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「柔らかな頬」(桐野夏生著)

Photo_30 先週、数年ぶりに「柔らかな頬」を読んだ。これが2度目。昨今、同じ本、とくに小説を2回読む、ということがあまりない。それだけ、この作品のインパクトが強かった、ということなのだと思う。

灰色をした故郷を「脱出」した主人公のカスミは、東京で安定した日々を送ることになる。しかし、その状況が「緩慢なる死」のようにカスミを苛み始め、そこからも「脱出」を計る。

しかし、その行為がもたらしたものは、幼い娘の失踪という事態。それ以来カスミは、生きていくこと自体が絶望を極めていく、という人生を送ることになってしまう。

それにしても、ラスト3分の1に入ってからの、たたみかけるような白日夢の連続は圧巻だ真相の仮説が現われては消えてゆく。読んでいるこちらの気持ちも、高波にまみれる船のように揺さぶられ続ける。

やはり「柔らかな頬」は、「OUT」「グロテスク」「光源」とともに、桐野夏生最上級のエンタテイメント作品であることを、再確認させられた。

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