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ウルトラセブン第29話「ひとりぼっちの地球人」(プロテ星人)

●ラストの春の風がなんとも幻想的な作品

本作は、「悪魔の住む花」「盗まれたウルトラアイ」と並んで、昔から好きだった作品です。これら三作を、勝手に「叙情三部作」と名付けています。完成度の高い作品だと思います。

京南大学が、教育機関としては初めて科学観測衛星の打上げに成功した。リードしたのは、ニワ教授。その助手は、イチノミヤ。ソガの婚約者でこの大学の英文科2年生であるサエコが、物音がした研究室のドアを開くと、一瞬、宇宙人の姿が。。

いっぽう警備隊内では、アンヌが「ね~、ソガ君?」と、婚約者の声真似をしてソガを冷やかす。

しかし2007年の感覚だと、大学2年生と婚約とは、かなり違和感がある。が、実際のサエコさん、どう見ても大学の助手クラスの風貌だ。当時の「女性の大学生」という存在は、今で言えば、助手か研究者ぐらいのイメージだったのだろう。

(とも思ったが、同じ時代の同じ東宝の若大将シリーズで同じ大学名の京南大学の女子大生は、そうでもなかったかも^^;)

イチノミヤは、ニワ教授が宇宙人だと知りながら、師事している。自分の電送装置を認めてもらい、優れた宇宙人の科学者として尊敬しているのだ。そして自分を認めてくれなかった地球から、脱出したがっている。

Photo_16本作の見どころの一つは、大学構内でのセブンとプロテ星人の幻想的な戦闘シーンだ。いつもの、夜。ティンパニが不安をあおる。セブンが迫ると姿を消すプロテ星人。上空に首から上だけを現わし、それを見上げるセブン。印象的なカットだ。

アイスラッガーで首を切られても、そのまま姿を消してまた現われる。両者姿を消し、交錯して現われる。左右から二体に挟まれ、攻めあぐねるセブン。虫の蠢くようなプロテ星人の声(音)が響く。

この戦い、いつまでも私の抜け殻と戦っているがいい」というニワ教授(=プロテ星人)の一言で、その実態が明かされる。

そして、プロテ星人の目的が地球侵略だと分かり、イチノミヤは地球を守るために、プロテ星人の乗る電送装置に飛び込み、心中したかたちになる

イチノミヤが、自分が利用されたと気付く前と後の心理は、納得感があり共感できる。だから、子供心にもこのシーンは、非常に勇ましくも痛ましく、儚さを強く感じたものだった

たぶん大学の屋上に定時の鐘が鳴る。ソガは、イチノミヤのことを考えている。どこかで生きているかも知れない、とダン。

そして、ラストは冒頭と同じく、サエコが研究室を通りかかるシーンだ。物音がする。「また宇宙人がいるのかも知れませんよ」。とのナレーション。しかし、中は白いレースのカーテンが揺れているだけだった。。「さっきの物音は、どうやら春風のいたずらだったようです」。。でエンディングとなる。

なんとも幻想的なラストシーンだ。「そこにはただ風が吹いているだけ」。。その風は、イチノミヤがもたらしたものだったのか

実際の放映日も、春ただ中の4月21日。春の風を妖しく感じるようになったのは、この一編の影響もあるのかも知れない。。

(写真:「怪獣wiki特撮大百科事典」より)

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