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2007年11月9日 東フィルサントリー 定期公演 奇跡のフォーレ!

11月9日は、チョン・ミョンフン指揮、東フィル定期に行ってきた。曲は、フォーレのレクイエムほか。

今日の曲目はシーズンチケットの販売時、ブラームスのドイツレクイエムだった。正直、変更には少しがっかりしていた。

フォーレは最近では、2000年3月に芸術劇場、2002年10月にサントリーで聴いているが、いずれもこの曲の特質である「静謐さ」が、聴いているうちに疲れにつながった記憶が鮮明だったからだ

もともとこの曲は、高校の頃に非常に好きで、クリュイタンス&パリ管盤をよく聴いていた。しかし昨今では、正直生でもCDでも、さほどのインパクトをもたらすことはなかった。

しかし、今日のフォーレ! チョン・ミョンフンによって、そこには信じられないような音空間が構築されていた

「入祭唱とキリエ」の導入から、ゆっくりとしたテンポで1つ1つの音をていねいに描きつつ、全体として明らかに「此処ではない別の世界」をくっきりとつくりあげる。

東フィルも、これまで聴いた演奏のなかで最高の出来。ヨーロッパの一流オケクラスの音色には驚くばかり

いつもは不安な金管が、繊細なフレーズすらも完璧な音色と音程と骨格を持って、指揮者の表現の意図に応える。

弦も今日の音世界のために新たに音の色を設定したような、クリアで儚い響き

そしていつも感心する東京オペラシンガーズの、一糸乱れぬピアニッシモの入りと継続。感動で鳥肌ものだ

前2回のフォーレと違って、今日は「静謐さ」が少しずつ少しずつ感動を深めていった

全奏による咆哮は、しばしば聴衆に感動をたやすくもたらす。しかし、この曲のように、終始内へ内へ問い掛けるフレーズの長い連続によって人の心を深く動かすことは、なかなかに難しいことだ

唯一気になったのは、オルガンの音色。楽譜の意図に忠実にしたのかわからないが、なんだかポコポコした音だった

あと「ピエ・イエズス」のソプラノは、もう少し無色透明な感じが出たほうが、今日の演奏全体のトーンに合ったのではないだろうか。

さすがに今日ばかりは、演奏終了後すぐに拍手をする無粋な客は一人もいなかった

この45分、天上の世界が見えてきた気もしたし、現実世界ならば地平の彼方にまで真っ白く肌理細かい粉雪が降り積もってゆく景色を、ただ呆然と見続けていた気もした

しかしこんな演奏でも、オケの散会を待たずにさっさと人の前を横切り帰る人がいる

様々な理由があるのだろうが、ヴァイオリンでイザイの無伴奏のアンコールがあったわけだから、フォーレのあとにアンコールがあるはずもない。

たかだか30秒、1分を急ぐ、どんなご事情があるのだろうか

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