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編集後記の想い出(笑)

今回は、まったくどうでもいい話しです。(いつもそうかも?)

今から遡ること、20年。20代まっただなかのわたくしは、とある音楽系の出版社に勤務しておりました。その会社ではクラシック音楽関係の月刊誌やポピュラー音楽関係の隔週週刊誌などを10誌ほど発行していました。

わたくしの同期入社は7人。入社時は、皆が憧れる雑誌編集部への配属は一人もいなく、全員がいつか雑誌に異動したいと切に望んでおりました。

それはもちろん、雑誌編集がやりたかったからですが、同時に雑誌に異動すると「編集後記」が書ける! というのも大きかった。

なんじゃそりゃ? と思う方もいらっしゃると思います。今でこそ、こんなふうに誰でも書きたいことを書いて世の中に発信できるような時代になりました

でも20年前は、インターネットなんてものはなかった。何かを人に伝えるにはマスコミを、何かを読んでもらうにはその中の新聞・雑誌を通すしかなかったのです。

とはいえ、署名原稿を書けるような著者・執筆者になるには長い道のりが必要。そんななか、手っ取り早く自分の日常や思ったことを綴るには、雑誌編集者になってこの「編集後記」を書く、というのが最も速い手段でした

さて入社2、3年が経つと、同期のうち、一人、二人と雑誌編集部へ異動する者が出てきました。わたくしも3年目の夏、7人中3番目にポピュラー雑誌の編集に異動が決まりました。

やった! 編集後記が書ける!! それは大きな楽しみでした。

今でこそ、そんなものを隔週で書かなければならないとなったら、かなり面倒な話しです。が、当時はこれが嬉しくてたまらなかった。

毎隔週、次に何を書くか、前もってずいぶんと考えた。わずか100字程度のなかに、どれだけの自分のエッセンスを盛り込むか。。なにしろ、読者は多い号で15万人もいるのだし、下手なことは書けない! と自意識過剰の極みな感じでした(笑)。

そうして何回か編集後記を書いているうちに秋になり、その雑誌は大リニューアルをすることになりました

同期で同じ編集にいて、やはり編集後記に燃えていた友人Sと二人、心配がつのります。編集長は、編集後記のことをどう考えているのだろうか。

ただでさえ、編集者が誌面に出ていく当時流行りの現象をひどく嫌っていたM編集長。「ギョーカイ」というトレンディ(笑)な言葉も大嫌いだったM編集長。

何度も続いたリニューアル編集会議も終盤。いっこうに編集後記の話が出ないのにしびれを切らした友人Sがおずおずと発言しました。

「あの~編集長、編集後記はどうするんですか?」

編集長は、そんなことは全くどうでもよかったのだと思います。想定外の質問に一瞬間をあけながらも、こう答えた。

「ん。。まあ、いらないんじゃないか」

友人Sとわたくしは、気色ばんで真っ正面から抗議した

「いや、読者は編集後記を楽しみにしています」

「読者は業界関係者の様子を知りたがっています!」

するとM編集長は、開き直った

「今回のリニューアルはとにかく情報量を追及する! どんな小さいスペースでもとにかく情報優先だ!」

そして苦笑いして言った

「俺の目の黒いうちは編集後記は載せん。まあ、俺が編集長から下ろされたら次の編集長のときは載せるように頼もう」

実はどうでもよかったことを、まともに会議の議題にしてしまったがために、こうして編集後記の廃止はオフィシャルに決定してしまった。

あれから20年。もしあの時の自分が今の自分だったら、会議の席では話題にのぼらないように友人Sと打ち合わせ、リニューアル号のレイアウト時にこっそりデザイナーに指示して、編集後記のスペースをとってしまっただろう。ああ若いって知恵がない!

それから3年半、発行部数がじりじりと下がるなか編集長は異動になり、本当に編集後記が復活しました。しかし、なんと友人Sは、そのタイミングで編集後記のない月刊誌に異動になってしまいました^^;

自分はようやく再び編集後記を書けるようになったものの、その雑誌はその後1年で休刊してしまったのです。

あれから時代も変わったし、自分も変わりました。でも、何か書いていたい欲求は変わらないので、こうしてブログを書いたり日記や小説を書いたり、仕事でも原稿を書いたりしています

なんとなく想い出したので、こんな話しを書いてみました。しかし、20年前のこんなどうでもいい話しをよく克明に覚えているものだなあ。

お付き合いいただき、恐縮でございました^^;

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コメント

うーむ。気持ちわかります。面白かったです。たぶん僕はまだ”若い”部類にはいりますし、自分で知恵もないなあと思うこと多々あります。
すごく勉強になりました!

投稿: espressoaddshot | 2007年12月22日 (土) 00時45分

おぉ! 

インターネット世代どころか、インターネットのプロのespressoaddshotさんにわかっていただけるとは嬉しいです! 

お時間あったら、どのあたりの「気持ち」か教えてくださいませ^^

投稿: paienne | 2007年12月22日 (土) 01時34分

…すいません、友人Sです(笑)

俺が悪かった! 許してくれ!

投稿: ジ・O | 2007年12月22日 (土) 01時37分

いやいやジ・Oさん、そういうことじゃなくて!(笑)

お互いああする以外、術(すべ)を持っていなかった20代だったのだよな~^^;

投稿: paienne | 2007年12月22日 (土) 01時56分

楽しい時代があって、よかったねー。あの頃は輝いていたぞ(・・・今は?)

投稿: hami | 2007年12月22日 (土) 13時59分

今は生活が双肩に。。(苦笑)

投稿: paienne | 2007年12月22日 (土) 15時59分

編集後記のない雑誌があるなんて知りませんでした~
てっきりどんな雑誌にもつきものなのかと…。
paienneさんのお若い頃のお話聞くのはなんか楽しいですね♪

そういえば以前にも小説のお話聞いたことがありました!
ハーゲンダッツ箱入りも魅力的だけど(笑)、小説も読みたいですっ(o^-^o)

投稿: みぃ | 2007年12月23日 (日) 01時09分

歳取るにつれて、シャレにならない話しが増えてくるから、昔の話しのほうが笑えるかもですね~(笑)

小説どちらかのアドレスにでも送りますね^^;

投稿: paienne | 2007年12月23日 (日) 17時01分

個人的にこういう裏話は大好きです。(笑)
機会があったらまた何か書いてください。差し障りない範囲で。

そして、ひとつ前の記事を読んで
うっかりドルチェのモンブランを食べてしまいました。
高いだけありますね〜。

投稿: こやま | 2007年12月23日 (日) 17時54分

昔の会社や仕事の話しだったら差し障りないので、また想い出したら書きますね^^

モンブラン、美味しいですよね~! なんだか量が少ない気がして、2つ食べたくなりますね。

投稿: paienne | 2007年12月23日 (日) 19時36分

その某雑誌は、リニューアルが原因で発行部数が下がった、というわけではありませんか…?尤も社会現象だったのでしょうか。こんなこと、ここで訊ねるのはタブーですね。いつの日か何かの折に「番外編」のお話を楽しみにしつつ。

投稿: まゆゆ | 2007年12月25日 (火) 00時34分

リニューアル後は、一時期部数が回復しました。

しかし、「FM番組をカセットテープに録音して音楽を楽しむ」という文化が消滅するとともに、このジャンルの雑誌もすべてなくなりました。

音楽の周辺産業は、テクノロジーの変化に大きく左右されるのが、怖いところだとつくづく思います。

投稿: paienne | 2007年12月25日 (火) 21時41分

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