たり前のことだが、弦、管、打のバランスがよく推進力もあり、アマオケにありがちな聴いていて不安にさせられるような箇所はどこにもなかった。なかなかしっかりしたアマオケだと感じた。

アンコールは、同じくチャイコの、アンダンテ・カンタービレ。これは少し練習不足だった気がしました。それより、出番のない弦以外の人たちがちょっとかわいそうな気もしましたが。。^^;

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08年7月5日 東響 サントリー 定期公演

指揮:金聖響 ソプラノ:澤畑恵美  メゾ・ソプラノ:竹本節子

シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン、アヴェ・マリア、魔王

マーラー:交響曲第2番「復活」

以前も書いたが、最近は年齢と日頃の疲れのせいか、マーラーの交響曲と対峙する体力・精神力が減退している

同じ長丁場の曲だったら、純粋にオーケストラの音の美を楽しむことができて、敬虔で神に近いブルックナーのほうが、今の状況の自分に、至極フィットする感じがするのだ。

そんななか、さらにここ3週間ほど仕事のトラブルで疲弊しているなかで迎えた、今日の復活。正直、気持ちが持つか不安だった。

ところが、ここのところますます充実している東響。その弦の音色にいきなり魅了される。都響、日フィル、読響あたりをドイツ系とすると、東響は紛うことなくウィーンを彷彿させる

とは言っても、その艶々と明るく優美な音色は、19世紀のウィーン的な爛熟したものとも違うし、20世紀後半の世紀末的なものとも違う。21世紀の、現代的で純度の高い音なのだ。

今日の復活は、この弦の音色を基調としていたため、マーラー独特の重厚な部分も、負担を伴って重々しくのしかかってくるような印象を持つことはなかった。テンポ感と節回しともあいまって、例えば同じ牛肉でも、極めて良質なものを食しているような感覚を持った。

また、感銘を受けたのは、フルート、ピッコロ、クラリネットとソプラノ、メゾソプラノのソロ部分。周囲の音もそこそこに漲っているなかで、圧倒的な存在感と表現力を持ちくっきりと浮き立って響いていた

そして、今日の東響コーラスは圧巻だった。満を持しての5楽章、相応の音圧とともに乱れず始める「入り」の部分は、どんな楽器でもアマチュアにはなかなか難しいのだが、これが実に見事。フィナーレのクライマックスをきっちりとフレーミングしていた。

それにしても、金聖響の求心力と推進力はたいしたもの。ますます今後が楽しみな指揮者だ。

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08年9月23日ウィーンフィルのチケット獲得できず

08年9月、ウィーンフィルのサントリーホール公演のチケット発売開始が、昨日6月21日からだった

ここのところしばらくウィーンフィルを聴いておらず、また今回は祝日23日にチャイ5をやることもあって、指揮者はともあれ、久々に行きたい気になっていた。

以前の会社の後輩など業界関係者の知人に頼む手もあったのだが、直で主催元と繋がっていると予想される人と現在それほど親しくしておらず、手間をかけさせるのも忍びないので、自分でのトライアルをすることにした。

が、案の定、どこの回線も10時からずっと話し中

その後、ローソンチケット(自動音声)→電子チケットぴあ(自動音声)→CNプレイガイド(オペレーター対応)と、つながるごとに完売のアナウンス

ある程度予想はしていたのでさほどの落胆はないが、S席\35,000にしてこの人気は、さすがウィーンフィル。ふだんオケを聴かないような層がここには殺到することを、改めて思い知りました

あとはヤフオクか。。いったい、どれぐらいのプレミアムが付くのでしょう^^;

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サントリーLC席を「火の鳥」で初体験~08年6月15日 日フィルサントリー 名曲コンサート

指揮:シズオ・Z・クワハラ  ピアノ:田村響

ストラヴィンスキー:火の鳥組曲1919年版、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、ほか

【火の鳥のこと】

ここのところ、定期公演ばかり行っているが、3年ぶりに「名曲コンサート」に行った。というのも、しばらく(5月のバレエを除いて)「火の鳥」を生で聴いていなかったので、無性に聴きたくなったのだ。

自分は「火の鳥」については、子どもの頃にバーンスタイン&ニューヨークフィル盤にやられてしまって、立ち直れない口である^^;

他にチャイ5、新世界もそうなのだが、バーンスタインのきわめて感情的・主観的な演奏になじんでしまったらそれが最後。。ほかの演奏を受け付けなくなって幾星霜状態なのだ。

このように、自分のなかで理想形ができてしまった曲はやっかいなものだ。他の演奏を聴いても、「どれだけあれに近いか」という判断基準になってしまいがちだからだ

【サントリーLC席中央寄り席初体験】

さて、今回の演奏会であるが、かねてから「サントリーホールのベスト席のはず」と仮設を立てていた、LC席中央寄りを初体験してきた。

ひところは、ずっと1階センターの後方3列目以内の、A席ばかり選択していた。その後、2階のセンター、LD、LB、RBあたりを試して流浪の日々が続いた。年間数十回行くとなると、少しでも安く音と環境のいい席を探したいからだ

とはいえ、当たり前だがA席B席はそれなりの理由があって安いのだ。そして今回は逆にS席でも最も音がいいはずと考えていたLC席。これは、大当たりだった

まずこの席は、オケのバランスと迫力の両方を満たす。これより前だとバランスが悪く、後ろだと生生しさに欠ける。また1階席のように、木管の音が埋もれたり、音が上方に抜けて輪郭がぼやけることもない。

周囲の客の数が少なく、前方はステージまで空間だから、無神経な客の雑音に邪魔されるリスクが低い。視覚的にも聴覚的にも、800人規模の小ホールで音にすっぽりと包まれている感覚だ

LCは思った以上にすばらしい。もう、他の場所で聴けなくなるかも^^;

【名曲コンサート&定期の目指すものと今日の演奏】

ということで演奏なのだが、やはり名曲コンサートは名曲コンサートだということを、あらためて感じた。定期とは目指すものが根本的に違う。

定期が、「指揮者が自分の解釈をコアな客に問う」場だとすると、名曲コンサートは「名曲を無難にビギナー層に楽しんでもらう」ことを義務付けられているのだなと、当たり前なことを当たり前に痛感させられた。

ラフマニノフ、ストラヴィンスキーともに、ゆっくりなテンポで細部が細かく描かれていた。しかしいっぽう裏を返すと、そこにこだわるあまり、全体として曲をどう立体的に捉えて表現するのか、というところが薄かったように思う

まあそれは、今日の指揮者やピアニストがどうのというより、先に書いた演奏会のコンセプトによるものなのだろう

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08年6月12日 東フィルオペラシティ 定期公演~デジタルなバーバリズム! これぞ21世紀の春祭!

とりあえず速報です。エッティンガーの春祭は、非常に素晴らしかった

「春の祭典」の類型として、原初的⇔機能的、野蛮⇔理知、ゲルギエフ的⇔ブーレーズ的、という対比ができる。

ところが今日聴いた演奏は、この対極を併せ持つものだった! 一言で言うと、「デジタルなバーバリズム」。

このような演奏は、生演奏でもCDでも聴いたことがない。初演からもうすぐ100年を迎えるこの曲の、きわめて21世紀的な画期的なスタイルだった。

ところでいっぽう、今日もまた理解不能な年配の女性に遭遇した。なぜ春祭の冒頭10分間にわたって、シャカシャカとアメを剥く音を出し続け周囲に迷惑をかけるのか!!

オーケストラの演奏会はオセンにキャラメルの世界ではない。ここのところ毎回毎回ハラワタが煮えくり返っているので今日は名指しするが、1階19列4番の貴女、基本的なマナーを学習しないなら来ないで欲しい。

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08年5月31日 日フィルサントリー 定期公演(第600回東京定期演奏会)

指揮:ジャンルイジ・ジェルメッティ  ソプラノ:菅恵三子  バリトン:河野克典  合唱:日本フィルハーモニー協会合唱団

ブラームス:ドイツ・レクイエム

5月30、31日は、日フィルの東京定期600回にあたる演奏会が開催された。

入口で透明のA4ファイルが配布される。本日のプログラム、演奏会チラシとともに、 「日本フィル東京定期演奏会600回の軌跡」と題された中綴じ30ページの冊子が入っていた。

第1回公演は、1957年4月4日。生まれていない。渡邉暁雄指揮、メインはシベリウスの2番交響曲。なるほど、すでに日フィルの方針が明解だ

ガーシュウィンのピアノ協奏曲。斬新だ。というか、1937年没のガーシュウィン、同時代の作曲家の没後20年、という意味合いだったのだろうか。

ピアノは、伊達純。1980年代、駆け出し編集者の頃に、大家の先生として一度だけ原稿を依頼したことがある。その30年前の若かりし頃、この舞台で演奏されていたとは。

そしてページをめくっていくのだが、12回にジャン・フルネ、13回にストリックランドが振っているほかは、20回まで指揮はすべて渡邉暁雄。その後も、約10年ほどは、8~9割がた渡邉暁雄が指揮、というのが、隔世の感がある。

それにしても、園田高弘、江藤俊哉、安川加寿子。。。昭和の先達たちの名前がなつかしい。1961年、34回に小澤征爾が初登場

1962年、54回にはシャルル・ミュンシュが初登場して、ベルリオーズの幻想、ラヴェルのピアノ協奏曲とダフニスとクロエ第2組曲を振っている(聴きてぇ~^^;)。63年には、なんとリリー・クラウスのモーツァルト24番!

しかし、当時は現在のように同一オケが何本も定期ラインを持っていなかった時代だからなのか、海外から客演指揮者が来ると、2ヶ月、3ヶ月にわたって、2回、3回と振って帰っているのがおもしろい

また、渡邉暁雄はじめ、このオケがシベリウスを慈しんで演奏してきたのが、データとしてもよくわかる

65年の、パーヴォ・ベルグルンドが2公演にわたって演奏したシベリウス「7番」「タピオラ」「6番」なんてのもある。(聴きたいよぉぉ~)。81年には、渡邉暁雄による、交響曲の全曲演奏。当時、N響や海外オケばかり行ってて、なぜこれに行かなかったのだ!(と過去の自分を叱咤)。2001年のネーメ・ヤルヴィの、3会場での交響曲全曲演奏も、沖縄に行くことになってチケットをムダにしたし。。

71年には、日比谷公会堂から東京文化会館へ本拠を移す。その第1回は小澤征爾の「ファウストの劫罰」だ。

70年代後半になると、自分が足繁く文化会館に通っていた時代になってきて、ピアノのティモフェーエワ、指揮のルカーチなど、生で聴いた演奏家の名前もちらほら出てくる。

しかし、この600回の軌跡は壮観だ。昨今でこそ、在京オケはどこもレベルが飛躍的にアップし、それぞれ数本のシーズンラインを持ち、豪華な演奏家と共演するに至っており、日フィルもそのone of themになっているが、さらに特色を打ち出し、頑張ってほしいものだ。

ところで、本日の演奏会。。これが、座席選択を失敗して、惨憺たることになってしまった。大編成対応で、サントリー2階センター後方で聴いたのだが、定期と言えども土曜の昼は危険だったことを忘れていた。

演奏開始にぎりぎりで到着し、冒頭の低弦の音を掻き消すようにがさがさと上着を脱いだご高齢の女性、途中入場不可のはずなのに、なんと第5楽章から入ってきてソプラノの声より大きな音でバッグを置き2分以上かけてコートを脱いでいたご高齢の女性、第7楽章ではセキをしたついでにアメを取り出し、剥く音を見事に会場に響かせていたご高齢の女性。。。その他、2階ではあちこちで演奏への集中を乱す雑音が絶え間なく、ぐったりだった。

(そういえば前回、都響のブルックナー3番でも、ラスト直前に左隣りのご高齢の女性が、パンフの小口側を2度バラバラッとして大きな音を立てていた)

最近こういうことが多くなってきているが、休日の昼は特に要注意だ。座席選択に際しては、さらに複眼的なチェックポイントを設けないといかん。。と切に思う。

演奏自体は、合唱が多少大味な気はしたものの、まさにドイツの音、ブラームスの音が際立ち、良かったのだと思うのですが。

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08年5月19日 都響 文化会館 定期公演

リスト:ピアノ協奏曲第1番

ブルックナー:交響曲第3番

指揮:小泉和裕、ピアノ:アリス=沙良・オット

今日の演奏会の展望記事「08年5月19日 都響演奏会を購入」で書いたように、最近は、マーラーよりブルックナーのモードだ。

ブルックナーの曲はピュアで敬虔で純度が高く、音楽だけを楽しめる。また、壮烈で豪快で歯切れもよく、オーケストラとしての楽しみが満載だ。

いっぽうもう1つの最近は、協奏曲に食傷気味だ。

交響曲、管弦楽曲のレパートリーの広さに比べ、どうしても協奏曲のラインナップは限定される。

年に30回ペースで演奏会に行っていると、さほど聴きたくない協奏曲を何度も何度も聴かされるハメになる。これには、ややうんざりしていた。

そんなわけで、今日の期待は3番交響曲だったのだが、リストの協奏曲、これが思いもかけずよかった。

この曲は、10代の頃以来ほとんど聴いていなく、興味関心もとくになかった。

ところが、この今年弱冠20歳のアリス=沙良・オットの演奏は、力強いタッチで大きな骨格を描きながらも、だからと言って大味になるどころか随所に詩情もあふれる

独特の身体の使い方から繰り出す音楽は個性的で、数十年にわたって興味の圏外だったリストのコンチェルトを清新な輝きをもって、あざやか呈示してくれた

休憩時に、友人たちとその演奏を褒め称えていたら、久々に知り合いの関係者の方に声をかけられた。するとなんとこのアリス=沙良・オット、グラモフォン・デビューの準備中とか!

もしかしたら、21世紀の至宝となるかも知れない彼女の超メジャーデビュー前の演奏を聴いたことを、「伝説」として語り継ぐ日が来るのかもしれない

そして、本来期待のブルックナー。こちらは、全体的にテンション高く、とくに金管の充実ぶりには目を瞠るものがあった。

がいっぽう、最近ではすっかりサントリーやみなとみらいやオペラシティと比べると相対的にデッドで粗い響きに聴こえてしまう文化会館の音と、後期交響曲に比べるとまだまだ洗練の域に達していない3番自体の曲想のせいもあって、格段のインパクトをもたらすことはなかったように思う。 

Photo終演後、小泉和裕のレジデント・コンダクター就任披露公演を記念して、写真とボールペンを配っていた。ボールペンは紙巻き?? なんともいい感じです^^

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バレエに関する素朴なQ&A

ということで、08年5月11日は東京バレエ団の「モーリス・ベジャール追悼特別公演」に行って来た。久々のバレエだ。

見ていて素朴な疑問がいろいろと沸いてきたので、バレエ通の同僚にいろいろと質問しました^^;

●いずれの世界も業界の活性化はスターが牽引●

私「しかし、バレエと言えば女性がイメージされますが、こんなに男性の職業として成り立っているのは、正直驚きました」

通「実は、これはここ5年ぐらいのことなんです。以前は男性の人数が少なくて、男性パートを女性がやってたりしましたから」

私「ここ5年ですか?」

通「そうなんです。熊川哲也の影響です。あれで、男の子にバレエを習わせたい親や、バレエに憧れる男の子がぐっと増え、その世代がステージに揃ってきたんです」

私「どんな世界も、スターがシーンを牽引するんですね」

通「ほんとにそうですね」

●なぜ芸大に「バレエ学部」はない?●

私「ところで、東京芸大にしても音楽学部と美術学部。私立の音大や美大もたくさんあるけれど、バレエの大学って聞きませんね」

通「大学や高校からでは間に合わないんです。バレエ教室って多いのはご存知ですよね」

私「はい」

通「それこそほんとに小さい子どもの頃から始めて、10代には選別が始まって欧米に留学するし、20歳ではもう淘汰が終わって看板スターになるわけですから」

私「なるほど。ジャニーズみたいなもんだ!」

通「それはよくわかりませんが。。」

●在京バレエ団の3大メジャーとは?●

私「さて、オーケストラだと在京メジャーは、N響、読響、新日、日フィル、東響、都響、東フィル、シティフィル。。あたりなんですが、バレエ団だとどんな感じなんですか?」

通「松山バレエ団、牧阿佐美バレエ団、東京バレエ団、この3つです」

私「あの、新国立劇場っていうのはどういう位置づけなんですか?」

通「あそこを4つめ、としてもいいんですが、ダンサーが他のバレエ団からのレンタルだったりもするんですね」

私「レンタルですか」

通「それから、最近オペラにはお金をかけていますが、バレエには力を入れていないのが見えてきて。国として、もう少しお金と力をかけてくれてもいいと思うんですけれど。私、そのための税金なら喜んで払うんですけれどね」

●珍しい移籍組、日本の至宝、上野水香●

私「ところで、<ハサピコ>の女性ダンサーは良かったです」

通「そうでしょ? 彼女は上野水香さんと言って、日本でやっているのにはもったいないような人なんです」

私「東京バレエ団の看板なんですね」

通「なんですが、彼女は牧阿佐美バレエ団からの移籍なんですよ」

私「そういうことってよくあるんですか?」

通「滅多にない、というか、初めてじゃないでしょうか。」

私「高年俸で引き抜き合戦、なんてないんですか」

通「だって、ほんとの子どもの頃から世話になってるわけですから」

私「なるほど! それは納得です。上野さんはジャニーズからバーニングに移籍したようなものですね!」

通「。。。」

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08年5月11日 東京バレエ団 モーリス・ベジャール追悼特別公演

「ギリシャの踊り」 振付:モーリス・ベジャール 音楽:ミキス・テオドラキス

「火の鳥」 振付:モーリス・ベジャール 音楽:イーゴル・ストラヴィンスキー

「春の祭典」 振付:モーリス・ベジャール 音楽:イーゴル・ストラヴィンスキー

とてもとても久々の、バレエ公演。そのいきさつは、前回の記事に書いた通り、マイフェイバリットなオケ曲のなかのバレエ曲について、「バレエ付き」(笑)で観てみたくなったのだ。

(ちなみに、本ブログの書き手は、オケのコアファンで、バレエは初心者です^^;)

【ギリシャの踊り】

人気も実力も、今や押しも押されもせぬ日本の第一人者である、上野水香さん(今日観た後から知ったのですが^^;)が、「ハサピコ」に登場。

観ているときは上野さんの予備知識はなかったのだが、その腕の使い方と表現力は圧倒的。写真を見たら、お顔も日本人離れした美形で、近くでも見てみたかった。

この「ギリシャの踊り」は、初めて見る限りはストーリー性はなく、抽象的に展開。ギター系の重奏に笛系の旋律が乗る音楽が、ポルトガルとかスペインっぽく、それがギリシャの音楽なのだろうな~と思いつつ、抽象芸術を楽しむモードに頭を切り替えながら見ていました。(我ながら情けない感想^^;)

【火の鳥】

チラシを見ると、火の鳥の時間配分は25分。これは1919年版演奏会用組曲の時間である。今日は45~50分かかるはずのバレエ全曲の心づもりだったのだが、これはどういう展開になるのか、読めないままで本編を迎える。

始まってみると、音楽はまさに1919年版組曲を使っている。で、8人の黒い衣装の男性コールド(群舞の人たちとのこと。今日覚えました^^;)を従え、赤い衣装の男性が1人、主役を務める。

あれ? この赤い人は火の鳥なのか、イワン王子なのか。また、カスチェイ一党の凶悪な踊りの音楽の場面でも、魔王じみたモノは出てこない。きわめてシンプルに、この1人+8人で進んでゆく。

ベジャールによる「火の鳥」は、火の鳥を主人公にすえてシンプルに、そして「ギリシャ~」と同じく抽象的に展開するものだと知りました。(またまた情けない感想。)

【春の祭典】

初心者としては、今日の演目のなかで春祭がいちばんわかりやすかった

第1部の大地への讃仰では、うつぶせになった20人ほどの男性陣が、代わる代わる上体をあげて、全員が立ち上がるところから始まる。春の兆しや生命が胎動する様子が、音楽とあいまってよく表現される。

第2部の生贄の祭では、今度は20人ほどの女性陣がうつぶせになっているところから始まる。第2曲、3曲と進んでいく節目節目で、生贄の乙女が選ばれ、あっという間に女性ダンサーのみで生贄の儀式のステージが形成される。これは圧巻だ。

その後男性陣も現れ、ステージを取り囲み、儀式は進行する。見覚えのあるシーンが続いたこともあるが、火の鳥に比べると、かなり具体的で原典にも近いのでわかりやすかった

「バレエに関する素朴なQ&A」に続く)

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明日08年5月11日はベジャール追悼公演の「火の鳥」「春の祭典」

先日、08年4月20日は久々にオペラ『魔弾の射手』を観たが、明日はさらに久々で、バレエ公演を観に行きます。

内容は、モーリス・ベジャール追悼特別公演で、曲は「ギリシャの踊り」「火の鳥」「春の祭典」。

ここ20年ほど、バレエからは全く遠ざかっていた。そんななか、今の職場の同僚がバレエ通であることが判明。

話しをするなかで自分は、フェイバリットなオケ曲である「火の鳥」「春の祭典」「ダフニスとクロエ」あたりについて、一度「バレエ付き」で聴いてみたいと思っていたことに気付いた。潜在的に、都度一時的に思っていたことが、顕在化され継続的な意志となったのだ。

いっぽう、バレエ通の同僚からすると、というか一般世間的に言っても、「バレエに音楽が付いている」のであり、「バレエ付きで音楽を聴いてみたい」という僕の考え方や言い回しはおかしい

しかし、オーケストラのコアファンの方にはご理解いただけると思うのだが、我々側からすると、「管弦楽曲」のくくりの中に「バレエ音楽」は含まれていて、それをオーケストラだけで聴くのはごく自然なことである

「ダフニスとクロエ」や「火の鳥」もそのために演奏会用組曲版がある。いっぽうオケで全曲版を聴くと、明らかに退屈な部分が随所にある。(「春の祭典」は背景が違うが)

それはバレエ側からすると当たり前の話で、バレエ曲全体のなかでは、バレエとともに音楽も充実させて相乗効果を狙う見せ場もあれば、単なるバレエの付随として音楽が書かれた部分もある。なんでそんなものまで「バレエ抜き」で聴くのか、不思議なのも、もっともだろう。

また同僚からすると、観たいバレエが「火の鳥」「春の祭典」「ダフニスとクロエ」というのは、非常にレアでコアなのだそうだ。

なんでバレエにくわしくない人間が、ディアギレフやニジンスキーやロシア・バレエ団のことをよく知っているのか、不思議なのだとか

こちら側ではメジャーなポジショニングの3曲なのだが、あちら側の全体像はまた異なっているようだ^^;

そんなわけで、明日は念願かなって「火の鳥」と「春の祭典」を聴く、のではなく「観る」ことになった

これまで解説でしか読んだことのなかったストーリーが、「バレエ付き」によって視覚化される。果たして自分がそれをどう感じるのか、非常に楽しみです^^

(→「08年5月11日 東京バレエ団 モーリス・ベジャール追悼特別公演」に続く)

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08年5月8日 東フィルオペラシティ 定期公演

指揮:ヒュー・ウルフ  ピアノ・トリオ:椎名豊トリオ

ジョン・アダムズ:管弦楽のためのフォックストロット「主席は踊る」

ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー

ベートーヴェン:交響曲第7番

ガーシュインとベト7。のだめのオープニングとエンディングの2曲を配した、一見のだめコンサートかと思われるようなプログラムだが、その内容は非常に斬新なものだった。

ベト7は、いまだかつて聴いたことのないような展開。オーソドックスな演奏であれば、この曲の最大の特徴である「リズム」を際立たせるために、木管は強いタンキングを使い、弦楽器も弓を弦に当てていくように演奏するところなのだが、見ているとどうもそれとは逆の奏法を指示されていたような気がする

木管はほとんどアタックをしておらず、弦もがしがし弾くようなところまでもなめらかなボーイングが用いられている。ピリオド奏法的に、ヴィブラートも抑えられている。

ワーグナーによって「舞踏の聖化」と呼ばれたこの曲が、どちらかと言えばテヌートで貫かれたかのようなのだ

ところが不思議なことに、だからといってこの曲の本質である、強力なリズムを推進していくところが失われたわけではな

各楽器ともに、リズムの強調が端的に伝わる奏法を封印したかに見えながらも、逆にそのフラストレーションによって、爆発感を生み出すことに成功しているように思えたのだ。

とくに4楽章半ばのクライマックスでは、弦楽器全体が異常なテンションに満ちて昇華するのを目撃した。通常ではあり得ないような状況が起こっているのを目の当たりにすることになった。

非常に不思議な感覚だったが、この指揮者は、曲を逆の位相からアプローチすることによって本質を描き出す、という離れ業をやってのけたのだと思う

やはり、定期公演は、こうでなくてはと思う。有名な曲を普通に演奏していたのでは、名曲コンサートと何も変わらないのだから

ところで、1曲めのジョン・アダムズにはぎりぎりで遅刻>< ロビーで聴いていたら現代的だが美しく立体的な音の感じで、残念。。

ガーシュインは、ピアノソロ部分が完全にジャズのピアノ・トリオのインプロビゼーションになっており。。演奏の良し悪しとは関係なく、ジャズを聴きに行くときは別の心構えをして臨むので、オケの定期に来た身には、違和感があった

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08年5月19日 都響演奏会を購入

演奏会自体の記事はこちらのリンクからどうぞ

最近仕事が忙しいので、平日の演奏会のチケットを購入するのを控えていたが、金曜に表題のものを購入した。

指揮は小泉和裕、曲はブルックナーの3番とリストのピアノ協奏曲1番

ここのところ、あらためて生で聴くブルックナーの面白さを再発見。直近の3年で、4番、6番、7番、8番、9番を生で聴いた。

最近は年齢と日頃の疲れのせいか、マーラーの交響曲と対峙する体力・精神力が減退しているいっぽう、ブルックナーは純粋にオーケストラの音の美を楽しむことができる。今の状況の自分に、至極フィットする感じがするのだ。

小泉和裕も、好きな日本人指揮者の一人なので、楽しみです^^

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タワーとアマゾンでCDを5枚購入

昨日08年4月26日、東響オペラシティ定期に行く前、新宿タワーで2枚、今日アマゾンで3枚、CDを購入した。

<タワー>

Mendshost_100●ヒラリー・ハーン/パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番、シュポア:ヴァイオリン協奏曲 第8番

●ヒラリー・ハーン/メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番

ボックスセット等の企画ものを除くと、ヒラリー・ハーンのCDは、ソニーから5枚、グラモフォンから5枚、計10枚がリリースされている。

今回購入したこの2枚でそのうち9枚を入手。残るは、ベートーヴェンのみとなった。

昨日今日とメンデルスゾーンを聴いているが、バッハやシベリウスの3楽章などでの太く弾き込む音色は聴かれないものの、正確で清々しく豊かな表現はハーンらしくて嬉しくなってくる。

<アマゾン>

Photo●田部京子(ピアノ):吉松隆(作曲) プレイアデス舞曲集

田部さん、吉松氏ともに、好きな日本人ピアニスト、作曲家だ。

お2人の接点があるCDについては、吉松氏が解説を書いている田部さんのCHANDOSデビュー盤「シベリウス ピアノ作品集」が自分の愛聴盤。だが、その先になかなか踏み込んでおらず、今回このCDを聴くのが非常に楽しみである。

Photo_2●Frank Sinatra:Strangers in the Night 

実は恥ずかしながら、シナトラは自分の空白地帯である。もちろんあまりにメジャーな曲の数々は知っているが、アルバムは1枚も持っていない。だから今回の購買プロセスも、実にライトユーザー的です(笑)。

初回放映1988年第3クール、バブル期の徒花トレンディドラマの金字塔『抱きしめたい!』の最終回前第11話ラスト。深刻なケンカ別れをした麻子と夏子が、それぞれ夜のウォーターフロントまわりを彷徨う全編中かなりのクライマックスシーンで、この「Strangers in the Night」がかかる

これがずっと気になっていながら、何の曲だかわからないまま20年が過ぎていた。

そんななか、今年佐藤浩市が出ているANAのCMにこの曲が使われ、ようやく何だかわかったしだい。(セブンのリパッティのシューマンの7年に比べて3倍の期間だ^^;)

●宇多田ヒカル:HEART STATION 

一家に1枚、宇多田ヒカルのフルアルバム^^

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08年4月26日 東響 オペラシティ 定期公演~際立つシューマン4番の凄み

指揮:シャン・ジャン  ヴァイオリン:イダ・ヘンデル

ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番

シューマン:交響曲第4番

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲

ところで、オーケストラの聴き方の王道・本流は、「この指揮者がこの曲を、どう解釈してどう演奏するのかを聴くところ」と言われている。

そこからすると、自分の演奏会のチョイスの仕方は、「とにかくこの曲が聴きたい」というモチベーションから発しているケースも多い。確かに邪道・傍流・亜流なのかもしれない。

なぜかと考えると、かつてのカール・ベーム、レナード・バーンスタイン、カルロス・クライバーほどに心酔できる指揮者が、今の自分にはいない。今、演奏会があればどんな曲目でも聴いてみたいと思わせる指揮者は、ドゥダメルぐらいかも知れない。まだ生では一度も聴いたことがないから、曲目は二の次なのだ。日本人では、井上道義、小泉和裕、海外ではチョン・ミョンフン、ゲルギエフ、シャイーあたりは好きなのだが、どんな曲でも、とまではいかない。

この、曲モチベーションのチョイスは、当たり外れが伴う。せっかく自分の好きな曲なのに、解釈がイマイチでがっかりすることもある。(だからそうなりそうな指揮者の場合は、もちろん買わない)。

しかしいっぽうで、思いもかけずいい指揮者を発見できることがある

今日がそうだった。レオノーレ3番と、シューマンの4番を聴きたくて買ったチケットだったが、今日のシャン・ジャン。これが、秀逸な演奏をやってのけてくれた

シャン・ジャンは、中国人の女性指揮者。日本で著名な宝塚的要素を持つ女性指揮者と違って、髪は短かいし、ごくごく普通の容貌。指揮をしている後ろ姿は、男子中学生のようである。

ところがそんな彼女から繰り出される演奏は、レオノーレにしてもシューマンにしても、音が充溢していて、美しく漲った音が迸っている

煌く弦、横一本に芯となる金管、ふくよかで美しい音色の木管!

ここのところ東響には感心することが多く、一般の評価もいちだんと高まっている。今月の『レコード芸術』誌の特集では日本のオーケストラで1位になっているが、それにしても今日は際立っていたように思う。

今日の席は、1階19列。先週始まった東フィル定期も19列で聴いたのだが、あの日は木管金管が埋もれていたし、弦もこんなクリアには聴こえてこなかった。(もっとも東フィルは、いいときと悪いときの差が大き過ぎるのだが)。東響の標準的な力と、それをさらに引き出したシャン・ジャンの力なのだろう。

シューマンの4番は、なんだか不思議な曲である。ドイツ・オーストリアの交響曲の系譜のなかでも、特異な光彩を放っている

このような作品は、晩年に生まれたと言われれば納得もできるが、実際には1番の作曲後、最も創作活動が充実していたときの作品なのだ。

だからこそ、小説で言えば「主人公が勝手に動き出した」ような境地のなかで、作曲家の天才と狂気が、彼方の世界へ一人歩きしていったのかも知れない。

今日の演奏は、そんな異常さがあざやかな藍の色をもって描かれていた感じがした。4楽章まで進んだときに、その凄みに鳥肌が立ってきた

改めて、指揮者に注目した「王道」の方法で演奏会を選んでいたら、今日の演奏会は買うには至らずこのような僥倖に恵まれることはなかったことを思うと、曲オリエンテッドな選び方も悪くはないと思いました^^

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08年5月31日、6月15日の日フィル公演を購入

一昨日と今日、いずれも日フィル演奏会のチケットを購入した。

【5月31日】

この日の演奏会は、東京定期600回公演にあたる。ジェルメッティ指揮、ブラームスのドイツ・レクイエムだ。

ドイツ・レクイエムは、昨年、チョン・ミョンフン&東フィルの定期で聴く予定だったが、プログラムがフォーレに変更

聴き損ねてがっかりしたので、(ところがこのフォーレ、これが奇跡のような演奏だった)、今回、楽しみが拡がる。

日フィルの実力には賛否両論あるが、熱いオケであることだけは間違いなく、このような記念演奏会では白熱した展開が期待できる。

【6月15日】

この日は、名曲コンサートなのだが、シズオ・Z・クワハラに興味があるので、彼の指揮でフェイバリットな1919年版組曲「火の鳥」を聴けるのが楽しみだ。

また以前から、サントリーで最も音がいい(はず)という仮説を立てていた、LCブロック初体験^^ めずらしくS席です。 

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08年4月26日東響演奏会を購入、6月新国立の土日「椿姫」は売切れ

改めて在京オケのパンフレットを見ていたら、先日「久々に聴きたいオケ曲ベスト10(08.4.19)」で第1位にした、ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」3番の演奏会を発見、購入

今週26日土曜、東響オペラシティシリーズ第43回だ。シャン・ジャン指揮で、カップリングは3月に風邪で聴き逃したシューマンの4番^^

でも今HPを見たら、曲目変更により、ブラームスのヴァイオリン協奏曲がベートーヴェンになっていた。かなり残念。。

また、久々に観たオペラ「2008年4月20日 歌劇『魔弾の射手』 新国立劇場」で改めて新演出オペラの進化ぶりも堪能できたので、同じく新国立の6月『椿姫』の問い合わせもしたが、こちらは土日分すでに売り切れ。。

今回は断念し、また2008~2009年シーズンから検討することにしました。指輪も始まるし^^

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08年4月20日 歌劇『魔弾の射手』 新国立劇場

C.M.v.Weber:DER FREISCHÜTZ/全3幕

【芸術監督】若杉 弘
【指 揮】ダン・エッティンガー
【演 出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美 術】堀尾 幸男
【衣 裳】ひびの こづえ
【照 明】沢田 祐二
【舞台監督】村田 健輔

【オットカール侯爵】大島 幾雄
【クーノー】平野 忠彦
【アガーテ】エディット・ハッラー
【エンヒェン】ユリア・バウアー
【カスパール】ビャーニ・トール・クリスティンソン
【マックス】アルフォンス・エーベルツ
【隠者】妻屋 秀和
【キリアン】山下 浩司
【花嫁に付き添う四人の乙女】鈴木 愛美、田島 千愛、高橋 絵理、中村 真紀
【ザミエル】池田 直樹

【合唱指揮】三澤 洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

●久々のオペラ

ここのところ、オーケストラばかり行っているなか、久々のオペラ。光藍社主催の「なんちゃって」カルメンで笑ってきたのが前回なので、本格的なオペラはいつ以来だろうというほど、久しぶり。

演目は、『魔弾の射手』。10代の頃に、農民2を暗譜で歌ったことがあり、細部の細部まで熟知している最も馴染み深いオペラだ。

生はたぶん、3回目か4回目。確かベルリン国立歌劇場とドレスデン国立歌劇場を聴いた記憶がある。

●第1幕

冒頭、いきなり序曲の前に隠者とアガーテのシーンが入る。CDでも生でもこれは初めて観るシーンだ。一瞬、違う会場に入ってしまったかと思ったり^^;

そして始まる序曲。オケの定期公演でもお馴染の、エッティンガー&東フィル。ここのところオケの演奏会ばかり聴いているので、ラフでデッドな音が逆に新鮮だ。これがドイツの深い森の感じを出すから不思議だ^^

幕があくと、数十人の農民たちはくすんだ緑と茶色の「アースカラー」をベースに彩り豊かで、この色彩感覚に魅了される

この「色」と、さらに「光」は、全編にわたって見事なもので、ストーリーと音楽をバックアップするのに充分過ぎるほどに貢献していた。

音楽は、キレとスピード感にあふれる。この曲の名盤である、クライバー盤とクーベリック盤で言えば、クライバー盤の感じだ。第1幕第2場まで、圧倒的な展開で一気にたたみかける

そして個人的に期待の大きい、第6場のカスパールのアリア、Triumph!からの2オクターヴの下降と上昇。下降し切ったところで一息入れたのは少し残念だったが、なかなか圧巻ではあった。

●第2幕~

第2幕から登場する、エンヒェンとアガーテ。アガーテは、可憐で無垢な花嫁なのだが、エディット・ハーラーさん、かなり堂々としていて、エンヒェンのほうがアガーテっぽかったりする。

でも、歌い始めると、これが憂いに富んで素晴らしい。第2幕第2場の「シェーナ&アリア」もよかったが、第3幕の「カヴァティーナ」は、絶品だった。

そして、「狼谷」は演出がすごい。冒頭の、Uhui!Uhui!の声は、録音にエコーをかけたような音で、会場をいきなり別世界に誘う。

本来、「狼谷」のラストで姿を現すザミエルが、早々に声だけでなく本人も登場する。ここから先は、様々な不気味なモノが登場し、劇効果が素晴らしい。カウントダウン(カウントアップ)あたりからは、まさに総合芸術だ。

●フィナーレ、そして。。

フィナーレももちろん申し分ないのだが、改めて冷静にストーリーを考えると、きわめて予定調和な世界であるなあとは思います^^;

またここの場面は、どうしてもドタバタの極みだった10代で自分たちでやった魔弾の一部始終を思い出してしまうので、苦笑いをしながらの観覧となってしまう。

しかし、久々のオペラは十二分に満足のいくものだった。オペラもどんどん現代的な新しい演出がほどこされ、進化していることを改めて感じた。

もともとオケと同じぐらいオペラにも軸足を置きたかったので、今日はそのいいきっかけになるかも知れません^^

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久々に聴きたいオケ曲ベスト10(08.4.19)

ここ数年こそ、年間で20~30回のオーケストラの演奏会に行っているが、このペースで通うのは実は久しぶりで、高校・大学以来なのだ。

社会人になってしばらくは、音楽事典編集の追い込みで、毎晩終電までの勤務だった。その後少しして、FM音楽雑誌に異動。J-POP(当時は「邦楽」と呼んでいたが)とジャズの担当になって、1980年代後半から1990年代の前半まではその関連ライヴに行くのも仕事になり、クラシックの演奏会からかなり遠ざかる。

その後、1990年代の中後半は、勤務先の東京本部が多摩に移転。夏休みの子供のための音楽会と第九の年2回、という「ていたらく」な年すらあった

2000年あたりから都心勤務に戻り、年10回程度行くようになる。そして2005年から年20~30回に復活したのだ。

そんな訳で、聴きたいのに高校・大学以来20年以上生で聴けていない曲が、けっこうある。それを今回、ランキングにしてみました^^;

ここに挙がる条件としては、

(1)小曲だったり、非常に好きの一歩手前の曲だったりで、その曲だけのためにはなかなかチケットを買うに至らない。

(2)好きなのに滅多にやらない曲ではない、そこそこメジャーな曲(だからこそ1970~80年代に一度は聴いたことがある)

では。。

10位:ストラヴィンスキー バレエ音楽「ぺトルーシュカ」

→以前はよく生で聴いていた気がする。「火の鳥」と「春の祭典」は、指名買いするが、「ペトルーシュカ」は微妙なライン。。08年6月7日ミッコ・フランク&東響でやるのだが。。

9位:ショスタコーヴィチ 交響曲第9番

→これは、メイン曲にはなりにくいからカップリングで微妙。。そんなに演奏されないし。08年11月29日に新日であり、新日は定期会員になろうか検討中なので、チャンスあり?

8位:ビゼー 交響曲第1番

→CDでですらずいぶん聴いていないが、聴いたらかなり懐かしいかなと。

7位:モーツァルト ピアノ協奏曲第20番

→これも10代の頃によく聴いて以来、CDですらほとんど聴いてないから、懐かしいだろうと。

6位:チャイコフスキー 序曲「1812年」

→これも同じ趣旨だなあ。。懐かしさ満載。

5位:R.コルサコフ 「シェエラザード」

→これもかつてよく聴いた。。この歳で聴いたら、はたして深い感銘があるか、皮相的に聴こえるか試してみたいのだが、なかなかタイミングが合わず。

4位:ベートーヴェン 交響曲第8番

→これはCDでもよく聴いています。聴けば聴くほど味が出てくる。3月30日のデプリースト&都響を買おうとしたのだが、1ヶ月前ですでに売り切れで聴き逃した。11月21日読響定期で聴こうかと。

3位:シューベルト 交響曲第9番「グレイト」

→若い頃は退屈な気もしたが、逆に今こそ味わいを感じて楽しめる曲だ。とはいえ、この曲だけのためにチケットを買うかは、微妙なライン。定期に入っていてほしい感じ。

2位:レスピーギ 交響詩「ローマの松」

→しばらく忘れていた曲だが、昨年ふと耳にしてからすごく聴きたくなっている。1978年3月18日に、東京文化会館チェリビダッケ&読響で聴いた演奏も脳裏に蘇ってきた。久々にCDで聴いたら、細部の細部までよく覚えていること。実は、今日4月19日東響でやっていて、それだけのために行きたかったのだが、前後木曜、日曜と演奏会なので、見送ってしまった。。

1位:ベートーヴェン 序曲「レオノーレ」第3番

→そして1位はこの曲です。非常に好きで非常に聴きたい。でも小曲なだけに、カップリングも良くないと買うのが微妙なところで、なかなかタイミングが。。

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08年4月17日 東フィルオペラシティ 定期公演

指揮:オンドレイ・レナルト  ピアノ:河村尚子

スメタナ:「売られた花嫁」序曲

ショパン:ピアノ協奏曲第1番

ドヴォルザーク:交響曲第8番

東フィルの定期会員になって、これで4期め。05、06年サントリー、07年はサントリーとオーチャード、そして今期08年はオペラシティ会員となった。

今期オペラシティを選んだ理由は、「2008東フィル定期の継続申込み」で書いた。

本来金曜のサントリーは曜日も場所もベストなのでこれにしたいのだが、今期の演奏者・曲目が、あまりにオペラシティとオーチャードに見劣りがしたのだ。

【今シーズンの座席】

さて、その初日。いつものことながら、定期公演初日は非常に待ち遠しい。単発で買う演奏会に比べて、シーズンを通して同一となる「座席」への期待が、数倍になる感覚なのだ。

今回選んだのは、ステージへの距離が遠過ぎず、いっぽうステージの高さより低過ぎず、というところから、十分な下見をしたうえで1階の中央からやや後方を選択した。

この選択は、なかなかに正解だった。しかしいっぽう、やはり木管がすっかり弦に隠れ、音が伝わって来ない。金管も同様だ。

とはいえ、これ以上後方だと音が遠くなるし、ステージに直角となる2階3階のサイド席は避けたので、これはいたしかたないことだ。

【ひどかった客のマナー】

それにしても、今回はマナーの悪い客が多かった

まず、ショパンとドヴォルザークで、開始早々に大きな足音を立て、1階最前列から最後尾のドアまで歩いて退場した意味不明の人間がいた。一体何のつもりか。精神的に不安定な方なら仕方がないが、それにしても残り全員への迷惑は看過できることではない。

また、周囲に何の配慮もなく、アメの袋のようなものを大きな音を立てて開いていたお年寄り女性。ひょっとしたら、急に具合が悪くなって常備薬を呑もうとしていたのかも知れない。でもたとえそうだとしても、持病をお持ちなら、すぐに音を立てずに呑めるような配慮をすべきではないか。

さらに、イビキや、大きな音でハナをすする音も聞こえてきた

そんな迷惑なヒトタチに言いたい。 東京ドームあたりで音楽を聴いてはいかがですか?

【ドボ8】

指揮のオンドレイ・レナルトは、スロバキアの出身。「ドヴォルザークの8番と私は絶対的に誠実な関係で結ばれている」(パンフレット)と聞けば、否が応でも期待が増す。

演奏は、これまで聴いたことのないような解釈だった。ドヴォルザークと同国人が描いた今日のドボ8を聴くと、数多ある他の演奏は、コスモポリタナイズされてしまったものなのかと思うほどだ。

各楽器間のバランス、テンポの揺れ、強弱のバランスが独特で、聴き馴染んだドボ8とは異なる側面が次々と現れる。あたかも、生まれたての姿はこうだったのだ、と言わんばかりだ。

個人的には、4楽章は疾風怒涛な感じが好きなのだが、この非常に遅いテンポもまた格別の味わいがある。

残念だったのは、金管が明らかに2軍だったのか、安定感に欠け常に不安な気持ちにさせられたことだ。

【ショパン】

改めて思うのが、序曲(的なもの)・協奏曲・交響曲というオーソドックスなプログラミングをした場合に、協奏曲のレパートリーは圧倒的に少ないということだ

だから、個人的には何度聴いても何の感動もないショパンの1番を、他のどの曲よりも多く聴かざるをえなくなってしまう

今日はさらに、マナーの悪い客のせいですっかりテンションがダウンしていたため、ほとほと退屈し、いつのまにか翌日の仕事の段取りを考えてしまっている始末

今月に限っては、サントリーでシューマンを聴きたかった

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教皇ベネディクト16世バースデイコンサートのハーンとドゥダメル

Photo入手したまま見ていなかった、DVDを見た。

「教皇ベネディクト16世 バースデイ・コンサート ヴァチカン・ライヴ」

シュトゥットガルト放送交響楽団&ブラス 

指揮:グスターボ・ドゥダメル  ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン

このDVDは、「2007年4月16日に行なわれた、教皇ベネディクト16世の80歳の誕生日を記念するガラ・コンサート」を収録したものだ。

1しかし、このドゥダメル&ハーンという世界が注目する若手2人の組み合わせがすごい! 個人的にもハーンにはかなりはまっているし、ドゥダメルのベト5&7は最近の愛聴盤である。

曲目は、オープニングとエンディングに、ジョバンニ・ガブリエリの作品。メインが新世界で、その前のモーツァルトの3番協奏曲で、この2人が共演している

ドゥダメルとハーンの入場。3月14日文化会館演奏会で間近で観たハーン入場シーンが、フラッシュバックする。髪型が同じだし、もしかして服も同じかも

それにしても、ハーンがヴァイオリンを奏でた瞬間に、色が変わる世界が変わる。この清冽だが深さを湛えた音色と演奏には、心をあちら側に持っていかれる。

2また、ドゥダメルの演奏がいい。CDのベト5&7にしてもそうなのだが、人類の明るい未来を信じて疑わない、かといってそれが上っ面ではなく確かな根拠と自信を伴うような表現なのだ。

まさに夢の組み合わせによるこの2人の演奏は、まるでこの曲を初めて聴くように新しく聴こえてくるから、さすがだ。

【ところで。。】

なぜこんな垂涎のDVDを入手したまま見ていなかったかというと、ここ数ヶ月、土日に確保した自由な時間は簿記の学習にあてていたから。。

今の状況で資格試験の学習をするということは、CDやDVDや本を楽しんでブログを書いたりする時間をそちらにまわすということなのだ

両方できればいいのだが、これがなかなか難しい。。30代の頃にもう少しビジネスマネジメントの勉強をしておけば、と思っても時すでに遅し。

少年老い易く学成り難しってなもんですね。まあ、まだまだ若いと思って頑張らないと^^;

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08年3月14日 ヒラリー・ハーン&BBCフィル 東京文化会館演奏会~神が降臨した夜

風邪が完治しないなか、頭痛薬とセキ止め液をたっぷりと服用し、待望のコンサートに臨みました。

ジャナンドレア・ノセダ指揮&BBCフィル  ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン

ストラヴィンスキー:「妖精の口づけ」、シベリウス:ヴァイオリン協奏曲、ベートーヴェン:交響曲第7番

しかしヒラリー・ハーン。まるで神とシベリウスが同時に降臨したかのような演奏に、震撼させられた。

冒頭から、完璧なテクニック。しかしみずからの感情や思いを音に託すことはしない。ただただ、作曲家の指示に忠実に丁寧に音を奏でる。

なのにそこには、あり得ないほどの清々しさと気高さがある。最高の日本刀で、名人が次々と竹を切っているような光景にたとえてみようか。

オケの全奏でソロパートが休みのとき、ハーンは、第一ヴァイオリン、チェロ。。と各パートそれぞれたっぷり時間をかけ、真摯な表情で見つめる

温かく見守るのでもなく、厳しく問い質すのでもない。それはただ、自分と同じレベルでオケが神に、シベリウスに、近づいているのかを確かめているかのようだ。

実はシベリウス好きの自分は、このとりとめがなくシベリウスの管弦楽曲っぽさのない協奏曲が、好きになれないでいる

しかし、今日はそんなことはどうでもよかった。

シベリウスが楽譜に託したことが、ハーンを媒介としてありありと伝わってくる

ハーンが起こしている奇跡、その瞬間にリアルタイムで立ち会っていることは、その曲」が好きか嫌いかということを、遥かに超越していたのだ

アンコールのバッハがまた泣けた。感情や思い入れ、個人の表現といったものの対極にある演奏が、かえって人の心の奥深い部分を揺り動かす。それは本当に選ばれし者だけが、成し得ることなのだろう。

【ところでベト7】

なんですが、ハーンの感動で脱力したところに、頭痛薬とセキ止め液が効いて、かなり朦朧とした状態に。。

さらに、今回はいつもオケを聴くときと違い、「ハーン様対応席」としてなんと前から4列目端っこの席を選んだ。

だから、半地下の塹壕から地上を見ている感じで、第一ヴァイオリン以外何も見えず音もこもる状態^^;

そんなんだったので、まともに聴けてはいないのですが、なんか合ってないし、木管、金管、ヘタだったような気が。。失礼ながら、首をかしげたり苦笑したり寝てたりしておりました。。

まじめにやってるときのN響、チョン・ミョンフンなんかが振ってるときの東フィル一軍。。などの在京オケのほうがうまい気がしたのは、脱力感やクスリや席のせいだったのでしょうか。。

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08年2月22日 東フィルサントリー 定期公演

渡邊一正指揮、小山実稚恵ピアノ

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番、交響曲第2番

サントリーホールが07年4月から8月まで改装だったため、定期演奏会の日程が年度末につまっており、ここのところ毎週のように演奏会がある

そんななか、仕事が多忙なのと検定試験の勉強があるので、チケットを売ったり、途中で帰ったり、行かなかったり、という日も増えている。

今日もかなり迷ったのだが、前半だけでも聴いて帰るつもりで、サントリーに向かった

協奏曲3番の第一主題、小山さんのタッチは繊細で丁寧で、絶妙なうたい方だった。しかし最近、日によって違うオケかと思うことの多い東フィル。

17日のハーディングのときの、キラキラとして充溢感のある音色を出していたオケと同じとは思えず、それがラフマニノフならではの響きを追及したから、という訳でもなさそうだ。

小山さんも、もちろん充分な技量は堪能できたものの、オケとあいまってしまい、こちらの気持をかき立ててくれるところまではいかなかった。

ということで、試験2日前なので休憩で退出。友人と軽く飲んで帰途に着きました。

そして夜、小一時間の学習。。こんな日々もいったん明日で終わると思うと、結果はどうなろうと少しほっとします

それにしても今日は女性客が多かった。ラフマニノフだから? のだめの影響かな?^^;

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08年2月17日 東フィルオーチャード 定期公演

ダニエル・ハーディング指揮 ヴァイオリン:樫本大進

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、交響曲第5番

名曲コンサートでもしばしば取り上げられるこの2曲。今、最も注目を浴びている指揮者ハーディングが、定期演奏会でこれをどんなふうにさばくのか。期待はかなりふくらんでいた。

そんななか、今日のオケの音を最初に聴いたとき、はたしてこれはどこのオケなのだろうかと思った

弦が明るくかっちりしている。その上に乗る木管も、シャープだが厚味をもってまとまっている。これに金管の豊かな音が加わる。

昨年2007年11月9日に東フィル定期でフォーレのレクイエムを聴いたときも、これはいったいどこのオケの音なのだろうかと思ったが、このときの音ともまた違った、国内オケのレベルを超える響きが構築されている。

また、驚いたのは音だけではなかった。この2曲は凡庸な演奏も量産されているが、今日の展開は、今までどんな演奏会やCDでも聴いたことがないものだった。

すべてのフレーズが、独特で斬新だ。まるで、全団員の楽譜に、ハーディングの指示が印刷されているのではないかと思うほど徹底されている。

1つたりとも、既<聴>感のある箇所がない。すべての部分が新しく、曲の最初から最後まで次はどう来るのか、わくわくのしどおしだった。

チャイコフスキーの音楽は、民族的なものを普遍化し、また下世話なものを芸術的にしていると感じることがしばしばだ。

いっぽう今日の演奏は、「理知的」でありながらも「雄大」であり、そこに「熱いパッション」も内包していた。

5番は、バーンスタイン指揮&NYPという、ひたすら熱くロマンチックなマイベストがある。10代の頃にこれにやられて以来、大人になってもこの演奏の魅力がおとろえることは全くない。

今日の演奏は、これともまた違った熱いかたちで、新しい像を提示してくれたように思う。とにもかくにも、期待を大きく凌駕する演奏会だった。

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ヒラリー・ハーン(vn)&BBCフィルのチケットを購入

演奏会の記事はこちら→08年3月14日 ヒラリー・ハーン&BBCフィル 東京文化会館演奏会~神が降臨した夜

3月14日、ノセダ指揮、東京文化会館におけるBBCフィルのチケットを購入した。目当ては、ヒラリー・ハーン。

ソリスト目当てでチケットを買うことは滅多にないのだが、ヒラリー・ハーンは特別だ。

バッハのヴァイオリン協奏曲第2番を新譜で聴いたときから注目していたアーティストだったのだが(「久々にバッハの「ヴァイオリン協奏曲第2番」を聴く」)、その後デビューアルバムのバッハを聴いてさらに感動(「ヒラリー・ハーンと神尾真由子」)。

昨夏、一昨夏は、それぞれのCDを毎日のように聴いていたほどなのに、なぜか演奏会には行きそびれており、今回が初めてだ

ところで今回の来日は、もう半年ぐらい前から告知されていた。しかし、シベリウスフェイバリットな自分の、唯一苦手な曲が、今回演奏のヴァイオリン協奏曲。それで、かなり購入を躊躇していた。

が、ハーンで聴いたら違う印象を持つかも知れないと思い立ち、残席の問い合わせ電話をしたのが、先々週。ジャパンアーツ仕切りで、13日サントリーの公演だ。

しかし、すでにA席は後方しかなく、なんとRA、RB、LA、LBあたりはS席という、アーティスト仕様の席割。ここで一度断念した。

ところが、先日のシベリウス公演のときに(「2008年2月1日 日フィルサントリー定期公演(2)」)もらったチラシで、東京文化会館公演が翌14日にあるのを発見。(というか手帳にはメモっていたのだが、13、14は大塚愛の国際フォーラムも気になっており。。^^;)

13日は悲愴のところ、14日はベト7と、自分としてはそのほうがいい。さらに、各席が1000円ずつ安い。

で、こちらの主催の都民劇場に電話をしてみると、1階前から2~4番めのA席が何席かあいている

ふだんのオーケストラなら、こんな前の席を買うことはないのだが、今回だけはアーティスト目当てということもあり、前から4番目の席を購入。ハーンの初演奏会を前から4番目で体験することになった^^

これはかなりの異世界の体験になりそうで、楽しみです。

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2008年2月1日 日フィルサントリー定期公演(2)白銀の巨大な建造物が宇宙につながる。。

「2008年2月1日 日フィルサントリー 定期公演(1)」から続きます。)

ということで、ヨレヨレの状態でサントリーに到着。今日の席は、今期東フィルのサントリー定期のRB席とほぼ同じ位置。

いつもの定位置に座っていると、あまりに疲労していることで、逆に身も心もからっぽになっていることに気付く。これは、そのまますっぽりと音楽を受け入れられるかも知れない^^

井上道義指揮

シベリウス:交響曲第1番  吉松隆:鳥たちの時代  シベリウス:交響曲第7番

【休憩前:1番】

シベリウス1番の冒頭。クラリネットの太い音。一気に湧き上がるヴァイオリンの旋律。これはいい! 久々に聴く日フィルの重厚な弦も健在だ。

しかしそのとき、右のオバさんが、音を立てて襟足を掻き始めた。ボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリ・・・・・いい加減にしろ! とキレかけるも、演奏中に声を出す訳にも行かない。1楽章最初の山場が台無しだ。

さらにこのオバさんはプログラムを音を立てて読み出す。そして、あろうことか大きなアクションでカーディガンを脱ぎ出した。さすがに堪忍袋の緒が切れ、オバさんのヒジと当たるように、自分の右ヒジをわざと突き出した。さすがにヒジがぶつかったオバさんは、多少動揺し軽く謝罪の声を出し、以後、おとなしくなった。

ようやく2、3楽章、気分を持ち直しながら聴いていたが、4楽章のさなかにまたこのオバさん、左の二の腕を右手で掻き始めた。バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ・・・・・・

皆さん、こんなときどうします? 休憩のアタマで怒りますか? でもたとえ素直に謝られたとしても、続きを心穏やかに聴くことは自分には無理です。

ましてや、不愉快な態度を取られたり、逆ギレされたら、もっと嫌な気分になるでしょう。でも、そのままにしておいたら、同じことを繰り返すはず。。やれやれ。

さて、今日のプログラムは私にとっては最高のものなのですが、一般にはただのマイナーなプロのようで、かなりの空席が目立ちました。ということで、自分としてはあまりやらないのですが、背に腹は変えられぬ。5席連続で空いていた、RBの通路反対側の席に移動しました

右は通路、左は4席アキ、前は境界の衝立、後ろは座席なし・・・

誰にも邪魔されない究極の席がこんな近くにあったのは、不幸中の幸いでした。自分の席にコートを置きっぱなしにして、ここで、鳥たちと7番を聴く! 久しぶりに演奏前に武者震いがしてきました^^

【休憩後:鳥たち、7番】

まずは鳥たちの時代。。これが素晴らしかった。前後のシベリウスの音世界に溶け合うようでした。

弦、とくにヴァイオリンの断片的な単音のレガートの積み上げから管が飛翔してゆくところなどは、これまで聴いたどんな音とも違っていて、霊感あふれる信じられない響きがしました。

吉松隆氏は、15年ぐらい前に、一度だけ原稿をご依頼したことありました。客席から呼ばれた氏は、当時の印象からすると、すいぶんと存在感が増したかも

そして、7番。冒頭はかなり遅めのテンポ。トロンボーンソロまでは、4分台のものから6分台のものまで、演奏によって様々な展開がある。その中でも、ここまでゆっくりの冒頭は聴いたことがない

と思いきや、22小節の低弦から、テンポを速める。21小節めまでのペースに気持ちをあわせ終わったところなので、少し驚いて、またそこからのスピードに気持ちをあわせているうちに、トロンボーンソロに至る。

1年半前の井上道義&日フィルの7番のときと同じく、トロンボーンソロは、淡々とした感じ

自分としては、ここまでかなりもったいをつけてつなげ、ソロもたっぷりと歌い込むようにされるのが好きなのだが、今日の演奏も悪くはない

その後、とくに弦の音色と厚味が素晴らしい。前回の井上道義日フィルの音には、やや木目調の色合いを感じたのだが、今回は金色? というか白銀の色合いを感じた

ヴァイオリンの音が、大きなプラチナのまだ見ぬ巨大な建造物をつくっているかのようだ。そしてそれはしだいに、宇宙につながっていっている。。

初めてオッコ・カムでこの曲を生で聴いたときは、サントリーの1階だった。そのときは、巨大な森というか地球全体が上空に拡がっていって、音を介して宇宙とつながっていくのを目の当たりにしたような霊感的な感動を覚えたものだった。

今回はRB2階席だったので、その宇宙とつながっていく臨場感のさなかにいる感じがした。とくに後半は夢幻の世界だった。

終演後、井上道義氏は、全霊を使い果たしたかのような様子だった。それはそうだろう。宇宙につながる創造物をつくり終えたのだから。

最高の演奏会だった。至福の境地だ。最悪の1週間で疲れ果てていた演奏会前だったが、終了後は内なるパワーがみなぎったかのようだ。

毎年年末に年間ベストを選んでいるが(「2007 在京オーケストラ演奏会 曲単位ベスト5」)、早くもNO.1候補だ。

今回の教訓。思い入れのある演奏会のときは、衝立や通路を利用して、前後左右に人がいない環境をつくること。最悪、片側に通路、反対側は一席余分に買って空席にしておくぐらいのことはしないとですね^^;

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2008年2月1日 日フィルサントリー 定期公演(1)

08年2月1日金曜は、下記、日フィル定期に行ってきた。

井上道義指揮

シベリウス:交響曲第1番

吉松隆:鳥たちの時代

シベリウス:交響曲第7番

シベリウスの7番は、マイフェイバリットな曲なのだが、演奏機会は少ない。今回7番を聴くのは、「06年6月24日日フィル横浜定期演奏会(1)」以来、1年半ぶりだ。

シベリウスは、演奏会によく取り上げられる曲とそうではない曲の落差が、非常に大きい

交響曲第2番、ヴァイオリン協奏曲、フィンランディア、トゥオネラの白鳥の4曲は、頻繁に演奏される。シベリウスプログラムと言えば、たいてい、これらの曲のセットだ。

いっぽう、それ以外の作品は、なかなか演奏されない。交響曲では、7番も少ないが、4番、3番、6番は、さらに少ない

また、1曲単位ならまだ散見されるが、交響曲2番など上記4曲以外の曲が複数揃ってシベリウスプログラムとされることは、ほとんどない

ここ10年での究極のシベリウスプログラムについては、上記リンクの記事の続き、「06年6月24日日フィル横浜定期演奏会(3)」に、この日のプログラムと、1998年10月22、23日 オッコ・カム指揮日フィル504回定期を対比させて書いた。

そんななか今日のプログラムは、全曲シベリウスプロではないものの、実質これに準ずるものだ

しかも、渡邉暁雄の時代から積極的にシベリウスを取り上げてきた日フィルと、その遺志を継ぐ井上道義の指揮。1番と7番をはさむ曲は、シベリウスとの共通点も多いと自ら語る吉松隆の鳥たちの時代。

否が応でも期待が盛り上がる。

しかしいっぽう、2月1日は、いつも言っている「演奏会における感動の三要素」(1)演奏の内容 (2)座席の環境 (3)自分の集中度 のうち、(3)がはなはだ不安だった。

今週は不愉快なことが多く、またなぜか7番とからむ沖縄出張(「11回目の沖縄とシベリウス7番」)で疲労困憊。身も心もヨレヨレな状況でこの日を迎えることになってしまったのだ

ということで、前置きが長くなったので、いったん切って、演奏会の話は次の記事にします^^

→(「2008年2月1日 日フィルサントリー定期公演(2)白銀の巨大な建造物が宇宙につながる。。」

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11回目の沖縄とシベリウス7番

048明日から、11回目の沖縄に行ってきます。といっても仕事ですが^^;

今回は、過去最短の1泊2日。出張の沖縄は2回めで、前回は2泊できたのですが、今回は東京での仕事も多忙で、残念ながら1泊が限界でした。

ところで、ちょうど前回10年前、1998年の出張のときは羽田に戻って、オッコ・カム指揮日フィルのシベリウスの7番に直行。

そして今回は、戻ってきた翌日が、井上道義指揮日フィルのシベリウスの7番

→(「2008年2月1日 日フィルサントリー 定期公演(1)」

さらに、2001年のネーメ・ヤルヴィ指揮日フィルのシベリウスの7番のときは、ちょうど転職前の有休消化の週と重なり、沖縄旅行を決めて演奏会を断念

シベリウスの7番は、滅多に演奏機会のない、自身フェイバリットの曲です。

この7番の演奏会のチケットを買ったのがこの10年で5回。このうち、やはりマイフェイバリットの地域である沖縄行きとからむこと、3度

まったく、なぜ機会の少ないフェイバリットな曲の演奏会と旅程が3度もからむのか、不思議なめぐりあわせです

(しかし買った5回のうち4回が日フィル。やはり在京オケでシベリウスと言えば、日フィルですね)

昨日から少し喉が痛いので、出張中の水木で悪化しないように祈りたいものです

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31年ぶりのベーム&ウィーン東京公演

Dvd_2買っておいて、まだ観ていなかったDVDを観た。

カール・ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェン:「田園」、「運命」、序曲「レオノーレ」第3番

1977年3月2日 NHKホール

この演奏会は、生で聴いたものだ。1階センター、19列、29番。高校1年生のときに、初めて生で聴いたウィーンフィルだった

Vpo7732_5記憶というものは、風化したり、勝手な後付けの要素に上書きされたりするものだ。自分のこの演奏の印象は、田園は素晴らしく、運命はややインパクトがなく、レオノーレが圧巻、というものだ。

演奏会は一期一会なものだ。この印象を改めて実際に確かめられる、ということは、なかなかない。しかも映像付きで!

さて、田園。徐々に、そして一気に湧き上がる甘美な音。それまでに聴いたどんなオケとも、レコードで聴いたウィーンフィルとも全く違う音に痺れた「あの感覚」がよみがえる。31年前にタイムスリップだ^^

今聴くと、さすがにテンポも遅く、堅苦しく感じる人もいるかも知れない。しかし、細部をよく描き、よくうたい、実際は自由な拡がりを見せている

ベームの演奏はこれが持ち味だ。一見、形式ばって感じられるが、実は内なる自由な羽ばたきを持っている

金管木管にミスがあるし、弦とずれたりもしている。しかし、そんなことは全体からして些細なことだ

そして運命。なんと、アルフレート・プリンツ(cl)とウェルナー・トリップ(fl)は、ここからの登場だ。これは知らなかった。発見だ。全部出ているのかと思い込んでいた。田園のほうが、至芸を聴けるのに^^;

聴いてみると、熱を持った素晴らしい演奏。31年前の自分が、なぜイマイチな印象を持ったのかは、不明だった。16歳だった自分のインナーに何かがあったのか、もしくは生でしか伝わらないものがあったのか。永遠の謎だ。

1階席が俯瞰されるシーンが何回かある。自分の席も確実に映っているのだが、さすがに遠景過ぎて自分だと特定できない^^;

しかし、終演後の観客の熱狂ぶりは、すごい。オーケストラの演奏会では、なかなかないものだろう。カール・ベーム自身が、「僕は日本に行くと、映画スター並みなんだよ(笑)」と言っていた、ということを聞いたことがある。

もちろん、ブランド好きな日本人による、ミーハー人気もあったことは否めないだろう

しかし、ヘルベルト・フォン・カラヤンという圧倒的なアンチテーゼが存在した70年代。 「本物がわかる自分」に誇りをもって応援していた人も多かったのだろう。そんな自分に酔っていた覚えがありますし^^;

しかし、この体験は、まるでタイムマシンに乗ったようだ。益々のアーカイブの発掘・DVD化を切望してしまいます^^

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シャイーの払戻し、ベジャール追悼と新国立の魔弾を購入

【シャイー指揮、ゲヴァントハウス管が公演中止】

チケットを購入していた08年2月3日の上記公演が、中止となった。シャイーが急病で、相応の代役もいなかったとのこと。仕方のないことだ。

で、HPの払戻しの案内を見て、びっくり。(1)会場のミューザでの払戻し (2)郵送による払戻し (3)購入プレイガイド(この(3)の表記自体が言葉足らず)、の3つの方法があるが、「セット券購入者はミューザのみで行なう」と書いてあるのだ

川崎はミューザでの演奏会以外では全く縁がなく、払戻しだけのためにわざわざ往復2時間以上、交通費約1,000円を出して行かないとダメなのか、とかなり立腹。

しかし電話で問い合わせると、(2)の郵送もOKだそうだ。なぜかと言うと、(2)の宛先はミューザであり、つまり、「ミューザのみ」というのは、(1)のミューザ直接、(2)のミューザへの郵送、の2つという意味だったのだ

全くもって分かりにくい表記。行かないで済んで助かったが、こういう表記は複数解釈が生まれないように細心の注意を払わないと

【モーリス・ベジャール追悼特別公演を購入】

日程は5月10、11日。曲は、「ギリシャの踊り」「火の鳥」「春の祭典」。かねてから、火の鳥と春祭はバレエ付き(ほんとはバレエに音楽が付いているのだが^^;)で見たかったので、楽しみである。

バレエ通の同僚から、バレエはとにかく正面から見ないと全体が分からない、とのアドバイスを頂き、文化会館の2階3階正面を狙った。

しかし、NBS(財団法人日本舞台芸術振興会)の電話受付の対応はいただけなかった。老若男女、それぞれ失礼な人間には傾向があるが、今回は<若・女>の失礼人間にありがちなパターン。

<席の希望を言ったあと、先方で座席を割り振って決め、その結果をハガキで郵送したうえで、承諾したら申込>という独自の申込みスタイルなのだが、「すみません、私どもはこういうやり方でやってます」ではなく、「何も知らないのか」といわんばかりのトークのトーン。一瞬、購入をやめようかとまで思った。

さらに、だったら今日からの一般受付ではなく、先行予約でもよかった。なので、まだ座席はわからない。

【新国立劇場の『魔弾の射手』も購入】

こちらも、今日が単券の発売日。NBSとはうってかわって、非常に誠実な対応だった。(というか、これが普通なんですが)。

開場10周年記念で、10公演セット売りをかなり推進していただけあって、すでにB席はバルコニーに1席程度しかなく、A席もかなり残席僅少。かろうじて残っていた、A席2階右サイド席を確保できた。

【明日の東フィル オーチャード定期】

高関健氏の、木曜のブラ4,2に続き、ブラ3,1。

4番の演奏が、自分の許容範囲にないものだった。。仕事の校了間近のゲラをしっかり全部読もうと持ち帰っている。。2月試験の勉強もある。。ということで、見送る気分が強くなってきています。。。

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2008年1月17日 東フィルサントリー 定期公演

指揮:高関健

ブラームス:交響曲第4番、第2番

今年初の定期公演。様々なことを考えさせられた

前回、サントリーで東フィル定期を聴いたのが、2007年11月9日、フォーレのレクイエム。昨年聴いた国内オケ27公演のなかでのベスト演奏だった。

また、前回ブラームスの4番を聴いたのは、06年11月23日 チョン・ミョンフン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団演奏会。こちらは、21世紀になって聴いた最高の演奏だった。

そんななかで迎えた、今日の演奏会。観客それぞれが自分の背景を持って聴いているわけだが、自分の場合は、どうしても昨年07年のマイベスト、21世紀のマイベストと比較してしまう。その対象が奇跡のような感動体験だった分、今日の演奏にはそもそもからハンデがあった。

高関氏の演奏は、教科書のようだった。それは称賛の言葉でもあり、批判の言葉にもなる。確かに、楽譜に極めて忠実なのは、理解できる。

しかし、例えば07年3月20日 都響サントリー定期、ライスターのモーツァルト:クラリネット協奏曲

この日の演奏では、楽譜に忠実なことが曲の本質を浮彫りにし、そこにあたかも作曲家自身が存在するような境地にまで深まっていったのに比べ、どうにも正直さ以上のものが伝わって来ない。

出だしから、RB席にもかかわらず、音が遠い。熱が伝わって来ない。この曲には、何かに抗う情熱や深い絶望感や暗く甘い誘惑のようなものが必要なのではないのだろうか。

もちろんひとりよがりな勝手な解釈や表現は論外ではあるが、いっぽうで必ず必要とされるであろう曲のモチーフを排した演奏というのは、成立するのだろうか。だとすると、悲愴感のない悲愴、自然をイメージしない田園。。なんてものもあっていいことになりはしないだろうか。

また今日は、いつも書いている、演奏会における感動の3要素(1)演奏の内容 (2)座席の環境 (3)自分の集中度の、(2)(3)もダメだった。隣席の方からは腋臭が伝わり、自分自身はかつかつの極みだった昼の仕事からの気分転換が全くできないままだった。心が能面のようになっていた。

そんなわけで、聴いているうちにどんどんと気が滅入ってしまい、仕事もあったので休憩で退出してしまった。

いっぽうで後半のブラ2を聴いた複数の人が、いい演奏だったと言っていたことを間接的に知った。演奏の良し悪しと感動とは、常に相対的なものであり、個人的なものである、とつくづく感じた日だった。

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2008東フィル定期の継続申込み

ということで、今日は東フィル定期の継続受付の日。会場と座席を変えない人の手続きは終了していて、今日から3日間は、変更する人の電話受付期間なのだ。

これまで3年間、「金曜中心のサントリーホール」という曜日も会場もベストなパターンを継続してきたのだが、2008年定期は、サントリーのみ内容がイマイチだ。

それでやむなく、木曜でかつあまり好きではない会場のオペラシティ定期に変更した(「東京オペラシティが好きでない理由」)。

ところで、オペラシティの座席選びは、なかなか難しい。S席でも1階は位置が低く音が上に抜けるし、2階はステージまでの距離感がある。

今回はコストパフォーマンスから、まずC席のベストポジションである2階バルコニー2列目のL3R3扉周辺、次に、A席のベストである1階17列~22列の両サイド、同じくAで2階バルコニー1列目のL3R3扉周辺あたりを狙ってみた。

結果、1階のサイドを確保することができた。

しかし不思議なもので、CDを買う場合もそうなのだが、「聴く」のと「選んで買って現物を手にする」のは、ほぼ同じ程度に楽しい

あくまで「聴く」が<主>で「選んで買って~」は<従>のはずなのだが、これが並ぶどころか、逆転しているような気すらする

そういえば、買い物依存症の女性は、例えば服を買うだけ買って着ないまま部屋に積もっているという話もよく聞く。演奏会はまだしも、CDはこれに近い状態だったりする。

実際に<使う>楽しみと、<買う>楽しみというのは、独立分離した行為で、別種の満足感があるということなのだろう。

しかも今回は8回のシーズンチケット。これが、なぜか回数と比例して1回券の8倍ぐらい楽しい^^

またシーズンチケットは、昔の電車の回数券のように、紙のチケットが「つながっている」。これがまた、なんとも言えない満足感をもたらすのも、不思議です^^;

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2008年1月~ これからの演奏会

ということで、今週08年1月17日から、今年のオーケストラ定期演奏会がスタートする。

皮切りは、いきなりブラームスの交響曲全曲だ。高関健指揮、東フィル定期で、17日に4番、2番、20日に3番、1番。短期間に生で全曲を聴いたことはこれまでなく、トータルで何が見えてくるのか、なかなか楽しみだ。

いっぽう明日は、東フィル定期の継続延長受付の初日。今回で4期めになるが、初めてホールとして最も好きでしかも金曜日中心のサントリー定期を断念。曲目や演奏者から、木曜中心のオペラシティに鞍替えだ。

オペラシティB席C席の、コストパフォーマンスのいい席はチェックしたが、果たして狙いの席が確保できるかどうか。でも年一度のこの座席選びは、楽しみの一つ^^

そして19日は、ベジャール追悼特別公演の電話受付日。東京バレエ団による、「ギリシャの踊り」「火の鳥」「春の祭典」だ。ストラヴィンスキーは、一度バレエ付きでも聴いてみたかったので、期待できる。

いっぽう、新国立劇場では、4月中旬にオペラ「魔弾の射手」の公演がある。こちらも手遅れにならないうちに、席を確保したいが、一回券の発売が始まっているか、情報を追い切れていない状態。。

2月は、すでに5公演のチケットを確保ずみ。1日:井上道義指揮、日フィルのシベリウス1番、7番!! 3日はシャイー指揮ゲヴァントハウスのベト8、ブル4

また15、17、22日は、07年のサントリーホール改装の余波もあり、東フィル定期がサントリーで2回、オーチャードで1回。

ここのところ、仕事と2月に受ける検定試験で追い詰められつつも、なんとか両立させていきたいところです^^;

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ウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団 ニューイヤーコンサート2008.1.7

7日は、友人の招待でオペラシティに行って来た。

いわゆる「ニューイヤーコンサート」自体、たぶん高校・大学の頃にこれも招待で行っていた「NHKニューイヤーオペラコンサート」以来かも知れない。

ウィーンフィルのニューイヤーこそ毎年テレビで見ているが、シュトラウス中心のプログラムを生で聴いたのは、あまり記憶にない。もしかしてこれが初めてかも。

なかなか新鮮だったいっぽう、ふだんの国内オケの定期の客層とはかなり異なるので、どんなクラスターの人たちなのか、あれこれ想像していた。

クラシックライト層だろうとは想像がついたが、友人によると、一般ライト層の中高年、ニューイヤー好き、ウィーン関係音楽好き、というのがターゲットなのだそうだ。

それにしても、オペラシティの2階3階サイドの2列め以外は、満員と大盛況。かなりの人にとって、2008年の仕事始めにあたると思われる7日月曜にこれだけの集客力は大したものだと思った。

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2007 在京オーケストラ演奏会 曲単位ベスト5

恒例の(と言ってもブログでアップするのは、昨年からですが。。)今年2007年の「在京オーケストラ演奏会 曲単位ベスト5」を選出します。もちろん、私が行ったものからですが^^;

今年は、全27公演に行きました。評価をフラットにするため、海外オケ、在京以外のオケ、アマチュアオケなどは除き、東京を本拠地とする国内メジャーオケに限定してみました。では。。

●同率 第1位● フォーレ:レクイエム (2007年11月9日 東フィル サントリー定期  チョン・ミョンフン指揮)

●同率 第1位● モーツァルト:クラリネット協奏曲 (2007年3月20日 都響 サントリー定期 小泉和裕指揮、cl:カール・ライスター)

●第3位● シュニトケ:「夏の夜の夢、ではなくて」 (2007年2月23日 読響 サントリー定期 ホーネック指揮)

●第4位● ブルックナー:交響曲第9番 (2007年12月13日 東フィル オペラシティ 定期  若杉弘指揮)

●第5位● サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 (2007年8月12日 東響 ミューザ川崎 大友直人指揮、vn:神尾真由子)

今年2007年、同率1位の2曲は、この世の奇跡とも言うべき演奏だった。感動のあまり、しばし茫然自失としていた。これが突出しているため、3位以下は選ぶのが非常に難しかった。

3位は、この日の演奏会自体が非常に良かったので、曲は他の「夏の夜の夢」「皇帝円舞曲」「ラ・ヴァルス」でもよかった。初めて聴く曲での楽しみはなかなかもの。

4位、5位は、下記の次点とともに候補がたくさんあったが、紙一重で選んだ。

●次点1● ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 (2007年5月3日 東響 芸術劇場 大友直人指揮、pf:清水和音)

●次点2● ヴェルディ:「レクイエム」 (2007年4月7日 東響 ミューザ川崎 西本智実指揮)

●次点3● チャイコフスキー:交響曲第4番 (2007年10月19日 東フィル サントリー定期 プレトニョフ指揮)

●次点4● ベートーヴェン:交響曲第9番 (2007年12月29日 東響 サントリー 秋山和慶指揮)

ちなみにですが、昨年2006年、一昨年2005年のものです。

<2006年>

●第1位● マーラー:交響曲第1番「巨人」 (2006年10月23日 新日フィル サントリー定期 指揮:クリスティアン・アルミンク)

●第2位● ラヴェル:「ダフニスとクロエ 第二組曲」 (2006年9月5日 新日フィル サントリー定期 指揮:クリスティアン・アルミンク)

●第3位● ショスタコーヴィチ:オラトリオ「森の歌」 (2006年1月20日 東フィル サントリー定期 指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ)

●第4位● マーラー:交響曲第9番(2006年2月17日 東フィル サントリー定期 指揮:チョン・ミョンフン)

●第5位● シベリウス:「カレリア組曲」 (2006年6月24日 日フィル 横浜みなとみらい定期 指揮:井上道義)

●次点1● チャイコフスキー:交響曲第1番(12月17日 新日フィル サントリー定期 指揮:小澤征爾)

●次点2● イベール:フルート協奏曲(11月3日 フルート:エマニュエル・パユ 新日フィル)

<2005年>

●第1位● ラヴェル:「ダフニスとクロエ 第二組曲」 (2005年3月12日 日フィル 横浜定期 指揮:広上淳一)

●第2位● ドボルザーク:交響曲第8番 (2005年7月22日 東フィル サントリー定期 指揮:チョン・ミョンフン)

●第3位● コープランド:クラリネット協奏曲 (2005年5月29日 都響  サントリー  指揮:デプリースト、cl:佐藤路世)

●第4位● モーツァルト:交響曲第41番 (2005年9月1日 N響 サントリー定期 指揮:スタインバーグ)

●第5位● バーバー:弦楽のためのアダージョ (2005年12月25日 東フィル サントリー 指揮:下野竜也)

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2007年12月29日 年納めの第九

2007年もあと2日。仕事も昨日で終了し、年末オフの恒例行事期間に入った。その第一弾は、第九演奏会。今年も昨年に続き、29日サントリーの東響に行ってきた。

秋山和慶指揮:東京交響楽団、東響コーラス

昨年06年の「年末と第九」でも書いたが、コアなオーケストラファンは、普段は来ない人が押し寄せる年末の「第九」には行かない、という人も多い。

しかし自分はこの曲が非常に好きなのに加え、年末にこれを聴いていると、なんだか厄を祓っているような気がするし、溜まった檻が溶けていくような気持ちになってくるのだ。

家を出るとここしばらくの寒さとはうって変わって、湿度と気温が高い。すでにいつもの土曜日よりも街に人が少なく、年末の特別な時空間に入っている気分が高まってくる。

さて、今日の演奏会は満足のいくものだった。以前、「演奏会における感動の三要素」として3回にわたって書いたが、この三要素がはるかに基準を上回ったのだ。

(1)演奏の内容:90点、(2)座席の環境:80点、(3)自分の集中度85点、といったあたりか。第九で三拍子揃ったのは、久しぶりかもしれない。

1楽章の冒頭から、厚い充実した音。とくに弦、なかでもヴァイオリンが、鋭さと豊かさを兼ね備えた美しい音色だ。

展開部ではテンポを落すとともにやや緊張感が失われたが、1楽章の最後に向けて再びオケ全体が鳴ってくる。そして、538小節で楽譜にないはずのゲネラルパウゼを入れてフィナーレ。ちょっとやり過ぎな気もしたが、圧巻ではあった。

その後もオケ全体の充実は続く。3楽章の第3部あたりもテンポを落とし過ぎな感じがあったが、全体のクオリティを落すまでにはならない。

そして4楽章は、特筆すべき出来だ。92小節からの第2部、弦の繊細さ、テンポ感、高揚感が素晴らしい。合唱も求心力をもって引き締まっていて、十分な圧力と美しい響きをもって伝わってきた。

第3部、バスのソロの音程や節回しには少し笑ったり、高音部のソプラノソロの声質には首を傾げたりした。しかし、すでに自分のテンションは高まったままで、そういう細かいことは全く気にならないままフィナーレを迎えることができた。

そして、昨年同様アンコールは、団員がペンライトを持っての「蛍の光」。この日に限っては、ジルベスター的な演出も心地良い。

今年は約30公演を聴いたが、非常に満足感の高いラストの演奏会だった

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ゲルギエフのバレエ「くるみ割り人形」

Photo_4前回の記事「新国立の「くるみ」は断念。。」で書いたように、この3連休は生の「くるみ割り人形」を見に行く代わりに、07年12月に発売された、新着のDVDで「くるみ」を堪能した

音楽監督、指揮:ワレリー・ゲルギエフ

マリインスキー・バレエ団 

マリインスキー劇場(キーロフ歌劇場)管弦楽団

しつこいですが、ふだんオケざんまいしている自分は、バレエは非常に疎い。「くるみ」も、音楽は組曲以外の部分もかなり好きなのだが、バレエを全曲見たことはもしかしてないかも知れない。なんと初くるみ!?

通して見てまず思ったのが、所要時間が1時間20分、こんなに短かったのかと。1時間20分というと、オペラにはないぐらいの短さだし、マーラー、ブルックナーだったら交響曲でも到達する時間だ。

その1時間20分も、あっという間だった。全編にわたる緊張感とエンタテイメント性に優れていて、華やかさに圧倒される。

改めて、バレエには歌も台詞もないことを認識する。ある意味、オペラよりも純粋音楽であるオーケストラに近いかも知れない。

オーケストラ側の立場からすると、純粋音楽の表題的な意味を分かりやすくするために、踊りによる状況描写が付与されている、とでも無理に言えるだろうか(実際は全く逆なのだが)。

とくに、「花のワルツ」「パ・ド・ドゥ」からフィナーレに至るところは、これまでもCDで聴いてて非常に好きな部分だった。それを豪華絢爛な美男美女の舞いによって、くるみのストーリーにおける位置付けとともに堪能できたのは、感動だった。

しかし、ゲルギエフのくるみ、前半でマーシャはいじめられているし、最後にはマーシャと王子は砂糖菓子にされてしまうし、こんなストーリーだったかなと思った。

解説を読むと、これは2001年初演、ミハイル・シェミャーキン改訂の版であり、「ソ連時代の独裁者の恐怖政治への強烈な非難」を主眼としているのだそうだ。

元来の「くるみ」とは、イメージをがらりと変えた斬新なものだとか。でも、日本の楽しむだけのためのクリスマスには、ハッピーな「くるみ」のほうがフィットしているかなと^^

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新国立の「くるみ」は断念。。

Photo_210月21日の記事、「東フィルサントリーのアフター ・・・ バレエとオーケストラの異文化交流?」でも書いたが、自分はオーケストラの演奏会は数百回単位で行っているが、いっぽうバレエは、たぶんこれまでに数回しか行っていない。

それも、はるか昔のこと。最近では、娘が小学生のときに、子ども向けの演奏会で「くるみ割り人形」のハイライト版を聴いたぐらいだ。

しかし、改めてバレエにくわしい人間と話してオーケストラとの深い接点を再認識すると、かなり興味が沸いてくる。

なかでも「くるみ」は、組曲以外の部分も含めて音楽が好きなので、一度本物を見たいという気持ちが急速にふくれ上がった。で、このクリスマスシーズン。新聞広告などを見ると、さすがに「くるみ」は公演が多い。

当たり前なのだが、自分自身にアンテナが立ってないと、どんなに情報があっても目に入って来ない。しかしいったん注目してみると、これまでスルーしていた多くの情報が次々に入ってくるのは、不思議なものだ。

いっぽう、自分にはバレエの勘所がない。どれを選んでいいのか、わからない。よく「オーケストラを聴きたいがどれに行っていいかわからない」と相談されるが、その気持ちがよくわかる。

そこで、前述の記事登場の「バレエ嬢」に聞いてみたところ、クリスマス前後に新国立で数回やるものは、お値段もそこそこだし、おススメではないかということだった。

しかし、そのときすでに公演2,3週間前。問い合わせたところ、ほぼ完売。かなりイマイチな席がぱらぱらと1席ずつしかない。逡巡したものの、今回は断念することにした。

その代わりと言ってはなんだが、この07年12月に発売された、新着のDVDで「くるみ」を堪能することにした

Photo_4音楽監督、指揮:ワレリー・ゲルギエフ

マリインスキー・バレエ団 

マリインスキー劇場(キーロフ歌劇場)管弦楽団

感想は、次の記事で。。

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東京オペラシティが好きでない理由

ということで(何がということなんだ)2008期の在京オケのシーズンチケットは、まず東フィルのオペラシティを購入することに、ほぼ決めた。曲目や指揮者・演奏者が、最も充実しているとの判断だ。

本当は、週末で解放感いっぱいの金曜に、自分の「聖地」たるサントリーに行きたいのだ。

しかし、どのサントリー定期も今一つ。3期通っている東フィルのサントリーも、2008期はかなりイマイチだ。非常に残念。

ところで、どうもオペラシティは好きになれない。昨日は、オペラシティで未完成とブルックナーの9番を聴きながら、なんで自分がこのホールがダメなのかを分析してみた。

まず、2階3階のサイド席。ステージに向かって90度、直角というのが、ユーザーフレンドリーでない。いすの背にもたれていると、ステージが全く見えない席すらある。ヨーロッパの某ホールを模しているのかもだが、どうもなじめない。

コンセプトやデザイン重視、クリエイターオリエンテッド、サプライヤーズロジックな思想を感じてしまう。

そんなコンセプチュアルな雰囲気のいっぽうで、2階が長方形でぐるっと一周できるのが、なんだか体育館な感じがする。。

また、上方が四角錐の形で出窓?があるところが、高原のロッヂっぽい。そう思うと、木の手すりなんかは山小屋な気分がしてくる。

一言で言うと、チープな箱庭にいるような気がして、演奏会場にいる気がしないのだ。

確かに音はいい。弦は、会場の木の温もりとあいまって豊かな音色を保ち、いっぽう金管はクリアに響く。なのに、それを十分に堪能できるポジションが見つからない

1階はステージより下に沈んで音が上に抜ける感じだし、2階3階センターはステージまでの距離があるし、2階3階サイド後方はステージがはるか横だしかといって前方だと間近過ぎる。

シューボックス型はそうなのだと言ってしまえば、そうなのだが。。

。。。ボロクソ言って、関係者やお好きな方には恐縮です。あくまで私個人の勝手な印象です^^;

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2007年12月13日 東フィルオペラシティ 定期公演

指揮:若杉弘

シューベルト:交響曲第8番「未完成」

ブルックナー:交響曲第9番

12月定期は、サントリーを振り替えて、オペラシティに行って来た。

未完成を定期でやる。これにはかなり興味があった。未完成は、定番中の定番なので、名曲コンサートでよく取り上げられる。それをあえて定期で取り上げるのだから、何らかの「思想」、個性的な「解釈」があってしかるべきだ

今回の若杉の未完成は、極めてスローテンポで展開された。もともと凡庸な演奏だと間延びしてしまうこの曲を、さらに遅いスピードで展開する。これは、ある意味での「挑戦」だろう。

これ以上遅いと曲が成り立たないまでの遅さ。しかし張り詰めたテンションにより緊張感は保たれ、この曲の新たな側面を見せてくれる。弦の圧力がしっかりと裏支えする。

評価は分かれるかもしれないが、自分にとっては満足いく内容だった

そしてブルックナーの9番。先日の「ブルックナー交響曲第9番のこと」の記事に書いた通り、この曲は吉松隆氏が「人類史上でもっとも純粋にして深遠なる音響の大伽藍」と評した、究極の音響が聴ける作品だ。

未完成とはうって変わって、テンポも解釈も基本的にオーソドックス。曲自体の魅力をたっぷり味わってくださいとばかりに、あえて未完成のような独特の切り口をとらずに、聴きどころや楽しみどころを聴衆に任せているかのようだ。

しかし、2楽章、3楽章の全奏のクライマックスは、こちらも無我の境地にもっていかれる。まさに人類はここまで到達したのかという、宇宙の響きだ。

東フィルもこの世界観を描くのに充分な圧力をみなぎらせることに成功していた。さすがに、金管は日本人の限界を感じさせる場面もあったが、それでも十分な出来だったように思う。

3楽章の後半は、まさにブルックナーが「生からの決別」と呼んだだけあって、生から死へ向かう澄んだ川を渡ってしまったかのような感覚だ。

ということで、なかなか満足度の高い演奏会だった。

アフターは、いつも東フィルを同行している友人と、最初の会社の同期で現在クラシックレーベルの要職にある友人と3人で軽く飲み。

レーベルの友人は、相変わらず超弩級のブルックナーヲタクぶりを見せ、やや辛口な評価。圧倒されぎみな展開となりました^^;

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在京オケ2008年新年度の定期公演 その後

ベンゼンさんからのコメントや友人からのメールで、読響もすでに2008年定期公演の内容をオープンにしているとのことだった

しかし、あらためてHPを探しても見つからない。ようやく3度目に、何のリンクらしいアイキャッチのないところにマウスをあててみたところ、そこからのリンクで情報にたどりついた

読響、来年の「新商品」をプロモーションする気がないのだろうか

また、日フィルも、地味なニュースのリンクから2008年春季の情報にとぶことができた。こちらも、なぜもっと目立つようにしないのか。ほんとに不思議だ。

これで前回書いたものに加え、このタイミングで出るべき2008年度在京主要オケの演奏会情報の全容が、ほぼ判明したかたちだ

トータルで考えると、東フィルのオペラシティ定期全8回がベストかも。できればサントリーをメインにしたいのだが、まあホールで選んでも仕方ないので、2008年は初台を本拠?にすることになるかもです。。

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東フィルの2008年度定期公演

東フィルの2008年度定期公演の継続案内が届いた。現在、サントリー定期が3期め、オーチャードが1期めの会員である。

2008年の東フィル3ホールの定期ラインナップを見て。。

○え!! ポール・メイエって指揮やるの?? 新世代の最高のクラリネット奏者なのに、ラロやシャブリエ振ってる場合じゃないんだけど!

○チョン・ミョンフンと森麻季さんのマーラーの4番をまた聴ける! なのに、サントリーだけやんないとは!!

○サントリーの、フランクとサン=サーンスの交響曲。。両方、イマイチなんですが。。

○5月のラプソディー・イン・ブルーとベト7って、定期なのに、のだめコンサート??

○プレトニョフの、ショスタコの9番とダフニス! 超おもしろそ~!! でもプレトニョフ、サントリーだけ出ないし!!

ということで、なんだかサントリーよりオペラシティとオーチャードのほうがいい。。できれば、平日夜のサントリーにしたいのに。。

これで在京オケの2008シーズン、東響、都響、東フィルが明らかになった。新日は時期ずれ、N響は3ヶ月タームなので、あと残るは読響と日フィル

シーズンチケットを選ぶのは年一度のかなりの楽しみなのだが、来期、まだ決定打がない状況が続きます。。

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ブルックナー交響曲第9番のこと

ということで前回の「今年もあと1ヶ月、演奏会もあと2回」の記事に続きますが、2007年12月13日は、若杉弘指揮で、ブルックナーの9番交響曲を聴きます。11日の東フィルサントリー定期をオペラシティに振り替えました。

自分のブルックナー体験は、遅めだった。学生時代はメジャーな交響曲4番、7番を聴くぐらいで、その他の曲をていねいに聴いていったのは、社会人になってからかも知れない。

9番をちゃんと聴くようになったのは、明確なきっかけがあった。それまでもなんとなくは聴いていたのだが、吉松隆氏による「stereo」誌の特集、「やぶにらみ交響曲全史」の文章に惹かれたのだ。1980年代後半の記事だ。以下、引用。

「人類史上でもっとも純粋にして深遠なる音響の大伽藍。人類が滅亡した時、地球外の知性は人類が音響でなしえた最上の到達点としてこの作品を聞くことになるだろう」

ここまで思いを持った表現で書かれたら、否が応でも注目してしまう。そしてあらためて心して聴いてみてからは、9番は自分のなかでも別格な存在となった

と同時に、実はこの文章も自分の中に強くインプットされていたのだ。今回一緒に聴く友人に、昔9番のこんな感じの記事があって、とアバウトな記憶でメールしたのが、下記。

「地球が滅びたあとに別の星から調査に来た宇宙人は、この曲を聴いて人類が到達した究極の音を知ることになるだろう」

少し変換されているが、かなり近い^^; 約20年ものあいだ、ここまで人の記憶に残る文章を書ける、というのもたいしたものだ

それにしてもブルックナーは、CDで聴くよりも生で聴いたほうが圧倒的に楽しい。もちろん他の作曲家もそうなのだが、とくにブルックナーはその落差が大きい気がする。

CDで聴くとやや退屈で凡庸に感じられる箇所も、生で聴くと、オケの動きと音の響きが実に効果的で機能的に考え尽くされているから、退屈するどころか高揚することばかり

さて、今回の9番の演奏会に向けて、ヨッフム/ドレスデン、朝比奈/新日本、ヴァント/北ドイツのCD、カラヤン/ベルリンのDVDを聴いているのだが、なんと大定番のシューリヒト/ウィーンは、自宅にCDがないのが判明。。

う~ん。。まだまだブルックナー「モグリ」かも><

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2007年11月17日 ヤンソンス指揮 バイエルン放送交響楽団

会場はミューザ川崎、曲はブルッフのヴァイオリン協奏曲、マーラーの交響曲第5番

昨年2006年11月にドレスデンを聴いて大感動(「06年11月23日 チョン・ミョンフン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団演奏会」)。ドイツのオケのクオリティを改めて認識し、その後、ミューザ川崎主催のドイツのオケ3公演セットを購入。

5月の北ドイツ(「07年5月20日 ドホナーニ指揮 北ドイツ放送交響楽団 ミューザ川崎」)に続き、今日のバイエルンが2回めだった。

しかし、北ドイツに続き、今日も今一つな気分だった。ブルッフの出だしの木管。明らかにレベルの違うヨーロッパの一流オケの演奏では、まずこの段階でその音色とアンサンブルにしびれるはずなのだが、肩透かし感が生じる。

それは、その後の弦でも同じだった。マーラーの金管も同様。意識しないでいると、いつもの在京オケを聴いている気分になり、ドイツの一流オケであることを忘れている

マーラーも、4楽章で一瞬その流麗で艶々した音色が前面に浮き立ってきて、少し気持ちが高まったが、あとは特段の印象を残さなかった。

在京オケならば、まずまずのオーソドックスな好演だったのかもしれない。しかし、定価でA席\17,000をお支払い(実際は、3オケセット価格で\34,000)しているのだから、これでは納得感がない。

それにしても驚いたのが、ブルッフの楽章間で客を入れるミューザ川崎、マーラーの3楽章のあとで大きな足音を立てて退場する2階の客(ヤンソンスも退場を待ってから4楽章に入ったほどだ)、楽章間のブラボー。。そして、マーラーが大喝采だったこと。。

終演後、年間30~50公演を聴いている耳の肥えた知人2人に感想を聞いたが、ほぼ同じだった

前回の北ドイツは東京公演を終えたあと。オケの団員はメイン曲前の休憩に記念写真を撮ったりして、観光気分が垣間見えた。いっぽうバイエルンは、これからが東京公演。穿った見方をすると、もしかして今日はゲネプロ代わりだったのか。。

こればっかりは、サントリーで同じ曲を聴いてみないことにはわからないが。。

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2007年11月11日 東フィルオーチャード定期公演

11日は、チョン・ミョンフン指揮、メインはブルックナーの交響曲第6番だった。

ブルックナーはコアなファンが多いが、自分はそこまでの思い入れはなく、まあまあ好きな程度である

とはいっても、ブルックナーほど、CDより生のほうが楽しめる作曲家は、なかなかいない

CDだとなんとなく退屈なフレーズも、生で聴くと、オーケストラが活き活きと躍動していることが多い。さすが、オーケストラを響かせ鳴らすことに関しては、最高峰の作曲家と言われる所以である。

さて、6番。なかなか演奏される機会がないブルックナーの交響曲としては、1番、2番に次ぐかも知れない

この曲は、いわゆるブルックナーらしくない曲と言われるが、逆に自分はコアなブルックナーファンではないから、なかなか楽しめる。

ベートーヴェンの交響曲8番をあまり好きではない友人が、この曲のこともあまり好きではないと言っていた。

ベト8がかなり好きな自分は、ブル6もわりと好きだ。曲想が比較的頻繁に移り変わるという共通の特徴が、好みを二分しているのだろう、ということが、今回初めてわかった

今日の演奏は、1楽章、3楽章の、自分が好きな金管がシャープに炸裂する箇所は、なかなかに満足の行くものだった。

いっぽう、自分の趣味としては、弦がややうたい過ぎのきらいがあり、ブルックナーは機能美に徹底してほしいと思った。

しかし、この演奏終了後も、自分の頭のなかを流れているのは、前々日に同じ組み合わせで聴いた、フォーレのレクイエム (「2007年11月9日 東フィルサントリー 定期公演 奇跡のフォーレ!」)だった。

ブルックナーを聴いた直後でも、少しも消え去らないあのフォーレの演奏は、まだまだ余韻を残しそうだ

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2007年11月9日 東フィルサントリー 定期公演 奇跡のフォーレ!

11月9日は、チョン・ミョンフン指揮、東フィル定期に行ってきた。曲は、フォーレのレクイエムほか。

今日の曲目はシーズンチケットの販売時、ブラームスのドイツレクイエムだった。正直、変更には少しがっかりしていた。

フォーレは最近では、2000年3月に芸術劇場、2002年10月にサントリーで聴いているが、いずれもこの曲の特質である「静謐さ」が、聴いているうちに疲れにつながった記憶が鮮明だったからだ

もともとこの曲は、高校の頃に非常に好きで、クリュイタンス&パリ管盤をよく聴いていた。しかし昨今では、正直生でもCDでも、さほどのインパクトをもたらすことはなかった。

しかし、今日のフォーレ! チョン・ミョンフンによって、そこには信じられないような音空間が構築されていた

「入祭唱とキリエ」の導入から、ゆっくりとしたテンポで1つ1つの音をていねいに描きつつ、全体として明らかに「此処ではない別の世界」をくっきりとつくりあげる。

東フィルも、これまで聴いた演奏のなかで最高の出来。ヨーロッパの一流オケクラスの音色には驚くばかり

いつもは不安な金管が、繊細なフレーズすらも完璧な音色と音程と骨格を持って、指揮者の表現の意図に応える。

弦も今日の音世界のために新たに音の色を設定したような、クリアで儚い響き

そしていつも感心する東京オペラシンガーズの、一糸乱れぬピアニッシモの入りと継続。感動で鳥肌ものだ

前2回のフォーレと違って、今日は「静謐さ」が少しずつ少しずつ感動を深めていった

全奏による咆哮は、しばしば聴衆に感動をたやすくもたらす。しかし、この曲のように、終始内へ内へ問い掛けるフレーズの長い連続によって人の心を深く動かすことは、なかなかに難しいことだ

唯一気になったのは、オルガンの音色。楽譜の意図に忠実にしたのかわからないが、なんだかポコポコした音だった

あと「ピエ・イエズス」のソプラノは、もう少し無色透明な感じが出たほうが、今日の演奏全体のトーンに合ったのではないだろうか。

さすがに今日ばかりは、演奏終了後すぐに拍手をする無粋な客は一人もいなかった

この45分、天上の世界が見えてきた気もしたし、現実世界ならば地平の彼方にまで真っ白く肌理細かい粉雪が降り積もってゆく景色を、ただ呆然と見続けていた気もした

しかしこんな演奏でも、オケの散会を待たずにさっさと人の前を横切り帰る人がいる

様々な理由があるのだろうが、ヴァイオリンでイザイの無伴奏のアンコールがあったわけだから、フォーレのあとにアンコールがあるはずもない。

たかだか30秒、1分を急ぐ、どんなご事情があるのだろうか

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東フィルサントリーのアフター ・・・ バレエとオーケストラの異文化交流?

昨日19日は東フィル定期に行ってきた(「2007年10月19日 東フィルサントリー 定期公演 プレトニョフ疾風怒濤の4番!」)のだが、今回はいつものメンバーに加え、初参加の知人が同行した。

【コアなバレエファン、初めて単体のオーケストラを聴く】

彼女は、相当コアなバレエファン。海外、国内と、相当な数を聴いている。それはつまり、オーケストラはいつもオーケストラピットに入っている状態で聴いているということだ。

いっぽう、オーケストラ自体の演奏会は今回が初めてなのだそうだ。バレエをよくやる東京文化会館には数え切れないほど行っているが、サントリーホールも初めてだとか。

サントリー2階席から全体を眺める。ワインヤード型のホールも、すべて表に出ているオーケストラも初体験で新鮮なようで、こちらは逆にその新鮮な感じが新鮮だ。

演奏は、かなり満足だったようだ。なにしろ、チャイコフスキーとプロコフィエフは、バレエで言えば、王道中の王道の作曲家。「ロメオとジュリエット」や「くるみ割り人形」は、やはり原点なのだとか。

その2人の作曲家の純粋なオーケストラ作品は、バレエ作品にも通じるところがあって、思わずにやりとしたり、バレエでは抑え気味の印象があったチャイコフスキーの爆発ぶりには驚いたりしたそうだ(もっとも今回はプレトニョフとくに爆発してましたが^^;)。

【改めて気付く。「交響曲」「協奏曲」に対して「管弦楽曲」は「その他全部」の区分】

自分は、オーケストラはこれまでたぶん数百回単位で聴いているが、バレエは数回程度しか観ていない。ただの、どシロウト。

今回彼女と話していて改めて気付くのは、我々オーケストラ側の「管弦楽曲」という慣れ切った区分は、同じ土俵の区分である「交響曲」や「協奏曲」に対し、実は雑駁(ざっぱく)な「その他全部」の区分だということだ。

例えば、劇付随音楽「夏の夜の夢」、劇音楽「ペール・ギュント」などは、「今は文化としてなくなっている”劇”のために作られた付随音楽」である。が、我々は、まずオーケストラ用「組曲」から知る。そして当然、劇はもうないので、これに触れることは一生なく、ふだんは存在すら意識しない。

いっぽうバレエは現在も盛んなので、劇音楽とは少し違う。しかし、「くるみ割り人形」あたりのメジャーなものでも、オーケストラ側からすると、まずオーケストラ用「組曲」で知る。また、例えば「火の鳥」も「ダフニスとクロエ」も同様で、「管弦楽曲」「組曲」として知る

もちろんこれらは、もともと「バレエ」のための音楽だ。しかし「管弦楽曲」として聴いている限りは、「バレエ全体のある部分について、音楽だけ抜粋しているもの」としては、明確に意識しない

彼女からして見ると、バレエのことをほとんど知らないはずの僕が、「火の鳥」「ダフニス」と関連の深いディアギレフやニジンスキーやロシア・バレエ団などの名前をよく知っているのは、なんとも不思議だったりするのだった。

また彼女は、CDショップにバレエ音楽を買いに行くと、いつも困っていたそうだ。なるほど、「バレエ音楽」という区分をしているショップは、なかなかないだろう。今回、「管弦楽曲」というオーケストラ側の区分を知って、初めて謎が解けたのだそうだ^^

【そして「くるみ割り人形」。。】

話しは、「くるみ割り人形」に発展する。彼女は「くるみ」と呼んでいた。バレエ側のこういう略し方も新鮮^^

バレエ嬢「え? 「くるみ」にオーケストラ用「組曲」があるんですか?」

全曲を知り尽くしている人間が、それを知らないことが、こちらには驚きだ。

私「オケではすごく有名な組曲ですよ^^」

バ「どの曲が入ってるんですか?」

私「え~と。あし笛の躍りとか、トレパックとか。。最後が花のワルツ」

バ「それじゃ雪のシーンが○○じゃないですか!」(不明)

私「そうなんだ? 全曲盤を知らなかったときは、バレエも花のワルツで終わるのかと思ってました」

バ「え~それだと○○が○○です!!」(これも不明)

私「「パ・ド・ドゥ」っていい曲だよね」

バ「それは、単独の曲名じゃなくて、全編のクライマックスで主人公の男女が踊るシーンを指すんです」

私「オペラの”アリア”が曲名じゃないのと同じだ?」

バ「まあ、そうですね」

と、まさに異文化交流。というか、たんに自分の無知をさらけ出しているだけかも??^^;

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2007年10月19日 東フィルサントリー 定期公演 プレトニョフ疾風怒濤の4番!

サントリー改装後2回目となる、東フィルのサントリー定期に行ってきた。

ミハイル・プレトニョフ指揮、アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)

・プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番

・チャイコフスキー:交響曲第4番

プレトニョフには、以前にも驚かされた。2005年9月16日のベートーヴェンの運命。それは、これまで聴いた運命のなかで最も個性的で、演奏の切り口による表現の可能性を教えさせられるものだった。

そして今日もやってくれた。チャイコフスキーの4番に、みごとに新しい息吹を与えていた

実は最近4番は、聴くたびに退屈していた。10代の頃は比較的好きな曲であったが、最近は大仰で持ってまわったところが、どうにもダメだった

しかし、今日の演奏はまったく斬新なものだった。1楽章、弦の第1主題からして耳に馴染んだものとは異なる節回しで、一瞬あっけにとられる

また、クラリネットから始まる第2主題は、通常まったりと楽器間で下降音階がつながれていくのだが、ここをすさまじい勢いで駆け抜けた

弦をうたわせるところは、これでもかとばかりだ。第1、第2ヴァイオリンのトップがこれに最大限呼応し、全身を使っての決死のボーイング。スピードにドライヴがかかるところも並大抵ではない。東フィルの弦、よくついていったと感心。

疾風怒濤の4番。自分のなかでは死にかけていたこの曲が、再びよみがえった

プロコフィエフの2番も、なかなかよかった。今回2回目のRB席が、ちょうどフタを開けたグランドピアノを上方から見下ろす位置になることもあるのかもしれないが、まずピアノの音色が素晴らしい。

そして、大きな造形のなかに繊細な表現が見え隠れするメルニコフ、日曜の皇帝(「2007年10月14日 東フィルオーチャード定期公演」)よりもはるかに引き込まれた演奏だった。

改装後のサントリー、前回9月は、RB席なのに思ったほど音が来ないのが心配だったが、今日はほとんどそんなことも感じなかった

1つだけ勘弁してほしいのが、2階男子トイレが半分の大きさになってしまったこと。流れが一気に悪くなっていつも行列状態。かといって女子も以前と同様に並んでいる。何か改良されたところはあるのだろうか。

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2007年10月14日 東フィルオーチャード定期公演

今日は、2回欠席していた、東フィルオーチャード定期に行ってきた。

ミハイル・プレトニョフ指揮、アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)

・チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」より

・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

・カバレフスキー:歌劇「コラ・ブルニョン」序曲より

・ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「ボルト」より

・シチェドリン:管弦楽のための協奏曲「お茶目なチャストゥシカ」

ところで、寿司ネタではウニが苦手だ。野菜ではトマトが全くダメである。30代の頃までは、ときどき人にこんなことを言われた。

「それは本当に美味しいウニ(トマト)を食べたことがないからですよ」

それは、ウニの場合は、半分真実だった。高級なウニは、ある程度美味しいと思えるようになった。いっぽう、トマトは未だにダメなままだ。ピザやパスタに溶けてのっている分にはいいが、生は全く受け付けない

何の話しかと言うと、ベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」である。昔から、この曲には、ほとほと退屈させられる。もちろん個人的な趣味の問題なのだが、なんとも言えない、まったりとしたゆるい華麗な感じが、ダメなのだ。

ベートーヴェンの作品、もちろん交響曲にもピアノソナタにも通底している剛性感と論理性・緻密性をベースとした上での迫力とロマンが、皇帝を初めとするピアノ協奏曲には感じられない。不思議だ。

そんななか今日は、その個性では右に出るものがないロシアのプレトニョフの指揮、その一回り下の世代のロシアのピアニストのメルニコフ、という組み合わせに期待する。

出だしのピアノの高音域、思い入れたっぷりにうたわれるとうんざりするこのフレーズを、簡潔にさっぱりとスピーディーに通り抜ける。お、これはいいかも、と思う。その後も、今まで難儀だったパッセージが、斬新なまとめ方をされていく。

しかし、やはりウニはウニだ。トマトほどではなかったが、やはり曲自体がダメだと、画期的な演奏をもってしても、それが全く新たな魅力をもって輝くことはなかった

(繰り返しますが、これはあくまで自分の趣味の問題です。この曲が名曲であることや、今日の演奏が素晴らしかったことを否定している訳では全くありませんので。

さて今日のプログラムは、皇帝以外、いずれもロシアの耳になじみのない作品。最初の曲、「眠りの森の美女」にしても、作曲者が選んだ通常の組曲とは違う、プレトニョフによる選曲のものだ

チャイコフスキーの交響曲第5番2楽章、主旋律のあとにまずオーボエで登場する副次旋律にそっくりなフレーズが出てきたのが、印象に残った。弦がいつもよりも、きらきらとシャープで、きれいな音がしていた。

皇帝をはさんで、後半の3曲は、カバレフスキー、ショスタコーヴィチ、シチェドリン。20世紀ロシアの音楽の共通項を確認するようだった。特徴的にオーケストラにからむ打楽器、大編成による圧倒的な音圧、どこか全体主義的な匂いとささやかな抵抗。。

後半にこんなマイナーな曲を紹介するプログラムなのにもかかわらず、客席は7~8割とまずまずの入り。東京の民度もまだまだ捨てたものではないなと思いました。

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2007年9月30日 神奈川フィル特別演奏会

9月30日は、茅ヶ崎市民文化会館での、「茅ヶ崎市制施行60周年記念事業 神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会」に行ってきた。指揮は、上野正博。

・ビゼー:「カルメン」組曲から「トレアドール」

・プッチーニ:オペラ「トスカ」より「歌に生き、恋に生き」、オペラ「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」(ソプラノ:桐山望)

・グリーグ:ピアノ協奏曲(ピアノ:青島陽子)

・ドヴォルザーク:交響曲第9番

初めて訪れる茅ヶ崎市民文化会館は、中規模のいわゆる多目的ホールな感じ。客層は、たぶん茅ヶ崎の長い住人の方々なのだろう、50~60代の功成り名を遂げたヒトカドの人たち、という印象だ。

ホールは1階の中央通路から後方は傾斜が入るので、今回の中央やや後ろの席からは、弦、木管、金管、打楽器が段差になって重ならず見え、音質に期待が持てる

さて、「カルメン」の「トレアドール」の出だしから、その期待どおりに、明るく、くっきりした音がいい具合に届く。サントリーやオペラシティにも、この傾斜が欲しいところだ。

そして、今日の演奏会は、「茅ヶ崎市の若きアーティストを迎えて」という副題が付いている。ソリストのお二人は、ともに茅ヶ崎市出身の期待のアーティストだ。

グリーグのピアノ協奏曲を弾くのは、青島陽子さん。ご本人のブログの記事、「演奏者の目指すもの…作曲家の心を映す」において、あるべき演奏者の姿勢について書いているが、今日の演奏はまさにそれを体現したかのようだった。

情緒に流されることもなければ、ヴィルトゥオーソ的に技術を誇示することもない。一音一音、一つ一つのパッセージを大切にていねいに綴ってゆく。そんな誠実な音作りによって、まずグリーグの魂が、そしてさらに演奏者の心が伝わってくる

この気持ちが洗われるような演奏によって、これまでいい加減に流して聴いていたこの曲のいくつかのフレーズが、こんなにも美しく、思いを湛えていたのかと気付かされる

そんな演奏に会場も呼応し、1楽章の後に大きな拍手が起きた。新世界の1楽章の後にはほとんど拍手はなかったのだから、「楽章間では拍手しない」というルールを知ったうえでの、大きな喝采なのだ

青島さんは、この拍手には少々驚いた様子ながらも、会場に一礼していた。とても誠実なお人柄なのだろう。

さて、休憩後の新世界は、かなり気の抜けた演奏に思えた。弦、木管、金管の各パート間だけでなく、パート内でのアンサンブルや強弱のバランスが今一つ。また、最も緊張感を高めなくてはならない箇所で、音をはずしたり歪んだり。

まあ、今日のハイライトはソリストお二人で、正直新世界は練習不足だったのだろうと思いました。

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07年9月20日は没後50年のシベリウスの命日

今年2007年は、グリーグ没後100年、シベリウス没後50年にあたる年。シベリウス好きの自分は、かなり期待していた

しかし、思ったほど盛り上がらない。在京メジャーオケによる、交響曲の全曲演奏会シリーズぐらい、普通にやってほしいものだが、とうとうそんなプログラムはない。

それどころか、オールシベリウスプログラムすら、ほとんど見掛けない。かろうじて、来年の井上道義指揮、日フィルの1番+7番が楽しみなぐらい。まったく期待はずれでがっかりだ。

そんななか、9月20日は、シベリウスの命日。2日遅れの22日、いくつかの曲を自宅で拝聴した

まずは交響曲の7番、4番。カラヤン指揮、ベルリンフィル。それから2番。初めて聴く、ヤンソンス指揮、オスロフィル

それから、管弦楽曲は、カレリアの序曲、即興曲「春の歌」、タピオラ、命日にちなみ「イン・メモリアル」、そして最後に「アンダンテ・フェスティーヴォ」

この「アンダンテ・フェスティーヴォ(祝祭アンダンテ)」は、1922年に弦楽四重奏で作曲、1930年に弦楽合奏とティンパニ用に改訂された

シベリウスの作品番号が付いた最後の作品は、作品116の「三つの小品」なのだが、これが1929年の作。つまり、この作品番号がない「アンダンテ・フェスティーヴォ」の弦楽版は、シベリウスが作曲上の沈黙の期間に入った頃の作品なのだ

しかし、なんという美しい曲なのだろう。壮麗で、荘厳で、深い精神性を内包するにもかかわらず、たぶん万人の心を打つことが可能な曲だ

委嘱による祝賀曲だからこそ、このような曲を作ることができたのだろうとは思う。しかし、この曲は、タピオラや交響曲7番に行き着いた後の作品なのだ。

自ら内省の宇宙の極みに到達してしまってからも、創作活動を止めてしまったわけではない。しかし、そのあとの作品は自らの基準に達しなかったのだろうか、発表することはなかった。第8交響曲もアイノラの山荘で火の粉となってしまったとの話だ。

いっぽうで、この「アンダンテ・フェスティーヴォ」の弦楽版を聴くと、つくづくそれが残念だ。こんな曲を書ける多様性と創作力が残っていながら、以後それを封印してしまうとは。。我々からすると、なんともったいないことなのだろうと思うしかないのだろうか

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07年9月14日都響春祭1曲2,250円

と、大塚愛の曲のタイトルみたいですが、昨日2007年9月14日は、小泉和裕指揮、都響の東京文化会館定期演奏会に、後半だけ行ってきた

休憩前:ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ピアノ:ゲルハルト・オピッツ

休憩後:ストラヴィンスキー「春の祭典」

新宿での仕事の打ち合わせが終わったのが、19時。演奏会は上野で19時スタートなのだが、都響には、「遅割」というシステムがある。当日券で、さらに休憩後のプログラムだけ聴く場合、半額で入れるのだ

平日、仕事が何時に終わるかわからない社会人に有効だし、後半の曲だけ特に聴きたい、というときにも使える。今日は、打ち合わせの終了時間しだいで、最初からか後半からか行こうと思っていた。

東京文化会館に着いたのは、19:30。1年ぶりぐらいか。文化会館は最近は1年に1度行けば多いほうだが、高校、大学時代は、足繁く通ったものだ。N響が例外的にNHKホールをホームとしていたのを除くと、在京オケの公演はほとんどここで行なわれていた。だから、たまに来るたびに、懐かしさのほうが先に立つ。

ちょうど19:30から遅割チケットの発売が開始されていた。都響定期は、ただでさえリーズナブルな価格設定なのだが、今回もB席\4,500を、さらに半額の\2,250で購入。春祭1曲、\2,250^^。1曲あたり価格でチケットを買うのは、なんだか、音楽配信や携帯配信で、アルバム曲を1曲単位で買うのに、なんだか似ている気がした。

演奏が始まる。が、いきなりのメインプログラムに、気持ちの違和感がある。やはり、食前酒を飲んで、オードブルを食べてからメインディッシュを。。という流れに慣れ切っていると、いきなりメイン曲、という状況には、なかなか気持ちが慣れないものがある。

今日の春の祭典は、きわめて機能的な演奏だった。春祭の演奏の類型化パターンとして、生命が胎動し始めるような原初的なエネルギーを描く演奏と、音そのものを機能的に際立たせる演奏に分類することができる。前者がゲルギエフタイプとすると、後者はブーレーズタイプだ。

今日の演奏は、間違いなく後者のタイプだった。冒頭から、各パートをくっきりと描き出し、この曲の音の機能美を追求していくことに成功していた。だから、右脳よりも左脳で感じる取ることが多く、逆にこの曲の特徴である、音楽そのものから発されるエネルギーの塊を感じて圧倒され感動する、ということはあまりなかった。

しかし、在京のメジャープロオケで、クラリネットの大事な部分でのここまでのリードミスは、あまり記憶がない。自分も演奏していた楽器だけに、リードミスが起きる構造は熟知しているし、本番であれをやってしまった瞬間の絶望感も生々しい。こちらまでが緊張してしまう。

あとホルンにもあれ?と思う箇所があったが、それを除くと全体的に安心して、このシュアで洗練された春祭を堪能することができた。ただ、自分の好きな春祭の演奏は、地球が爆発するようなタイプのものなので、そういう意味では物足りなかったかも知れない。

しかし改めて、いつでもさくっと演奏会に行ける環境は、いいものだと思う。沖縄に住みたい、などという願望はずっとあるのだが、在京オケや世界のオケを堪能できる環境は本当にありがたいと思わないと^^

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学芸大附高オケと筑波大附高オケ

070909今日9月9日は、東京学芸大学附属高校の文化祭、辛夷祭(こぶしさい)に行ってきた。

昨年に続いて2度目なのだが、これだけの人数の高校生にまみえるのは、(当たり前だが)自分の高校のとき以来。植物で言えば、新緑も新緑。。その生々しい息吹きに、思い切り圧倒される

当初は、軽くジャズのライヴと「南国喫茶」に顔をだしてから、東フィルのオーチャード公演に行く予定だった。しかし、昨日の午後のテニスが、遅れて来たからと連続で数試合をやるハメになって、今日は少し熱中症ぎみ。

そんなこともあって、今日のオーチャードは見送ることにした。そんななか、学内の貼り紙に気付く

学芸大附高音楽部(=オーケストラ)公演

ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第1番

チャイコフスキー:交響曲第5番

なんと、普通の高校オケでチャイ5をやるのか! これは体調が不良でも、ちょっと覘くだけ覘いてみたくなる。

今から30年前、自分も別の国立附属高のオケの上級生学年だった。秋の文化祭のメインは、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」。これも難曲ではあったが、自分の高校時分は、チャイ5などレベルが高過ぎで、本番で演奏することなど、とても考えられなかった

しかし、まず講堂で見るオケの陣容に、驚く。ドヴォルザークにもチャイコフスキーにも充分な人数なのだ。パンフを見ると、メンバーは80人強だと言う。それも、春には希望者が定員オーバーで、オーディションまでしてその人数なのだ。

自分の高校オケ時代は、東大オケを中心としたOBOG大学生の助けを得て、ようやく40人程度だっただろうか。そもそも人数からしても、前期ロマン派が精一杯だった

ましてや、オーボエもファゴットも学校にはなかった。独自でそんな木管楽器を持ってる人間もほとんどいない。だから、このあたりのパートは、代わりにフルートやクラで吹くか、OBOGにのってもらうしかなかったのだ

さて、演奏を聴いてさらにびっくり。それは市民オケ並みのレベルなのだ。うたう弦、細かいパッセージをこなす木管、そして圧巻は金管。びしっときまるアンサンブルは、もう感涙ものだ。見事なチャイ5だった

アンコールは、十八番なのだろうか、慣れた感じのハンガリー舞曲の5番。今回で引退する2年生たちの目には、涙が光っていた

娘が中学生になったあたりから、彼女の暮らしぶりや、話を聞いていると、今の自分と30年前の当時の自分を、パラレルで生きているような気がすることが多くなってきた

今日、学芸大附高オケを会場で聴いていたら、30年前の自分の高校オケ時代が蜃気楼のように浮かんできて、軽く眩暈がしてきた

我が母校、筑波大附高のオケは、この30年で、学芸大附高オケ並みに進化しているのだろうか? 久々に聴きに行ってみたくなりました^^

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久々のサントリーホール 07年9月7日東フィル定期初日

2007年4月から8月まで改装中だったサントリーホール。9月7日は、5ヶ月ぶりにサントリーホールで演奏を聴いた

改装といっても、見た感じ、様子は何も変わっていない。身体障害者用の椅子を充実させたとの記事は見かけたが、あとは基本的なオーバーホールだったのだろうか。

今日は、今シーズンの東フィルサントリー定期の初日。指揮は、チョン・ミョンフン。通常は4月から3月までの1年で8公演なのだが、改装があったため、9月から3月に圧縮されてプログラムされている

ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲

コダーイ:ガランタ舞曲

ドヴォルザーク:交響曲第7番

前期、前々期は、LDブロックのB席で聴いていた。この席のメリットは、全体を俯瞰でき、オケのバランスもよく聴こえるところ。逆にデメリットは、ステージから遠いことに起因し、臨場感に欠けることと、様々な雑音の影響を被ることだった。

そんなことから、今期はRBブロックのA席に変えてみた。LDのデメリットは2つとも解消されるはず。そして、バランスも、ある程度確保できる

ホールも改装後初、席も変え、しかも久々の週末金曜夜の演奏会。曲も、クラリネットが活躍するガランタと、過去演奏会で聴いた記憶がないドボ7。様々な意味で、期待を膨らまして、会場に向かった。

さて演奏は、ミョンフン氏独特の、緩急、デュナーミクを効かせ、各パーツをくっきりと浮かび上がらせる熱いものだった。とくに、コダーイとドヴォルザークの弦の熱さは圧巻。

ドヴォルザークに象徴される汎スラヴ主義は、ハンガリー民族運動による抑圧との対立項として語られるが、今日のガランタと7番の弦の熱さは、自分からすると通底するものを感じた。

ところで、隣席で聴いた友人との最初の共通の感想は、「音が来ない」というものだった。これまでサントリーで聴いたRA、RB、LA、LB席では、もっと生々しい音がダイレクトに伝わってきた。

しかし、今日はそれがかなり薄まった感じがした。視覚的に見るヴァイオリンの熱のこもったボーイングと、実際に聴こえてくる音には、明らかなギャップがあった

これは、サントリーホール改装の影響なのだろうか。だとすると、RB席にしたメリットが弱くなってしまうのだが。。

★★ちなみに、今回が300件めの記事となりました(PVは27,000頂きました)。これもひとえに読んでいただいてる皆様のおかげです。今後とも、よろしくお願い致します^^

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07年8月12日 フェスタサマーミューザKAWASAKI2007 フィナーレコンサート

8月12日は、ミューザ川崎における、「フェスタサマーミューザKAWASAKI2007」大友直人指揮、東京交響楽団  フィナーレコンサートに行ってきた。ヴァイオリンは、チャイコフスキーコンクールで優勝した、神尾真由子さんだ。

・ベルリオーズ:「ファウストの劫罰」よりハンガリー行進曲

・ドビュッシー:「牧神の午後への前奏曲」

・ペレグリ:「クリザリッド」

・サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番

・ラヴェル:ダフニスとクロエ第二組曲

もともとこのチケットを購入したのは、8月に定期演奏会がなく、何か行こうと思って探したことがきっかけである

そんななか、ミューザのフェスタで、S席が\3000と格安だったことと、自分の好きな曲だがなかなか演奏会でやらないサン=サーンスの3番コンチェルトを聴きたかったこと、そしてもちろんマイフェイバリットのダフニスがあったことも大きい。

そして、神尾真由子さんのニュースが入る。期せずして、注目の演奏会となったわけだ

しかし、この価格でフェスティバルの一環であり、さらに指揮者の「語り」も入る演奏会。子供も多かったり、かなりラフな一般層向けのものと、心の準備をしていった

ところがどうして、観客のマナーは非常によく、通常の定期公演よりもよほど雑音が少なかった。指揮者の大友さんも、「水を打ったように聴いてくださって」とコメントしていた。(ダフニスの第1曲の後半あたりから、左サイドで雑音がしていたのが、唯一残念だったが。。)

演奏は、大友氏ならではの、オーソドックスな解釈に加えて拡がりを持つテイストが、安心できる

ペレグリの「クリザリッド」とは、大友氏の友人の曲だそうだ。有名な曲のフレーズがここかしこに出てくる、ユニークな曲とのこと

もちろん初めて聴くのだが、冒頭ストラヴィンスキーのぺトルーシュカから始まり、ブラ1、マーラーの1番、ベト7、幻想、ダフニス、チャイ5、運命の3楽章、などが次々と姿を現して消えてゆく。こんな曲を聴くのは初めてで、シンプルにおもしろかった。

そして、神尾真由子さんのサン=サーンス。むせびなくようなフレーズを切々とうたい上げたかと思うと、感情的な表現をあえて抑えぎみに進む箇所もあり、若干の乱れもあったものの、申し分のない演奏だった。

なんと神尾さん、サン=サーンスは今日が初めてだそうだ。貴重な日に立ち会えたものだ。本当にこれからがさらに楽しみなヴァイオリニストだ。

今日は、この演奏会の前に、映画『日本以外全部沈没』を見て大笑い。さらに演奏会のあとには、成城学園のフレンチ『アシエット』で完璧なサービスを堪能。エンタメコンテンツが満載の1日だった。映画とフレンチの件は、追って書きます^^

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07年8月7日 アジア・フィルハーモニー管弦楽団 演奏会

7日は、東京オペラシティにおける、チョン・ミョンフン指揮、アジア・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会に行ってきた。曲目は、ドヴォルザーク:交響曲第8番とブラームス:交響曲第1番

今年前半は、月4回前後のペースで行っていた演奏会だが、7月は結石で通院や手術などしていたため、久々に月0回。6月以来、久々の演奏会となった。

アジア・フィルとは聴き慣れない名前だが、アジア8ヶ国の音楽家たちによる、オールアジア的な要素を持つオケとのこと。

サッカー代表のように、ふだんはヨーロッパやアメリカのオケで活躍する演奏者たちが、アジア・フィルの名のもとに、ここに集結しているのだ。

席は、ステージ左の2階。指揮者を真横から見る位置になる。

いきなり、地響きのように伝わってくる、圧倒的な低弦。もちろん、低弦を正面に見据える席の影響もあるが、それより何より、オールアジアの自負なのだろうか。すでに亜熱帯と化してアジアらしさを増す東京の熱とあいまって、弦の熱さはタダモノではない

木管のフォルテのときのフィンガリングも気合が入っているし、金管のビシっとした咆哮もすさまじい。極めつきは江頭2:50を思わせる、個性的な風貌のティンパニ奏者の強打。ついつい、引き込まれていました^^;

ミョンフン(最近、イ・ビョンホンを「ビョンホン」と呼んでいる叔母にならってみました)のドヴォルザークの8番は、一昨年の2005年7月22日に東フィルサントリー定期で聴いたが、そのときのスピードとキレには身体が踊り、大感動だった。

それと比較すると、今回は準よりも遅めのテンポ。だが、充分に張り詰めた緊張感がみなぎってたっぷりとうたい、東フィルの演奏とは好対照だった。

また、ミョンフンのブラームスの1番は、1998年7月6日にやはりサントリーで聴いた、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団以来。オーソドックスなアプローチはこのときと変わらず、安心して身を委ねられた。

しかし、オペラシティではいつも1階後方か2階のセンターで聴いていたが、今回初めてステージ横の席で聴いてみた。サントリー、劇術劇場などと比べて、その差は非常に大きかった。

5月のフランス国立も今回もP席で聴いた友人は、その音圧はほぼ同じだった、という。が、フランス国立を2階センターで聴いていた自分は、そのあまりの聴こえ方の違いに、唖然とした。後方で聴く中和的な音と、ステージ近くで聴く生々しい音の差が、他のホールよりも甚だしいのだ

ステージ横は、リアルな音を充分な音圧で聴けるメリットの反面、客席で聴いていない感じがするデメリットもある。自分がオーケストラの中で演奏しながら聴いているような感じなのだ。本当に、座席選びはむずかしい。

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ライスターとギャベのサン=サーンス:クラリネット・ソナタ

サン=サーンスのクラリネット・ソナタは、自分のなかでも重要な作品の1つだ。昨年のブログにも書いたが、

http://paienne.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_a899.html

死の年に書かれたこの作品は、諦観と微かな希望の間に揺れる心情が綴られる。透明感にあふれ、静かにしかし強く胸をうつ名曲である

この曲を初めて聴いたのは、ちょうど30年前。それ以来、モーリス・ギャベのクラリネット、アニー・ダルコのピアノによる、1975年録音の演奏が長らくマイベストだった。

そんななか、先週、カール・ライスターのクラリネット、フェレンツ・ボーグナーのピアノによる演奏を聴いた。正直、根本的にこの曲を捉え直さざるを得ないような内容だった。

カール・ライスター。現在、世界のNO.1クラリネット奏者であることは、異論の余地がないだろう。今年2007年3月には、サントリーホールでモーツァルトのクラリネット協奏曲を聴いた。

http://paienne.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/320__a8c9.html

完璧な音色。それはまさに「ザ・クラリネット」とでも言うべき、クラリネットの最も美しい音。世界中の誰もがこんな響きを目指す。

曲の解釈は、奇をてらうところは一切なく、きわめてオーソドックス。それでいて、それがオリジナリティとなり、深く、心の芯の芯にまで感動をもたらす

それは、この世の奇跡としか言いようがなく、終了後しばらく、茫然自失滂沱の涙状態に陥ったものだった。

そんなライスターのサン=サーンスは、このモーツァルトの演奏と同じことが言える

究極の音色。太すぎるほど太く、余裕がある音。楽譜に忠実な解釈。抑制された感情と客観性。なのにそれが唯一無二の独自性となって、奥深い感動を与えてくれる。

もしこの演奏を初めに聴いて馴染んでいたら、まさしくこれが最高の演奏として、自分にインプットされていたに違いない

しかし、自分には30年にわたり、しっかりと聴き込んだモーリス・ギャベの演奏がある。

ギャベの演奏は、ライスターの演奏と対極にある。音の線が細い。ライスターのそれと比べると、窮屈にさえ聞こえてくる。だからこそ、逆に主観的だ。

諦観と微かな希望が、揺れ動く小舟のように交互にやってくる。何かに急きたてられ、しかしふっと諦めてしまう。ライスターと比べると、感情的だ。内面が吐露される

死が目前まで迫っていた、サン=サーンスが乗り移ったかのようだ

そんなライスターとギャベの演奏。どちらがいいのかと言われると、どちらもいいと言うしかない

同じ曲なのに、こんな対極にある。でもどちらも素晴らしい。宝物は2つあったのだ。

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ヒラリー・ハーンと神尾真由子

ヒラリー・ハーンのバッハのヴァイオリン協奏曲第2番は、かなりの愛聴盤だ。(昨年2006年のブログの記事→ 「久々にバッハの「ヴァイオリン協奏曲第2番」を聴く」)。

キレ味鋭く、曲の輪郭を浮き立たせているのが心地いい2002年10月録音のこの演奏。1979年11月27日生まれの彼女の、22歳のときの作品だ