ウルトラセブン第26話「超兵器R1号」(ギエロン星獣)
●血を吐きながら続ける哀しいマラソン
「それは血を吐きながら続ける哀しいマラソンですよ」。セブン全編を通して有名な台詞の一つは、この回に登場する。
セガワ博士、マエノ博士をメインスタッフとして、惑星攻撃用の新兵器R1号が開発された。新型水爆の8,000個の爆発力を持つという。
実際の侵略者に対してはこれを使用すればいいし、保有していることを知らしめるだけでも、全宇宙に対する侵略の抑止力となる。そのためには、実験してアピールする必要がある。まさに、世界の大国を皮肉ったストーリーだ。
マエノ博士は、核実験の場所を、シャール星座の第七惑星ギエロン星に選ぶ。しかしマエノ博士、美人だ。田村奈巳という、東宝のアンヌの先輩だそうだ。ウルトラシリーズには、宇宙人と同じぐらい?東宝のきれいどころが次々と繰り出される。
実験は成功。ところがギエロン星には生物がいた。鳥のような風貌のギエロン星獣は、復讐のために地球に降り立つ。ティンパニを主体とした音楽(M-14,15あたり)は、なかなかに緊迫感があって、好きな曲だ。
ギエロン星獣は、R1号の放射能の灰を撒き散らす。セブンが登場し、黄色や赤の花が咲き乱れる地が戦場となる。セブンは右腕をやられるが、容赦なくギエロン星獣の腕をもぎ取り、投げつける。そしてアイスラッガーを直接手に持ち、首をかき切る。
美しい自然のなかで、あえて核実験の犠牲となったギエロン星獣を残酷に殺すことで、戦いの悲惨さを浮き立たせているのだろう。
メッセージがストレートなので、わかりやすい話だ。でも、わかりやす過ぎるから、これがセブンでなくても、他のシリーズでも成立するような話かとも思う。
(写真:「怪獣wiki特撮大百科事典」より)
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