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ウルトラセブン第37話「盗まれたウルトラアイ」(マゼラン星人 マヤ)

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●最終回を除いて最も好きな作品。60年代の空気感もいい

「盗まれたウルトラアイ」。オリジナルタイトル「他人の星」。最終回を除くと、初回放映時からずっといちばん好きな作品でした。

■ストーリー

「ウルトラアイを盗む」任務を遂行する、マゼラン星のマヤ。(風貌は、17、18歳ぐらいの日本人の女の子)。しかし祖国(星)は、迎えを要請するマヤを裏切り、地球に向け恒星間弾道弾を発射する。テレパシーでの会話で、必死に「この星で生きよう。この星で一緒に」と説得するダン。しかしマヤは絶望し、ダンにウルトラアイを返したのち、自殺する。

Photo_32 彼女のブローチを見つけ、「なぜ他の星ででも生きようとしなかったんだ。僕だって同じ宇宙人じゃないか」と悲嘆にくれるダン。ダンは、渋谷道玄坂から世田谷区大蔵四丁目の世田谷運動場まで歩いたのち、感情を押し殺し任務に戻る。。

■この衝撃の余波

1960年生まれの僕は、7歳でこの作品を見て、大きな衝撃を受けました。自分の星に裏切られ、自殺するマヤ。彼女に恋心すら抱いているのかと思わせるほど、一緒に生きようという想いを伝えるが、叶わないダン。この衝撃をいろんな人に触れ回っていた記憶があります。

「ウルトラセブンは深い!」「ウルトラセブンは、ただの子どもだましじゃない!」。。怪獣も宇宙人も登場しない、宇宙人の心情だけを描いた回すらあると。。

そして最終回でトドメを刺された僕は、次作の「帰ってきたウルトラマン」が、また「子ども仕様」に戻ったのを見て失望。。その後のウルトラシリーズはじめ、この手のモノは、ほとんど見なくなってしまった。。

小学生の間じゅう、ゲームセンターやスキー学校でジュークボックスを見ると、ついついマヤが自殺したときに押した番号、J-7を押す真似をしていました。

■60年代後半の爛熟した雰囲気

またこの回は、当時の風俗・文化、時代の空気が漂ってくることでも印象的です。

本作放映時の1968年は、「昭和元禄」といわれた年。ミニスカート、サイケ、ゴーゴーなどが流行し、高度成長のピークが、爛熟した時代の気分をかもし出していました。いっぽう、70年安保問題、ベトナム戦争への反戦ムードも高まった、キナ臭い時代でもありましたね。

もちろん、小学2年生の僕は、そんなことを正確に理解できる年齢ではありません。しかし、当時、新宿と池袋を通って電車通学をしていたので、文京区春日通りでの学生と機動隊の激突シーンや、新宿西口に集結していたヘルメットに白マスクの大学生なんかを、目の当たりにしていた。時代が胎動している空気感は、身体で味わっていたのでしょう。

■K地区=渋谷と、過去の時代と場所への憧憬

残念ながら、本作の舞台となるK地区(=渋谷界隈)は、小学校の頃は新宿に比べるとたまにしか行かない街でした。前半に出てくる、今はなき懐かしの東急文化会館、五島プラネタリウムに初めて行くのも、中学時代の初デートを待たねばなりません。。(この回に感動して行った訳ではなかった気がしますが。。)。

「ボーリング場にジャズ喫茶、地下に潜ればアングラ・バー(アンヌ)。隠れ家にはもってこいの地域(キリヤマ)」とは、現実そのままの設定なのでしょう。

自分は、「二度と行けない過去の時代と場所」への憧れが、かなり強い。そのなかでも、あの頃、60年代後半の渋谷や新宿を、「若者」として過ごしてみたかった、という想いは、最も大きいものかも知れません。

■アングラバー?「ノア」

そして、本作の主要な舞台となるのは、そのアングラバーの範疇に入ると思われる、「ノア」。アナログな射撃のゲームが懐かしい。

ここで踊っているマヤは、白いワンピースに白いブーツ、おでこを出したストレートロングの髪に少しだけ卵型の丸顔。デビュー当時のアグネス・チャンに、暗い表情以外は、そっくりです。

二度めにダンがノアに行ったときは、全員がウルトラアイを装着していて、音楽を止めるとともに、全員でダンを襲う。このシーンのシュールさも、また味わい深い。

■最後にいくつか。。

もちろん、いつになく汚い言葉でソガを罵倒するアマギってこんな性格だったっけ、とか、任務をほっぽって勝手な単独行動を行うダンに懲罰はないのか、とか突っ込みどころはいくつかあるが、この際どうでもいいでしょう。

この回で納得いっていないのは、ラストの短調基調の音楽が、急に明るいセブンのテーマになって終わるところだけです。

しかし、mixiのウルトラセブンのコミュで、「ジュークボックスのボタンに、「I」がなかった」というコメントがあり、それは今回、初めて気付きました。祖国の「I」=「愛」がなかったということなのでしょうか。。そしてJ-7とは、Japanでセブンに会えてよかった。。とか??

■↑この謎が解けました

ジュークボックスのキーは、数字の「1」「0」と混同しないように、アルファベットの「I」「O」がなかったようですね。

(写真:「怪獣wiki特撮大百科事典」より)

→他の作品は、当ブログのウルトラセブンカテゴリーでどうぞ!

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「ウルトラセブン」カテゴリの記事

コメント

これは名作ですね。リアルタイムで観た時の事はあまり覚えていませんが、多分宇宙人や怪獣が出て来なかったのでガッカリしていたと思われます。

昔のドラマって、「あれ?こいつこんな性格だったっけ?」と思う様な多重人格者が多かった^^;

セブン以降のウルトラシリーズは仰る通り、殆ど観るに堪えないモノばっかりですけど、唯一「ガイア」はそこそこ良いです。宇宙人が命を賭けてまで守らなくてはいけないのは人類なのか、地球なのかと云う自分の琴線に触れるテーマでしたから結構嵌って観ておりました。赤いウルトラマンと青いウルトラマンの葛藤は見応えがありますよ。

投稿: T.A | 2007年4月 9日 (月) 15時13分

コメントありがとうございます!
実際、小学校時代は何度も再放送されていた記憶があるので、どれが初回放映時の記憶なのかは、だんだんとあいまいになってきています。

投稿: paienne | 2007年4月 9日 (月) 20時39分

この回は、確かに印象に残っています。ただ、印象に残ったのが初見の時だったかどうかは定かではありませんが。
マヤを演じた吉田ゆりは、香野百合子という名前で、薬師丸ひろ子主演の『Wの悲劇』などに出ているようです。今日初めて知りました。この日記のおかげです。

投稿: alcoa01 | 2007年4月 9日 (月) 23時15分

香野百合子さんは、「太陽にほえろ!」でも「殿下」こと島刑事(小野寺昭)の恋人役として、準レギュラー的に何度か出演していたそうですね。僕も「太陽にほえろ!」も「Wの悲劇」も見ていましたが、全く気付きませんでした。

投稿: paienne | 2007年4月 9日 (月) 23時33分

そうすかぁ、香野百合子さんだったですかぁ。今日知りました。

投稿: T.A | 2007年4月10日 (火) 11時30分

香野百合子さんのデータを調べたら嫁と同じ誕生日でした(^^) 丁度10歳年上。でも綺麗。

投稿: T.A | 2007年4月10日 (火) 18時48分

私の娘の名前は「まあや」。
もちろんマゼラン人マヤを意識してつけました(半分ホント)。

投稿: ジ・O | 2007年4月10日 (火) 19時34分

T.Aさん

今調べたら、1951年4月22日、奥様と10年違いで同じ日とは。なかなかないですよね。
私も、同一人物だとは、今回の記事を書くにあたって、いろいろ資料をあたるまで知りませんでした。

投稿: paienne | 2007年4月10日 (火) 20時51分

ジ・Oさん

なんとそれは初耳です。
ジ・Oさんにも、この作品は大きな影響をもたらしていたのですね~。
うちの娘は、マンもセブンも5歳ぐらいまで喜んで見てたのですが、その後怖くなったらしくしばらくダメで、また中学からはまって見てます^^;
お嬢さんにいつかこの作品を見せて名前のエピソードを教えるんですか?

投稿: paienne | 2007年4月10日 (火) 20時58分

7才でそこまで感じるとは大したものです。当時4歳児だった私は内容を理解する事すらできませんでした。かなり大人になってからビデオで観たのですが、改めてウルトラセブンは深い!と思いました。マヤが香野百合子さんである事はすぐ分かりました。(鼻の下のホクロが特徴)

投稿: ys | 2008年4月 7日 (月) 18時58分

ysさん、はじめまして。コメントありがとうございます!(リパッティのほうも^^)

大人になってあらためてセブンを見直すと、とくに印象に残っているのは、「音楽」と「美人のお姉さん」と「切ない場面」。。少しマセガキだったのかも知れません^^;

それにしても、この作品は深過ぎですよね。セブン、おそるべし、の代表作だと思います。

またぜひ遊びに来てくださいね!

投稿: paienne | 2008年4月 7日 (月) 22時14分

ドラマーのワタクシとしましてはゴーゴーのシーンで昔のドラムセット、キックペダルが写るのでコーフンします。(一瞬ですが)
それとやはり「悲しいマラソン」でもつかわれているあのBGM。昔キーボードで多重録音してマネしました。いつか絶対本物の弦楽器でやりたいです。(笑)

投稿: よいけん | 2008年4月11日 (金) 02時26分

なるほど(笑)。確かにグループサウンズなどでなつかしい見覚えのあるドラムセットだったような気がします。。

そうそう、あのBGM! 弦楽四重奏ぐらいな編成ですかね~。改めて聴いてみますね。

よいけんさんとは、セブンと音楽と両方で話が通じるので楽しいです~^^

投稿: paienne | 2008年4月11日 (金) 22時29分

前回コメントしてから、もう一年以上にもなるんですね。
本来なら、このタイミングでもう一度この日記にたどり着く可能性は高くないはずですが、たまたま最近のコメントに目が止まり、もう一度読み直すことになったのでした。
そしてその勢いから、DVDで観ることにまで至ってしまいました。全部観るには、まだまだ時間がかかりそうですが。
この回は前回観た時から少なくとも20年は経っているはず。初めて観た時から考えるとその倍ですから感慨深いものがありました。
また、この日記を読んだ直後だったためか、よいけんさんの書かれていたドラムのこと、あるいはジュークボックスのことなど、これまで気にもしなかった部分に目が行ったり・・・。

投稿: alcoa01 | 2008年4月27日 (日) 00時09分

この日記が、本作品をもう一度見るきっかけになったとは、嬉しい限りです^^

alcoa01さん、ぜひぜひこれを機会に、セブン全編とは言わずに、気になっている2、3作でもご覧くださいませ! せっかくDVDお持ちなんですから^^

投稿: paienne | 2008年4月27日 (日) 12時47分

マヤが最後に押したジュークボックスのJ-7とは、パソコンのキーボードで見ると「まや」だそうです。

投稿: ekachan7 | 2011年7月29日 (金) 05時23分

ekachan7さん

こんにちは。コメントありがとうございます。
そうそう、それ聞いたことがあります^^
セブン収録時に、すでにキーボードの配列は確定していたのでしょうか? もしくは偶然?

投稿: paienne | 2011年7月30日 (土) 11時47分

 こんにちわ 初めまして^^ 検索してていきあたりました^-^
この「盗まれたウルトラ・アイ」は先日、逝去なされた市川森一さんが脚本でしたね・・・

怪獣も出てこない、格闘も無いストーリーが逆にシビアさとリアルさを醸し出した稀有の名作ですね。
テレパシーでのマヤとダンとの会話の中で「こんな狂った星。侵略する価値があると思って?」と言う台詞は幼少の頃から頭から離れませんでした。

素晴らしいブログですね^^ ありがとうございましたまたお邪魔させて頂きます^-^ 

投稿: マゼラン星人 | 2011年12月13日 (火) 13時26分

マゼラン星人さん

はじめまして。
ブログ見ていただいて、またコメントもいただき、ありがとうございます!
セブンの関係者がまた一人鬼籍に入ってしまい、残念です。その分、我々も歳を取っていくのですね。
しかし、こんな名作を残したのですから、作品を語り継いでいきたいですね。
またぜひいらしてくださいませ。重ねてありがとうございました!

投稿: paienne | 2011年12月13日 (火) 23時27分

ウルトラセブン第37話盗まれたウルトラアイマゼラ星人マヤを当時2才の時、見ていました。そのほか、香野百合子姉さんがテレビドラマも見ています。いつか浜松に遊びに来てね。

投稿: Y.I | 2013年9月14日 (土) 07時16分

Y.Iさん

はじめまして。でしたよね?
コメントありがとうございます。2歳のときとは、すごいですね!
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: paienne | 2013年9月15日 (日) 17時41分

 私も、このマヤの物語がとても印象深く残っています。このような物語があるからこそ、セブンが最初で最後のレベルの高い作品であり、私もその後の帰って来たウルトラマンを見て大きく失望して、時代の経過とともに、作品が低次元に退化してゆくことに驚きました。変な話ですが、セブンの時代から、日本人の精神レベルは相当低次元に落ちていて、それはテレビ番組や映画の内容を見てもよくわかります。もうセブンのような作品を今の日本人の感性や感覚では二度と作れないと思います。あの頃は感性がまだ健全であったとつくづく思います。日本人の感性は、どんどん退化して加速的に低次元化していると思います。

投稿: 異邦人 | 2014年12月10日 (水) 12時02分

異邦人さん

コメント、ありがとうございます!
本当にこのような作品は、当時の制作スタッフの意識の高さを感じますよね。このままセブンの後も間を入れずに同じスタッフでウルトラシリーズが続いていたら、どんなことになっていたのか、少し残念でもあります。

投稿: paienne | 2014年12月10日 (水) 16時25分

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