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07年5月21日 ウラディーミル・フェルツマン ピアノ・リサイタル 紀尾井ホール

22日は、業界関係の友人にお誘い頂き、ここのところオーケストラばかりの自分としてはめずらしく、ピアノ・リサイタルに行ってきた。

・ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」、第31番

・ムソルグスキー「展覧会の絵」

紀尾井ホールは初めて、ピアノソロの演奏会は6年ぶり、「展覧会の絵」をピアノで聴くのは、たぶん1976年11月27日13:30東京文化会館における、アレクシス・ワイセンベルク以来。なんと31年ぶりだ

非常にいい演奏だった。個性的な演奏、とはこういうものを言うのだと思った。作曲家や作品の尊厳を損なうことなく、だが作品はあくまでも素材。そこにあるのは、あくまでフェルツマンの表現だ。

基本的にがっしりとした、漆黒をイメージさせる骨太な音ながらも、随所随所にやわらかく繊細なタッチも混じえる。大男がときどきささやいているよう、と比喩してみる。

どの曲もよかったのだが、曲順も影響して、「展覧会の絵」が最も印象に残っている

ステージに登場し椅子に座るか座らないかのうちに、冒頭2小節の単音を、かなり強くラフにペダルを全開にして弾き始める。と思うと、3小節目の和音からは、ぐっと音を抑えてていねいにテヌートなタッチ。

こんな独特なダイナミクスで始まった「プロムナード」に、いきなり魅了される。

その後も、展覧会の絵画を見ながら散歩している、というよりも、自らがその絵を描いて歩いているように、主体的な彩りの豊かさがあふれてくる

「テュイルリー」も、自分の今まで持っていたイメージを大きく覆した。こんなに美しく繊細に弾かれたら、まるで違う曲を聴いているみたいだ。

そして圧巻は、「バーバヤーガ」から「キエフの大門」。手元の楽譜では、ここはアタッカでff からになって移行するのだが、印象としては、fff からで入ったような感じ。

これは、「キエフの大門」トータルでテンションを高めてゆく効果に大きく寄与させるためだったことが、最後になってからわかった。 

いい演奏は、翌日まで余韻が残る。今日一日、フェルツマンの音の記憶に包まれていた

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