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【ブログ開設1年】リパッティのシューマンとウルトラセブン最終回 (3)

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(この記事は、同タイトルリパッティのシューマンとウルトラセブン最終回 (1)からの続きです)

セブン最終回に使用された、シューマンのピアノ協奏曲の音源にたどり着くまで、あと一歩だ。しかしその壁は高かった。中学生の身で、同じ曲のレコードを片っ端から買うわけにはいかない。中学生に大人買いは無理だ。買う前に音さえ聴くことができれば、と心底思った。

そんななか、しばらくして2枚目を買った

クーベリック指揮、バイエルン放送交響楽団、ピアノはケンプだったと思う。

どういう理由でこれを選んだのかは、覚えていない。しかし、これも違った。ルービンシュタイン盤ほどの違いはなかったが、本質的に演奏の質が違うように思った

そうこうしているとき、あることに気付いた。セブン最終回の放映は、1968年。音源は、少なくともこれよりあとの録音ということはありえない。当時、クラシックのレコードには、録音データが書いていないものも多かったが、明らかに1968年以前のものを買えば、「当たり」に近づくはずだ、と。

そして3枚目を買った

アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団、ピアノはディヌ・リパッティ

レコードの帯には「死を予感したリパッティ、鬼気迫る演奏」といった内容のキャッチがあった。これに違いない! 録音も十分に古いし、「鬼気迫る演奏」というのがぴったりだ

しかし、この演奏は、かなり近いところまで来た気がしたものの、それでもあの最終回に使われたものではなかった

さすがにため息が出た。いったいあと何枚買えばいいんだろう。。これ以上買い続けて、あの演奏にたどり着くのだろうか。。と

そして、途方にくれていた中学3年のある日。友人にこの話をしたところ、「うちに来て、兄貴のレコードを聴いてみればいい」という予想外の展開になった。彼は、自身でもクラシックを聴くが、7歳年上のお兄さんが、かなりのコレクションを持っているのだった

Photo_10

そして、1975年の秋、新大久保に程近い友人宅。当時大学4年生だったお兄さんは、にこにこしながら、青いジャケットのレコードを持ってきてくれた

シューマンのピアノ協奏曲と言えば、やっぱりこれだよ

お兄さんは、レコードをターンテーブルに乗せ、針を落とした

「ジャン!ダダーンダダンダダンダダンダダンダダンダダンダダンダダン、ダン、ダン!」

これだ! まさにこれだ! 1968年の初回放映から7年、ついにめぐり合えたのだ
 
カラヤン指揮、フィルハーモニア管弦楽団、ピアノは、ディヌ・リパッティ

なんと、3枚目で買った同じリパッティの別の演奏だった。どおりで、いちばん似ているはずだ。僕の感動ぶりを見て、お兄さんも友人も満足げだった。このときの光景は、今でも鮮明に脳裏に焼きついている。

この7年で、すっかり感覚で理解した。クラシック音楽は、同じ曲でも演奏によって違う表情になる。そして、同じ演奏者でも同じ演奏は二度とない

それから、30年以上が経った。さまざまな演奏会やCD、レコードでクラシック音楽を聴いてきて、それなりの人生経験を積んだ今でもセブンの最終回は、全く色褪せることはない映像と音楽とドラマが、ジグソーパズルがぴったりと完成するがごとく、見事に一体化している。それは驚くばかりだ。

そして数多あるシューマンの演奏の中でも、セブンの最終回にはこの録音しかない。

美しくも哀しく、運命に抗うかのように切迫した推進力を持って、先へ先へと進もうとするこのリパッティの演奏でなくては、あの迫真の場面を彩ることはできないのだろう。

→ウルトラセブン全49話は、当ブログのウルトラセブンカテゴリーでどうぞ!

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【ブログ開設1年】リパッティのシューマンとウルトラセブン最終回 (2)

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Photo_6 『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』
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(この記事は、同タイトルリパッティのシューマンとウルトラセブン最終回 (1)の続きです )

ウルトラセブン最終回の、圧倒的な感動。と同時に気になることができた。あの感動的な音楽は、いったい何なのだろう? 明らかに、それまでの挿入曲とは違う趣きだった

しかし、1968年の小学2年生には、それを調べる方法はなかった。なにしろ、インターネットもない、録画機器もない、セルソフトもない。かろうじて自宅にあったのは、オープンリールのテープレコーダーだけ。そんな時代である。しかも自分は、子どもだ。

「セブンの最終回に流れていたあの曲って何?」と誰かに「あの曲」を説明する手段は皆無だった。当時、番組は、一度流れたら、それでおしまい、一期一会なものだった

それから数年。たぶん1972年、小学6年生のときだったと思う。夜、親が観ていたテレビで、あの曲が演奏されていたのだ! オーケストラを、左上から俯瞰で写していたのを鮮明に覚えている

「これ、何て曲?」 

「シューマンのピアノ協奏曲よ」

母親がそう答えた。

そうか、そうだったのか。「ピアノ協奏曲」は正確には説明できないが、シューマンはピアノで「子供の情景」を弾いたこともある。とにかく、このレコードを買えば、あの感動の曲が手に入るのだ

かなり興奮した僕は、親に頼み込み、新宿のデパート(記憶では、京王デパートに入っていた十字屋)でシューマンのピアノ協奏曲を買ってもらった。当時のお小遣いは月\500ぐらいだっただろうか。LPレコードを買うには、親の助けが必要だった。

そしてようやく手に入れたシューマンのピアノ協奏曲。ステレオに盤を乗せ、針を下ろす時間ももどかしく、レコードをかけた

だが、膨らみ切った期待は、瞬く間に失望へと変わる。違う。。同じ曲なのに違う。あれじゃない。似ても似つかない

セブン最終回のシューマンの冒頭を文字にすると、

「ジャン!ダダーンダダンダダンダダンダダンダダンダダンダダンダダン、ダン、ダン!」

という嵐のような勢いなのだ。しかしこのレコードでは、

「シュワン。。ポロン。。。ポロン、ポロン、ポロン、ポロン・・・」

と、なんだか枯山水を見ているような感じだ。その後、仕方なく数十回は聴いたが、まったくこの演奏に慣れることはなかった。それほど最終回のインパクトが強烈だったのだ。(たぶんここまで、再放送で何度か聴いていたと思う)。

絶望的な気分になった。せっかく親に高いお金を出してもらって最終回の音楽を手に入れたのに、それは、同じ曲なのに違う音楽だったのだ。せっかく、ここまでたどり着いたのに。。

しかし後々から考えると、このとき自分はクラシック音楽の本質を知ったのだ

「クラシック音楽は、同じ曲でも演奏によって全く違う表情となる」

ちなみにこのレコードは、

ジュリーニ指揮、シカゴ響、ピアノはルービンシュタイン(1967年録音、RCA)

今となっては、巨匠のお二人には大変申し訳ない気分ですが^^;

リパッティのシューマンとウルトラセブン最終回 (3)に続きますのでぜひ!

ウルトラセブン最終回の記事はこちらへ!

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【ブログ開設1年】リパッティのシューマンとウルトラセブン最終回 (1)

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早いもので、このGWでブログを始めて1年になる。約250の記事を書いて、約20,000PVを頂いた。

そして、本ブログの中心となっているのが、クラシック音楽とウルトラセブンのネタだ。この2つ、実は自分の中でルーツは1つなのだ。ブログ開設1年を記念して、このGWは、その話を書いてみたい。

ウルトラセブンの最終回は、1968年9月8日。僕は、小学2年生、8歳になる少し前だったとにかく衝撃だった。なかでも、かの有名な告白のシーンからラストまでの10分間。

ダンが「僕は、僕はね、人間じゃないんだよ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ!」とアンヌに告げる。その瞬間、映像がポジからネガに反転、二人がシルエットになり、背景に銀の光が煌く

Photo_9そして、同じくその瞬間に、シューマンのピアノ協奏曲の冒頭部分が衝撃的に鳴り響く。演奏は、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、フィルハーモニア管弦楽団、ピアノは、ディヌ・リパッティだ。(録音は1948年10月、レーベルはEMI)。

そして、それからラストまで、セブンの最後の戦いと、アンヌや隊員たちとの別れのバックには、このシューマンの第1楽章と、セブンのオリジナル音楽が織り成すように流れる

告白のシーンのあと、アマギが捕らえられているにもかかわらず、ゴース星人の基地へ爆弾を積んで発進されるマグマライザー。41小節から50小節までの、オーケストラの全奏からピアノソロの部分が流れる。ダンはアンヌに別れを告げ、セブンに変身し、アマギ救出に向かう。ここはオリジナルの音楽。

そして、再び現われる改造バンドン。セブン最後の戦い。音楽も再びシューマンが流れる。384小節のトゥッティからだ。ピアノのアルペッジョから402小節のカデンツァの部分が始まるとともに、アンヌは隊員たちに、ダンはセブンだったということを告げる。セブンは悲壮な戦いの末、バンドンに勝利し、その直後に、1楽章は嵐のようなフィナーレを迎える

そして、セブンは地球を去る

息もつかせぬ、セブン全編の集大成的なシーンだ。感動で身体が痺れた。自分にとってウルトラセブンは永遠となった

そしてこの日は自分にとって、クラシック音楽の扉が開かれた日ともなったのだった

リパッティのシューマンとウルトラセブン最終回 (2)に続きますのでぜひ!

ウルトラセブン最終回の記事はこちらへ!

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成城散歩の新商品?

20070427_001_1 今日は帰りに、成城学園前の「成城散歩」で和菓子を買って帰りました。

商品名をちゃんとひかえてこなかったけれど、「抹茶まんじゅう」か「新茶まんじゅう」か。

いつもながらの、大人の甘さを湛えた、大変美味なテイストでした^^

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ウルトラセブン第41話「水中からの挑戦」(テペト星人 テペト)

●問題作、名作に囲まれた脱力感いっぱいの作

しかしテペト。その前は、マゼラン星人マヤ、クレージーゴン、ガッツ星人。そのあとは、ノンマルト、第四惑星。問題作、名作が続くなかで、なんとも脱力した作品が、ぽつんとあるものだ

「河童に目がない、河童を恋人にしたいぐらい」の日本河童クラブの人たちが登場。(なのにこの人たち、河童(テペト星人)に遭遇したら、悲鳴をあげて逃走したが。。とみんなの突っ込みどころ1)。

Photo_37 クラブ員たちは、河童が出たという伊集湖にキャンプを張り、河童を見つけようとする。その描写が延々と続き、冒頭から、ローカル感、マイナー感がただよう

すでにその頃、ウルトラ警備隊は、伊集湖に落下した未確認飛行物体の調査を開始していた。河童の噂は、実は宇宙人、テペト星人だったのだ。

湖のロケは、津久井湖、一碧湖だそうだ。ダンが水中に引きずり込まれる。すると、白い煙が発生し、いつの間にか(実は最終回のたなびく髪のシルエットのシーンに向けて)ロングな髪になっているアンヌは咳き込み、フルハシに連絡。「助けてぇ~」と悲鳴をあげて、ボート上で気を失って倒れる

その後は、とくにコメントするまでもない展開。湖からホークに向けて発砲、銃撃戦。水上で卵状のものが割れて現われたテペト。水中でダンはセブンに変身。戦闘シーンは、セブン中盤からよくある、プロレスモードが入ったもの。

セブンがテペトを倒すが、まだボートで気を失っているアンヌに、水中から不気味な手が伸びる。が、それはダンだったらしく、その後二人は、ボートでデート。ダンは、ポロシャツになっている。ちゃんと本部に連絡しろよ~と、みんなの突っ込みどころ2

ラスト、河童クラブの3人は帰りの車で、「やっぱり河童はいない」「いや、俺たちの見たのは宇宙人で、河童はいるんだ」と議論。仲間の1人、竹村さんが殺されたのに、それでいいのか、と、みんなの突っ込みどころ3

まあこの作品、子ども向けとしては、河童をモチーフにしてどきどきさせる、ちょうどいい「頃合い」の作品なのだろう。(というか、あまりにセブン深すぎだったので、キャラを公募した企画作だったとか)

一般的にはこれぐらいが普通なのに、セブン全体が深すぎるのと、さらに前後の作品が際立っているので、ちょっと浮いてしまっている^^;

(写真:「怪獣wiki特撮大百科事典」より)

→他の作品は、当ブログのウルトラセブンカテゴリーでどうぞ!

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07年4月22日 東フィル オーチャード定期公演

22日は、東フィルのオーチャード定期、今期第1回めに行ってきた。

佐渡裕指揮 ショスタコーヴィチ交響曲第5番ほか

4月から8月までサントリーホールが改装工事に入り、定期公演も9月からになるので、その間を埋めるべく、オーチャード定期会員に申し込んでみた。

時間は日曜の15時から。休日の昼間の渋谷をBunkamuraまで歩いて到着。しかし平日に行くサントリーホールとは全く違う雰囲気と気分だ。

正直、オーチャードでオーケストラを聴くのには、音質的にかなり抵抗がある。今まで何回か聴いたことがあるが、ここはやはりクラシック専用ホールではないことを痛感していた

なので今回は、同行の友人が、音響についての書き込みのあるネットの情報を調べ、オーチャードのなかでは比較的音がいいと判断した3階のサイド席をチョイスした

そのL4ブロック席。確かに、3階とはいえ、ステージまでの距離で言うと1階のセンターあたり。また2階のサイドは3階席がかぶっている状態だが、3階の上は比較的オープンで開放感がある。意外にいいポジショニングだった

音は、1階で聴くよりはしっかりとまとまって聴こえる感じがした。しかしやはり、サントリー、みなとみらい、ミューザ川崎、芸術劇場、オペラシティといったホールに比べると、一般ホールの音であることは否めない。

この5つのホールは、どこもそれぞれの特長を持つ個性的なクラシカルな響きがある。しかしオーチャードは、ホール全体と溶け合った音楽的な音」になっていないのだ

さて、演奏のほうだが、今日はショスタコーヴィチの革命ほか、ガーシュイン、バーンスタイン。どれもアメリカ、ロシアの20世紀の作品で、クラシックの演奏会に来た気が、少々しなかった。バーンスタインは、ジャズのビッグバンドのライヴのように、足でリズムを取りたくなったり^^;

革命は、2楽章、ゆっくりめのテンポで、それぞれの楽器が大らかに歌うように演奏していたのが印象的だった。でも、この曲は、正直もういいかな。。と。

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ウルトラセブン第39,40話「セブン暗殺計画 前編・後編」(ガッツ星人 アロン)

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Photo_4 『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』
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●前編では一分の隙もないガッツ星人。後編の戦略の無さをどう解釈する?

Photo_36セブンには、前編・後編にわたる作品が3作あるが、その2作目。「ウルトラ警備隊西へ」以来、24作ぶりだ。

「セブン暗殺計画」。期待と不安が錯綜するタイトルだ。が、この作品、初めて見たとき以来ずっと、違和感がある。

■ストーリー(と違和感)

前編はガッツ星人の独壇場だ。圧倒的な強さ。さすが、「いかなる戦いにも負けたことのない、無敵のガッツ星人」(本人談・自分で言うか)だ。先兵として怪獣アロンを送りセブンと戦わせ、その能力を分析している。用意周到だ。

科学的な分析に基づいているから、死角が全くない。そして一分の隙もなく、セブンを倒す。ここまで強い敵に戦略的に動かれたらどうしようもない。絶望的な気分に苛まれていると、とどめを刺すように、十字架に磔にされ、前編が終わる。

ところが後編は、「あんなに強かったガッツ星人が、なぜ?」と思わせるほど、戦略的な「次の一手」がない。ナツコの持つ鉱石を奪おうとして間違ってイミテーションをつかまされたり、しつこくナツコの車を追い掛けたり、「攻め」の姿勢がない。

そして最後は、復活したセブンの攻撃を受け、ただ円盤のなかでうごめくだけであっさり敗れる。もう一度直接戦っても、状況は前編と同じで、セブンに勝ち目はなかったはずなのに。

■不可思議なガッツ星人の行動の真相は?

この謎を解くカギは、タイトルにあるとして仮説を立ててみた。

「セブン暗殺計画」。ガッツ星人は、セブンを暗殺しようと考えた。だから、最初に暗い夜の街を狙ってセブンをおびき出し、その後計画どおりセブンを倒した。ところが、セブンのエネルギーを尽きさせたものの、何かの計算違いで、「完全に殺す」ことはできなかった。

そこで時間稼ぎのため、「暗殺」を「公開処刑」に変更し、さらに地球人には幻を見せ、本体は別の場所に隠した。そのあと、急遽どうやったら「完全に殺せるか」を考えていた。しかし、なかなか完全に殺す方法がわからない。データ主義の戦略にありがちな弱みだ。

そうこうしているうちに、防衛軍にセブンを復活させる動きが始まった。当面はこれを阻止するしかない。だが、セブンは復活し、攻撃を受ける。前編のように、倒すだけならできるのに、あせって指揮命令系統がくずれ、あっさりやられてしまった。

このように考えると辻褄があって、自然な流れとなるのではないだろうか。

■注目のシーン

●前編のラストは、映画『猿の惑星』を彷彿させる。映画の主人公がラストシーンで崩壊した自由の女神を見つけるがごとく、荒地を行く隊員たちはやがて十字架に磔となったセブンを発見する。見ている側に与える絶望的な衝撃も、そっくりだ。

ダンと二人でガッツ星人と対峙するアンヌ。「ダメっ。。ダメダメ、しっかりしなくっちゃ」と自分を励ます。ダンに、「君は逃げろ」と言われると、「ダメダメ、絶対にダメよ!絶対逃げないわ!」と。さらに、「ダメダメ、あたしだって、たいした腕前なのよ!見くびらないでよ!」と気丈なところを見せる。が、最後は素直に、「はい」、とダンに従う。8回の「ダメ」がとっても^^ いつも宇宙人に遭遇すると、「きゃーっ」と悲鳴をあげていたアンヌ、今回は健気に頑張っているのが、かわぃぃ^^

ガッツ星人に言われたとおり、全く「相手にならない」ウインダム。かわいそうに、爆発、炎上してしまう。その後ウインダムは、平成ウルトラセブン1999年最終章6部作第3話「果実が熟す日」に出ているそうなので、生きていたともとれる。しかし、ダンはウインダムをカプセルに戻していないし、やはりここで一度死んでしまったのだろう。。なんだかとっても可哀そうです。。

「シーン」ではないけれど、ガッツ星人の声は、今なら「ヤミ金融の人ですか?」という突っ込みが入りそう^^;

けっこう不気味なシーンは多い。最初にダンが通報現場に向かったときに、無人の車のハンドルがまわって動き出すシーンとか。ナツコが車を降りてビルに戻り歩いていると、ガッツ星人の影だけが現われてつきまとわれ、最後はガッツが部屋の中に現われるシーンとか。ナツコさんの悲鳴がすごい。

●前編の、セブンとガッツ星人との戦いは秀逸。キングジョーに歯が立たないのは体力的にだったが、ガッツ星人に対しては、戦略で歯が立たず無力感が漂う。空をいっぱいに使い、岩場を下方から捕らえたアングルは、なかなかみごと。音楽も、無機質で前衛的な現代音楽ふうだし。この音楽は、先のナツコがつきまとわれるシーンでも流れる。

後編で初めてちゃんと話すナツコさん。ものすごい上品な日本語だ。相当なお嬢様らしいが、よく親にラリーでアフリカなどに行かせてもらえたものだ

セブンが隠されていた場所は、いずみがおか。防衛軍のディスプレイ上では、港区のど真ん中60年代とはいえ、あんなところが東京のど真ん中にあるのかい!

(写真:「怪獣wiki特撮大百科事典」より)

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月9「プロポーズ大作戦」スタート

今日から、月9の「プロポーズ大作戦」がスタートした。たんに長澤まさみが見たかったのだが、なかなか考えさせられるテーマだった。

主人公の健(山下智久)は、幼なじみの礼(長澤まさみ)がずっと好きだったのに、それを言い出せず、とうとう礼の結婚式の日を迎えてしまう。ところが、妖精を名乗る男(三上博史)が現われ、健を過去に戻してくれるのだ

人生のある瞬間に違う選択をしていたら、もっと望む人生を歩めたのだろうか? そんな不可能で不毛なテーマに、思いを馳せたことがある人は多いだろう。だから、こんなモチーフのドラマが成立するのだ。そんなことは一度も思ったこともない、という人は、成功者か、ポジティブ志向の崇拝者に違いない

自分は、本当に大きなことで、二者択一をしたことがある。もしあのとき、もう一つのほうを選んでいたら、果たしてその後どうなっていたのだろうか、と、知らず知らずのうちに考えてしまっていることも多い。それは、平常の自分だったら選ばないほうの選択肢を選んでしまったからだ

まあ、それはいいとして、高校時代の長澤まさみのかわいいこと。永遠にセーラー服が似合うような気がしてしまいます^^;

それから、三上博史、なんだか歳とったな~。同世代だけに、身につまされる。4大トレンディドラマの1つ、「世界で一番君が好き!」(1990年1月~3月)からもう17年だもんな~。。

ラストは、桑田佳祐本人がギター片手に主題歌を歌う。昔、よく取材でお会いしていた頃と、ほんと、ちっとも変わらない。これから夏に向かって、なかなかいいタイミングですね~。

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ウルトラセブン第38話「勇気ある戦い」(バンダ星人 クレージーゴン)

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●捨て身のセブンとアンヌのヤキモチ目線が見どころ

Photo_34初回放映時、この作品はあまり好きになれなかった覚えがある。それは、キングジョーの造形美と圧倒的な強さに惚れ惚れとしていたので、なんだかその二番煎じのような印象を持ったからだ

しかも、クレージーゴンは、頭でっかちで、足はひょろひょろと情けなく、腕も不必要に長く先がカニみたいで一言で言って「ブサイク」。今でこそ、それもまた味わいがあると思えるが、当時は拒絶する気持ちが強かったように思う。

「箱根山中に、原因不明の濃霧が発生。徐行運転中の自動車30台が消滅するという事件が起こった」(ナレーション)ところから、話は始まる。バンダ星人は自分たちの物資を使い果たし、クレージーゴンを使ってよその星に強盗(ダンの表現)に来ているのだ。

いっぽう、アンヌの友人ユキコの弟オサムは、心臓欠損症の手術を控えている。オサムは、ダンが来なければ手術をしない、とワガママを言っている。病室で「心臓の手術で死亡」という昭和43年5月16日(木曜)付の新聞記事を読んで「死ぬかも知れない」と悩む。そんな新聞置いとくなよと、誰もが突っ込みたくなるシーンだ。

ダンはオサムの願いを聞いて、病室に行ったのに、さらに手術にも立ち会う約束までする。オサム、一度来てもらったのだから、それで十分だろう。ダンも大人なのだから、そこまで面倒見ることはない。仕事はどうするんだ。その後もオサムのワガママ三昧は続き、ダンが業務と板ばさみになって、話はパラレルで進行する。

しかし、クレージーゴンも、キングジョーと同様、強い。セブンがロボットに弱い、というよりも、この2つのロボットが強すぎなのだろう。新型のスペリウム爆弾で、バンダ星人の宇宙ステーションは爆破したが、クレージーゴンはびくともしない。セブンも全く歯が立たない

最後、セブンは、縮小化してフルハシの武器の先端にもぐりこみ、自ら弾丸となって体当りでクレージーゴンを破壊する太平洋戦争末期の特攻隊のような悲愴な戦いだ。ここは、明らかに世田谷の砧公園だ。今もこのシーンの雰囲気を残している場所がある。

今回アンヌは、オサムの手術を引き受けたユグレン博士を空港に迎えに行ってから、ずっと私服でユキコさんと行動をともにする。空港からアンヌはモスグリーン、ユキコさんはオレンジの服。二人ともなかなかすてき^^ ユキコさんは、超丸顔で目に陰がある美人。全くウルトラシリーズは、美人だらけだ。

アンヌは高速道路でクレージーゴンに遭遇し、勇ましくも車を降りて発砲する。が、その後はクレージーゴンの長い手に車ごと捕まれて「ダ~ン、助けてぇ!」と叫ぶなど、またまた普通の女の子っぽい。

また、ラストのアンヌはかなりの見どころだ。ユキコさんとダンがいい感じになっているのを、前方から振り返って、にらむ目が怖い^^; タンポポをふっと吹き飛ばして、フンっという顔をして走り出す。ここまでアンヌのヤキモチを前面に描いたのは、これが初めてかもです

(写真:「怪獣wiki特撮大百科事典」より)

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夏のような気候。。絶好のテニス日和

暖かい2月のあとは、ずっと寒い日が続いていた今年の異常気象。今日は、雨の予報から一転して晴れ、春を通り越して、初夏のような気候になった。

ういう気候のもとでのテニスは最高。身体のキレもよく、サーブも好調で、4戦4勝。アフターのビールも格別でした。

ようやく、また自分の好きな季節がやってきた。これから年のON TIMEをどう過ごそうかな。。という感じです^^

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屋形船から見るお台場DECKS

今日、宴会で、屋形船に2時間半ほど乗りました。初の体験です。

浅草橋からスタートして隅田川を下り、小一時間ほどでお台場へ。ここでしばらく停車(船)してから、川を上り浅草橋に戻る。この間、約2時間半。実は、これで長年の謎がとけたのです^^;

お台場DECKSの4~6階、レインボーブリッジを臨めるレストランで食事などしてると、しだいに屋形船がたくさん集まってくる。そして、気がつくといつの間にかいなくなっている。

あれはいったいどこから来てどこへ行ってるんだろう、とずっと思っていました。あのあたりを適当に止まりながら回遊して、中でずっと飲んでるのかな、と。でも実は、こんな長距離を走破(航海?)している途中だったのですね。

しかし、DECKSから見ているときは屋形船って楽しそうといつも思っていたけれど、初めて屋形船からDECKSを見たら、DECKSにいるほうが楽しそうと思うのは、なぜなんでしょうね。隣りの芝生は青いんですね、やっぱり。

それにしても、その場で揚げる天麩羅は、(o^∇^o)ノ美味しかった^^

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「ハチミツとクローバー」ようやく読了

Photo_35いまさらですが、「ハチミツとクローバー」全10巻、今日読み終えました。

去年、1、2巻を買って読んだのですが、なんとなく、そのままになってしまっていた。

で、先々週ぐらいに、書店に立ち寄ったときに目にとまり。。3巻を買ってランチのあとに読んでからは、1冊ずつ買っては昼と帰りの電車で読んでいました

ここのところマンガを読むときは、一気に全巻を夜中までかかって読み終えるパターンがほとんどだったので、こんなのんびりとしたペースは、珍しい

本作には、大学生から卒業して社会人数年の時代に誰しもが味わう、苦しみや喜びが描かれている。感想を一言で言うと、なんだか懐かしかった。こんな頃、同じような情景があって、そんな思いをしたな。。と。

前半では、森田→はぐ←竹本が中心に展開すると思いきや、中盤からは脇役かと思っていたあゆ→真山→リカが大きくクローズアップされてくる。とくに、あゆの切々とした心情の描き方は、突き抜けた感じがする

後半、9巻からラストまでは、確かな読み応えがあった。マンガの人気作にありがちな、連載期間を伸ばすために冗長化するところが全くない、見事なクライマックス別れと旅立ちを鮮やかに描き切った、ラストシーンだった。

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2007年4月11日に。

今日、長年の友人に子どもが産まれた。女の子だ。

いわゆる「悪い男」には必ず女の子が産まれて、娘が年頃になると我が身を振り返り、不安でたまらなくなると言う。

彼がそれに該当するかどうかは置いておいて、娘のさまざまな成長過程で心配する姿が、今から目に浮かぶ。なんだか、自分のことのように嬉しい。

★★午後、企画のプレゼンを行なった。結果はまずまずで、先に進めることになった。久々に、心が躍るような仕事ができるかも知れない

★★★15:30過ぎに、スタバで遅いランチをした。珈琲も飲み終えて、店を出ようと腰を浮かした瞬間に、「imagine」が流れてきた

全く無意識のうちに、そのまま身体が固まった。生半可では聴けないこの曲が、今日のこんなタイミングでかかるなんて。まさに、以前書いた<「突然やってくる」音楽の感動>http://paienne.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/cocco_6257.htmlだ。

いろいろ、まだまだ、かな^^

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ウルトラセブン第37話「盗まれたウルトラアイ」(マゼラン星人 マヤ)

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●最終回を除いて最も好きな作品。60年代の空気感もいい

「盗まれたウルトラアイ」。オリジナルタイトル「他人の星」。最終回を除くと、初回放映時からずっといちばん好きな作品でした。

■ストーリー

「ウルトラアイを盗む」任務を遂行する、マゼラン星のマヤ。(風貌は、17、18歳ぐらいの日本人の女の子)。しかし祖国(星)は、迎えを要請するマヤを裏切り、地球に向け恒星間弾道弾を発射する。テレパシーでの会話で、必死に「この星で生きよう。この星で一緒に」と説得するダン。しかしマヤは絶望し、ダンにウルトラアイを返したのち、自殺する。

Photo_32 彼女のブローチを見つけ、「なぜ他の星ででも生きようとしなかったんだ。僕だって同じ宇宙人じゃないか」と悲嘆にくれるダン。ダンは、渋谷道玄坂から世田谷区大蔵四丁目の世田谷運動場まで歩いたのち、感情を押し殺し任務に戻る。。

■この衝撃の余波

1960年生まれの僕は、7歳でこの作品を見て、大きな衝撃を受けました。自分の星に裏切られ、自殺するマヤ。彼女に恋心すら抱いているのかと思わせるほど、一緒に生きようという想いを伝えるが、叶わないダン。この衝撃をいろんな人に触れ回っていた記憶があります。

「ウルトラセブンは深い!」「ウルトラセブンは、ただの子どもだましじゃない!」。。怪獣も宇宙人も登場しない、宇宙人の心情だけを描いた回すらあると。。

そして最終回でトドメを刺された僕は、次作の「帰ってきたウルトラマン」が、また「子ども仕様」に戻ったのを見て失望。。その後のウルトラシリーズはじめ、この手のモノは、ほとんど見なくなってしまった。。

小学生の間じゅう、ゲームセンターやスキー学校でジュークボックスを見ると、ついついマヤが自殺したときに押した番号、J-7を押す真似をしていました。

■60年代後半の爛熟した雰囲気

またこの回は、当時の風俗・文化、時代の空気が漂ってくることでも印象的です。

本作放映時の1968年は、「昭和元禄」といわれた年。ミニスカート、サイケ、ゴーゴーなどが流行し、高度成長のピークが、爛熟した時代の気分をかもし出していました。いっぽう、70年安保問題、ベトナム戦争への反戦ムードも高まった、キナ臭い時代でもありましたね。

もちろん、小学2年生の僕は、そんなことを正確に理解できる年齢ではありません。しかし、当時、新宿と池袋を通って電車通学をしていたので、文京区春日通りでの学生と機動隊の激突シーンや、新宿西口に集結していたヘルメットに白マスクの大学生なんかを、目の当たりにしていた。時代が胎動している空気感は、身体で味わっていたのでしょう。

■K地区=渋谷と、過去の時代と場所への憧憬

残念ながら、本作の舞台となるK地区(=渋谷界隈)は、小学校の頃は新宿に比べるとたまにしか行かない街でした。前半に出てくる、今はなき懐かしの東急文化会館、五島プラネタリウムに初めて行くのも、中学時代の初デートを待たねばなりません。。(この回に感動して行った訳ではなかった気がしますが。。)。

「ボーリング場にジャズ喫茶、地下に潜ればアングラ・バー(アンヌ)。隠れ家にはもってこいの地域(キリヤマ)」とは、現実そのままの設定なのでしょう。

自分は、「二度と行けない過去の時代と場所」への憧れが、かなり強い。そのなかでも、あの頃、60年代後半の渋谷や新宿を、「若者」として過ごしてみたかった、という想いは、最も大きいものかも知れません。

■アングラバー?「ノア」

そして、本作の主要な舞台となるのは、そのアングラバーの範疇に入ると思われる、「ノア」。アナログな射撃のゲームが懐かしい。

ここで踊っているマヤは、白いワンピースに白いブーツ、おでこを出したストレートロングの髪に少しだけ卵型の丸顔。デビュー当時のアグネス・チャンに、暗い表情以外は、そっくりです。

二度めにダンがノアに行ったときは、全員がウルトラアイを装着していて、音楽を止めるとともに、全員でダンを襲う。このシーンのシュールさも、また味わい深い。

■最後にいくつか。。

もちろん、いつになく汚い言葉でソガを罵倒するアマギってこんな性格だったっけ、とか、任務をほっぽって勝手な単独行動を行うダンに懲罰はないのか、とか突っ込みどころはいくつかあるが、この際どうでもいいでしょう。

この回で納得いっていないのは、ラストの短調基調の音楽が、急に明るいセブンのテーマになって終わるところだけです。

しかし、mixiのウルトラセブンのコミュで、「ジュークボックスのボタンに、「I」がなかった」というコメントがあり、それは今回、初めて気付きました。祖国の「I」=「愛」がなかったということなのでしょうか。。そしてJ-7とは、Japanでセブンに会えてよかった。。とか??

■↑この謎が解けました

ジュークボックスのキーは、数字の「1」「0」と混同しないように、アルファベットの「I」「O」がなかったようですね。

(写真:「怪獣wiki特撮大百科事典」より)

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07年4月7日 東京交響楽団特別演奏会 ミューザ川崎

7日土曜は、ミューザ川崎に行ってきた。いつもオケに同行している友人が、東響コーラスで出演する。

西本智実指揮 ヴェルディ『レクイエム』

今年に入ってから、新日、東フィル、都響、読響と、すべてサントリーホールの定期公演に7回ほど行っているが、今日は、もろもろ初めてづくし

ミューザ川崎は、昨年アマチュアオケで行って以来2度目なので、ここでプロのオケを聴くのは初めて。東響は今年、初めて。ヴェルディのレクイエムは、CDではときどき聴くが、生は初めて。そして、プロの女性指揮者、というのも初めてだ

まず感じたのは、このホール、サントリー、芸術劇場、オペラシティ、みなとみらい、などのホールと比べて、明るく艶やかな音が拡がる感じがした。もちろん、座席によって聴こえ方は大きく違うが、少なくとも今日の、ステージに近い向かって左の2階席では、そう聴こえた。ここをホームにしている東響との相性もいいのだろう。

ミューザ川崎は、どの席でもステージが近い、というのが1つの売りのようだ。そして勾配が急なので、円形劇場のような趣もある。今日の席は、サントリーだとLBの前のほう、芸術劇場だと2階バルコニーの前のほうにあたるのだが、そこでも会場のまんなかにすっぽりといるような感覚を覚えた

演奏は、ダイナミックで力がみなぎる印象が大きかった。弦、木管はもちろん、これに12本の金管にティンパニ・大太鼓の打楽器が加わり、さらに合唱がこれを包含するように響く。この音のエネルギーは、これまで聴いた演奏のなかでも、最大級のものだ

もちろん、この曲自体がそうなのではあるが、今日の演奏はさらにそれを強調しているかのようだった。席の影響だけではないだろう。

また、木管とからみながら独唱者が切々と美しい旋律を歌う箇所も、静謐さを強調するよりも、訴えかけてくるような迫力を感じた。

マーラーの8番などもそうだが、大編成のオーケストラに合唱まで加わる曲は、CDで聴くのは限界を感じる。音量の大きいところだけが目立って、他の箇所の印象が薄くなるからだ。この曲もそうで、通しで聴きながら、オケが怒涛のように荒れ狂う箇所「以外」も楽しめるのは、生ならではなのだろう。

いくつかアラはあったものの、それによって緊張感が途切れることはなく、90分の大曲が描き切れていたように思う。西本智実、初めて聴くが、なかなかの統率力、推進力だ。

しかし、またかと思うのだが、演奏の余韻をすべてぶち壊すような、最終音が消えるかどうかあたりのブラボーはなんとかならないものか

今日の客層は、ふだんの定期公演とはやや異なっていたので、多少心構えを変えてはいたのだが、これはクラシック音楽を聴く、最低限のマナーだ。たった1人が目立ちたいために、他の数千人の余韻を犠牲にしてはならない。仮に西本智実をタカラジェンヌのように仰いでいたとしても、逆に足を引っ張ることになるのを忘れないでほしい。

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「幻夜」(東野圭吾著)

Photo_31 文庫が発売された「幻夜」を読んだ

この作品は、「白夜行」の続編的な作品だ。主人公の男女の周辺に、連綿と不可解な事件が起きる。そしてそれはすべて、主人公の男女が世の中を生き抜くのに都合のいい結果につながっている。

「白夜行」を読んだときのあの感じを、もう一度味わえると思った。が、正直、中盤あたりからテンションが持続しなくなっていったように思う

気持ちをざらざらとさせられる感じ謎が謎とあいまってどんどんと極まっていく感じ主人公の男女の微妙な距離感覚執拗に追いつめる刑事の凄み、どれをとっても「白夜行」のほうが勝っているように思えた。

それにしても、一般的に考えれば、上々の出来だ。いかに、東野圭吾作品のアベレージが高いか、ということなのだろう。

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「柔らかな頬」(桐野夏生著)

Photo_30 先週、数年ぶりに「柔らかな頬」を読んだ。これが2度目。昨今、同じ本、とくに小説を2回読む、ということがあまりない。それだけ、この作品のインパクトが強かった、ということなのだと思う。

灰色をした故郷を「脱出」した主人公のカスミは、東京で安定した日々を送ることになる。しかし、その状況が「緩慢なる死」のようにカスミを苛み始め、そこからも「脱出」を計る。

しかし、その行為がもたらしたものは、幼い娘の失踪という事態。それ以来カスミは、生きていくこと自体が絶望を極めていく、という人生を送ることになってしまう。

それにしても、ラスト3分の1に入ってからの、たたみかけるような白日夢の連続は圧巻だ真相の仮説が現われては消えてゆく。読んでいるこちらの気持ちも、高波にまみれる船のように揺さぶられ続ける。

やはり「柔らかな頬」は、「OUT」「グロテスク」「光源」とともに、桐野夏生最上級のエンタテイメント作品であることを、再確認させられた。

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誕生日

今日は娘の17歳の誕生日

あれからあっという間に17年も経ってしまった」という思いと、「こんなに時間が経っているのに、まだ一応子どもとして家にいる」という思い。。

全く相反する2つの思いを、同時に感じています。。

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ウルトラセブン第36話「必殺の0.1秒」(ペガ星人)

●このモチーフはウェーバーの歌劇『魔弾の射手』のものか

いきなり、射撃選手権のようなシチュエーション。ソガと参謀本部代表のヒロタが、同点決勝だ。でも会場は、掘っ立て小屋に荒れ地、みたいな殺風景な場所。いったい何の大会だろう。

ソガは肝心なところで足をひねり、ヒロタが優勝する。ソガに嫌味を言うヒロタに、「嫌な感じ」とアンヌ。またまた普通の女の子っぽい。

実はヒロタは、「優勝できるなら友達を裏切っても、魂を悪魔に売ってもいい」と言って、何物かと取引をしていた。そのせいで、獲得した優勝だったようだ。

なんと!これはカール・マリア・フォン・ウェーバーの歌劇『魔弾の射手』のモチーフだろう。このオペラは、ボヘミアの森林保護官の元に、マックスとカスパールという2人の名射手がいたが、カスパールは、すでに悪魔のザミエルに魂を売っていた。。というシチュエーションで始まるのだ。

ソガとヒロタは、来日する人工太陽計画の責任者、リヒター博士の護衛を命じられる。

囮(影武者)のリヒター博士を守るなかで腹を銃で打たれたソガは、メディカルセンターで手当てを終了する。が、手当てが終わっているのに、Yシャツとネクタイのままで、Yシャツの腹の部分は血がついたままだ

いったいどういう手当てなのか。そんな状態なのに、ソガはまた出動する。すごい体力と精神力。だがソガはヒロタに捕らえられ、円盤に運び込まれてヒロタと同様、ペガ星人に操られるハメになる

操られたままポインターを運転するソガ。毎度のごとく、あまりに様子がおかしく、隊員たちに一発で疑われる。そして自らペガ星人に成り代わった発言をしてダンを襲うが、後ろからアマギに打撃をうけてノビる。なんPhoto_29というマヌケな行動。

ポインターは岩肌に激突して(明らかにミニチュアのカーで、サンダーバードのようだ)、ソガは正気に戻る。そして西部劇のようなヒロタとソガの対決。ソガの勝ち

セブンは円盤に乗り込み、「お前の星へ帰れ」と直接ペガ星人に警告。ブラスによるコミカルな曲調で、映画若大将シリーズのエンディングのような音楽とともに、円盤を爆破する。

本作は、宇宙人に操られた同僚を殺さざるを得なかったソガの苦悩を描こうとしたのだろうが、印象に残らない

前にも書いたが、セブンのポール星人(25話)からガッツ星人(39話)のあたりは、名作とイマイチな作品の落差が非常に大きい

(写真:「怪獣wiki特撮大百科事典」より)

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成城で花見

20070401_016_2

早いもので、もう4月。今年は記録的な暖冬で、桜がどれだけ早く咲いてしまうのだろうと思っていた。が、3月がかなり寒かったので、例年より少し早い程度で落ち着いたようだ。

ここ10年ぐらいは、毎年、成城にぶらっと花見に出掛ける

今日は、ぽかぽかしたいい天気だったこともあって、例年にない人出だった。が、残念なことに、昨日の夜が暴風雨だったために、少し満開を過ぎた趣きで、葉桜も目立った。

ここのところ、sound boxさんのブログ「南信州に住むおやじの気ままな綴り」

200641_019http://maakun11.cocolog-nifty.com/maakun11/)で、大自然の素晴らしい桜を堪能している。いっぽうこちらは、写真を撮るのにも電線が写らないようにするのが精一杯な、都会の並木だ。

ちなみに手帳を見ると、昨年も4月1日に花見をしていた(2つめの写真)。

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花見のあと成城「マル・メゾン」でお茶とケーキ

20070401_022_2花見と言っても、成城の通りを歩いて往復するだけで、そのあとは、定番の「マル・メゾン」でお茶とケーキ

一個だけ珈琲そのものを固めた氷が入れてあるアイスコーヒーがなかなか嬉しい。今年も、ホットコーヒーとアイスコーヒーで迷う季節になってきた。

ケーキは、オペラ。神楽坂の「カトリーヌ・ドゥ・メディチ」のオペラと双璧な美味だ。

でも、今日はちょっといかがな接客。。。入っても店の女子が電話しててなかなか誰も出て来ないし、ケーキ(後ろに見えてるほう)をドンとテーブルに置くから、上のフルーツが下に落ちるし。。店員教育の見直しを期待したいです^^;

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