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2010年7月23日 プラッソンの幻想

ミシェル・プラッソン指揮 東フィル ベルリオーズ ローマの謝肉祭、夏の夜、幻想交響曲      サントリーホール 

演奏会やCDで様々な幻想を聴いてきたが、今日の幻想は唯一無二、既知の輪郭を覆すような演奏だった。幻想と言えば、現代では普通こんなふうに解釈され演奏される、というスタンダードから離れ、それはもしかしたら19世紀はこんな感じだったのかも知れないし、もしかしたら、それは全く新しい21世紀的なものだったのかも知れない。

冒頭、まるでよくできた映画や小説のプロローグのように、これから何が起きるのか予想もつかない序幕。その後も、決して咆哮せず走らず、ドラマティックとは程遠いのになぜか地味とも全く掛け離れ、オリジナリティの塊りが意表も突く。

銃弾が飛び交いもせず、人が死んだりもせず、なのにひたひたと心の奥底を震撼させるサスペンスを見ているような緊迫感。オケの音色も透き通った音ながらも、それだけでは済まされない仕込みが入る。

普段聴く幻想だと、曲途中でいくつかの感銘のピークがあるのだが、今日はそれが全くなく、それはすべてまとめて全曲が終わった瞬間にやってきた。トータルでの世界観にいつの間にか自分が入り込んでいて、それを見届けたときに深いものがずしりと全身を貫く。

さすがにこの演奏を否定的に捉えた人はほとんどいないのだろう、サントリーホール全体にポジティブな気の波動が満ちたのが見てとれた。

こんな歴史的な瞬間に立ち会えることが、生演奏通いの醍醐味なのだ。

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2010年7月11日 都響 作曲家の肖像「シューマン」

6月はヒラリー・ハーン2公演のあと、セキと頭痛に苛まれ、3公演に行けずじまい

6月5日都響作曲家の肖像「ストラヴィンスキー」、6月9日フィルハーモニック・アンサンブル・ウィーン”モーツァルティステン”、6月11日東フィルサントリー定期、それに加え、これは東京ドームの巨人戦と重なった、エルムの鐘(アマオケ)も入れると、4公演ジャンプしてしまった。

ということで、およそ1ヶ月半ぶりの演奏会だ。

ルイサダのシューマンのピアノ協奏曲は、なんだかかつてのヴィルトゥオーソスタイルというか、時代がかったように重厚だった。テンポも遅く、各フレーズを独立させて弾き込む。自分のなかでこの曲の原点は、ルービンシュタイン盤とリパッティ盤の対比から成り立っているのだが、これはまさにルービンシュタインを彷彿させる。

いっぽう交響曲3番ラインは、下野竜也、呪縛から解き放されたように、冒頭から快活に走る。厚い音圧をキープさせながらの、好演だった

ところで今回、初の3階LBの前ブロックで聴いたが、音が非常にクリアに響くいい席だった。サントリーに例えると、LCが高くなったような位置。2LB、3階LBの後ろは座ったことがあったのだが、そのどちらよりもいい。芸術劇場は、1階も2階もなかなか音が茫洋としてしまうので、1LBとここの3LBはオススメです^^

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