« CD1000枚収容棚を設置 | トップページ | 2007年10月19日 東フィルサントリー 定期公演 プレトニョフ疾風怒濤の4番! »

2007年10月14日 東フィルオーチャード定期公演

今日は、2回欠席していた、東フィルオーチャード定期に行ってきた。

ミハイル・プレトニョフ指揮、アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)

・チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」より

・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

・カバレフスキー:歌劇「コラ・ブルニョン」序曲より

・ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「ボルト」より

・シチェドリン:管弦楽のための協奏曲「お茶目なチャストゥシカ」

ところで、寿司ネタではウニが苦手だ。野菜ではトマトが全くダメである。30代の頃までは、ときどき人にこんなことを言われた。

「それは本当に美味しいウニ(トマト)を食べたことがないからですよ」

それは、ウニの場合は、半分真実だった。高級なウニは、ある程度美味しいと思えるようになった。いっぽう、トマトは未だにダメなままだ。ピザやパスタに溶けてのっている分にはいいが、生は全く受け付けない

何の話しかと言うと、ベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」である。昔から、この曲には、ほとほと退屈させられる。もちろん個人的な趣味の問題なのだが、なんとも言えない、まったりとしたゆるい華麗な感じが、ダメなのだ。

ベートーヴェンの作品、もちろん交響曲にもピアノソナタにも通底している剛性感と論理性・緻密性をベースとした上での迫力とロマンが、皇帝を初めとするピアノ協奏曲には感じられない。不思議だ。

そんななか今日は、その個性では右に出るものがないロシアのプレトニョフの指揮、その一回り下の世代のロシアのピアニストのメルニコフ、という組み合わせに期待する。

出だしのピアノの高音域、思い入れたっぷりにうたわれるとうんざりするこのフレーズを、簡潔にさっぱりとスピーディーに通り抜ける。お、これはいいかも、と思う。その後も、今まで難儀だったパッセージが、斬新なまとめ方をされていく。

しかし、やはりウニはウニだ。トマトほどではなかったが、やはり曲自体がダメだと、画期的な演奏をもってしても、それが全く新たな魅力をもって輝くことはなかった

(繰り返しますが、これはあくまで自分の趣味の問題です。この曲が名曲であることや、今日の演奏が素晴らしかったことを否定している訳では全くありませんので。

さて今日のプログラムは、皇帝以外、いずれもロシアの耳になじみのない作品。最初の曲、「眠りの森の美女」にしても、作曲者が選んだ通常の組曲とは違う、プレトニョフによる選曲のものだ

チャイコフスキーの交響曲第5番2楽章、主旋律のあとにまずオーボエで登場する副次旋律にそっくりなフレーズが出てきたのが、印象に残った。弦がいつもよりも、きらきらとシャープで、きれいな音がしていた。

皇帝をはさんで、後半の3曲は、カバレフスキー、ショスタコーヴィチ、シチェドリン。20世紀ロシアの音楽の共通項を確認するようだった。特徴的にオーケストラにからむ打楽器、大編成による圧倒的な音圧、どこか全体主義的な匂いとささやかな抵抗。。

後半にこんなマイナーな曲を紹介するプログラムなのにもかかわらず、客席は7~8割とまずまずの入り。東京の民度もまだまだ捨てたものではないなと思いました。

|

« CD1000枚収容棚を設置 | トップページ | 2007年10月19日 東フィルサントリー 定期公演 プレトニョフ疾風怒濤の4番! »

「音楽」カテゴリの記事

コメント

美味しくなくて食べられないものなら仕方がないけど
それほどでもなければ、挑戦し続けるのは悪くないと思います。
ぼく自身、そんな感じで(挑戦というほどでもありませんが)
食べていたら好きになったものがいくつかありました。
また好きになれなくても、様々なもの食するというのは
身体にはプラスなことが多いのでは。
トマトなどは、その典型かも知れません。
でも、無理に生で食べる必要はないと思います。
ぼく自身は可もなく不可もなくみたいに食べていますが
本当に美味しいのにめぐり合えることがあるのも事実です。

投稿: alcoa01 | 2007年10月15日 (月) 00時07分

記事からの文脈上、すべて音楽の比喩の話として解釈させていただきました。

自分も、かなり広いジャンルを受容してきましたが、まだまだ知らないものがたくさんあると思います。これからも世界中の素晴らしい音楽に出会えるよう、雑食を続けていきたいと思っています。

投稿: paienne | 2007年10月15日 (月) 20時21分

プレトニョフのような人は、しばらくピアノを弾かなくても、いつでも弾けてしまいそうな感じですね(笑)。またプログラム構成も、彼がやりそうなこった…と思いましたけれども!
ところで、ドイツに居た時、演奏会のプログラムによく取り上げられていた協奏曲は、何とベートーヴェンの4番なのです。5番ではなくて。私自身、卒業試験で弾いたのは4番なのです(ヴァイオリン協奏曲も、トリプル協奏曲も、この手の雰囲気があるような…)。
私はプレイヤーとして(三流ですが)、ベートーヴェンが病んでいったあたり以降の曲には、ずっと携わっていきたいと思います。これも十分「偏食傾向」ですね(笑)。

投稿: まゆゆ | 2007年10月15日 (月) 22時14分

まったく、指揮と作曲をやるからピアノはしばらく封印と来たもんだ、ですからね(笑)。
ドイツでは4番なんですか。日本ではやり過ぎなほど5番ですね。
4番は一時期わりと好きだったのですが、昨今はダメグループ落ちしています^^; 確かに他の協奏曲も似ているかも。。
ピアノソナタは、どれも深くて聴くたびに新たな発見があったりするのですけれどもね~。

投稿: paienne | 2007年10月15日 (月) 22時53分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/96638/8416103

この記事へのトラックバック一覧です: 2007年10月14日 東フィルオーチャード定期公演:

« CD1000枚収容棚を設置 | トップページ | 2007年10月19日 東フィルサントリー 定期公演 プレトニョフ疾風怒濤の4番! »