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08年9月23日 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 サントリーホール公演

指揮:リッカルド・ムーティ

ロッシーニ:オペラ「セミラーミデ」序曲
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「妖精の口づけ」から
チャイコフスキー:交響曲第5番

ウィーン・フィルの初体験は1977年3月、カール・ベーム指揮の「運命」「田園」「レオノーレ」3番序曲。以来、何度か聴いているが、今日はかなり久々。15年ぶりぐらいだろうか。

そして今日のチャイ5は、自分の数百回を数えるだろう演奏会体験のなかでも、3本の指の入る演奏、もしかしたら最も素晴らしいものだったかも知れない

いや、「素晴らしい」なんていう形容詞は軽く超越していた。そこにいる人たちが作曲家の書いた楽譜を演奏している、とはどうにも思えなかったのだ

チャイ5という楽曲そのものがそこにあって、チャイコフスキー自らがやってきて、この曲を自分の言葉で話しているとでも言えば、この不思議な感じを表せるだろうか。

すべてが斬新でオリジナルで、どこかで聴き馴染んだような月並みなフレーズは、最初から最後までとうとうどこにもなかった

31年前、生まれて初めて聴いたウィーン・フィルが「田園」を奏でたときは、そのやわらかで金色の音色に驚愕した

そして今日、オーケストラが完全に自分の言葉遣いで音楽を語るのに、信じられない感動を覚えた。

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ヒラリー・ハーン オペラシティ2公演セット券を購入

もう2週間前になるが、いよいよ来年2009年1月のヒラリー・ハーン日本公演の先行発売が開始された

→1月7日公演の記事はこちら

ふだんは、直接座席が選べない先行発売、先行予約はあまり好まないのだが、今回は特別だ。

もともと、15日のリサイタルは絶対に行こうと思っていて、7日のジョシュ・リッターとのコラボは少々迷っていた。しかし、まずはジャパン・アーツの各種会員に向けて、この2夜セット券から発売されると聞いて腹が決まる

4日深夜0時からのWEBエントリー受付、という不思議な枠に0:02頃に申込み、すんなり受付される。その後、5日の夕方には申込み完了のメールが届き、6日のお昼にはもうチケットが届いた。なんとまあスピーディーなこと^^

座席を確認すると、2夜ともに前から5~7番目で、左右も中央。オーケストラだとあまり前は困るのだが、ハーンのソロならベストだ。こんな流れなら、先行も悪くない。

さて今回の目玉の1つは、イザイの無伴奏ソナタの4~6番だ。ハーンはイザイの孫弟子にあたるそうで、これが2夜にわたって演奏される。またぜひとも聴きたかった、バッハの無伴奏は、2番ソナタの1曲だけ。アンコールに期待したい。

そのほか、ふだんオーケストラをメインに聴いている自分にはなじみのない、アイヴスのソナタ、ニールセンの変奏曲、このあたりは、きっちりと予習をして臨みたいものです^^

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08年9月13日 日フィル サントリー定期演奏会

指揮:ハルトムート・ヘンヒェン

シューベルト:交響曲第7番「未完成」

ブルックナー:交響曲第9番

しかし、前回日フィル昼定期に行った5月31日、ドイツ・レクイエムのときも思ったのだが、土曜公演は、演奏者、観客ともに平日夜公演に比べて雰囲気がゆるい

平日夜の客は、基本的に仕事をばっさりと切り上げて、ハイテンションそのままに駆けつけて来ているのであろう状況に対し、土曜の午後2時というのは、客もまったりと弛緩しているのだろう。

そんな雰囲気が演奏者にも伝わるのか、もしくは初めから演奏者もそういう状態なのか、土日の昼はオケも緊張感に欠ける演奏が多いように思う。オケ側からすると、定期演奏会と言えども、名曲コンサートに近い状態になってしまうのだろうか

そんななか、今日もなんだかテンションが上がらないままに終わってしまった

前回同様、2階席は曲間で人を入れているのか、未完成の2楽章の冒頭、やけに雑音が耳に障る

またブルックナーは曲の始まったその瞬間に、やはり2階中央席付近からジッパーの開閉音が響いて、完全に音が重なった。最悪。やはりそんな客を含んでしまうのが、土日なのだろうか。

自分にとって、またブルックナーの9番ファンにとって、この曲は神に近い敬虔な存在である。そういう曲を、休日の昼にのんきに聴いてはいけなかったのだろうか。。

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2008年9月6日 スカラ・フィルハーモニー管弦楽団 サントリー公演

チョン・ミョンフン指揮 

ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」序曲、歌劇「ウィリアム・テル」序曲、プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」より間奏曲、ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲

チャイコフスキー:交響曲第4番

ここ数年は在京メジャーオケを中心に聴いていて、日本のオケもずいぶんレベルが上がったものだと感心することしきりであった

しかしそんななかで今日のスカラ・フィルのような音を聴いてしまうと、やはり根本的なものが違うことを思い知らされる

このイタリアオケの、パレットに32色をちりばめたような音色からすると、日本のオケのは、白と黒、ときどき銀。。そのぐらいの違いがある。

また、日本のオケが100の力で100の演奏をしているとすると、今日のスカラ・フィルは、150の力で100の演奏をしていたような余裕だ。

なかでも金管の美しさと余裕、これは日本人の限界を易々と凌駕してしまっている。木管もまたウィーンともベルリンとも違って、色気があり過ぎぐらいの音色だ。

これに弦があいまって繰り広げられるオケ全体の音からは、濃厚な陽気さが香り立ち、日本男児がとくに恋愛において「イタリア人にはかないまへん。。」と白旗を上げてしまうのも、仕方がない気がしてくる。

このスカラ・フィルは、今年2008年5月号の『レコード芸術』誌のオーケストラ・ランキングでは、20位にランクされている。しかし今日の演奏は、これより上位に位置するオケが月並みな出来だったときよりも、はるかに素晴しいものだった。

いつも言うことなのだが、オケも人の集まり。どこまで気合いが入っているかで、大きくそのアウトプットは違ってくる。その「気」の入る重要な要素の1つが、指揮者との蜜月の度合であるのは自明である

今日の演奏と団員の雰囲気を見る限り、チョン・ミョンフンはこのオケを完全に掌中に収めていることが、ありありと伝わってきた。

【さて演奏は。。】

プログラムの前半は、イタリアオペラの序曲集。もう何も言うことはない。次から次へと出てくる一流シェフによるイタリア料理を満喫したような満足感だ

そして後半はチャイコフスキー。こちらは、ミョンフン氏の左脳右脳の緩急が圧巻だった

つまり、理詰めで楽想をたたみかけるように追い詰め突きつめていくところと、いっぽうで自由に伸びやかに感性でうたわせるところの絶妙な切り替え、これに魂まで持っていかれてしまうような法悦感をおぼえた。

しかし最後まで違和感が消えなかったのは、もともと自分の心象風景のなかではモノクロームで冬枯れて孤独なチャイ4、とくに1、2楽章の絶望、残酷、憂鬱に対し、オケの音色があまりにカラフルで彩豊か過ぎる点だ。どうにも仕方ないことだが。

だとすると、チャイ4は、白と黒と銀の日本のオケのほうが、本質的に合致しているのかも知れない。曲と演奏、国民性や人種のマッチングは、なかなかに興味深いテーマだ。

【LAブロック左寄りエリアを初体験】

ところで今回、LAブロックのP席寄り7番までのエリアを初体験した。一般にはP席よりも厳しい席とされているが、これがなかなかよかった。

同じLAでも8番以降だと「真横」になって、弦・木管・金管が完全にタテに分離して聴こえるのだが、このエリアだとそれがまとまって聴こえてくる。

この音のまとまり方がオケらしくて、納得感があるのだ。指揮者の表情やタクト捌きもよく見えるし、なかなかリーズナブルな席だ。これがRAだと、さらにコンバスが隠れて第1ヴァイオリンを正面に見るわけだから、なおいいのかも知れません。

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