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「光源」 桐野夏生

桐野夏生の「光源」を、この数日間で読んだ。この作品を読むのは、2度め。桐野夏生作品は、たぶん8割がた読んでしまっているので、ここのところ、2度め読みも増えてきている。

私のなかで「光源」は、好きな桐野夏生作品の5本に入る。「グロテスク」「OUT」「柔らかな頬」の圧倒的な凄みこそないが、逆にこれらの小説は、あまりに非日常が舞台。「光源」はその点、映画制作の現場が舞台となっているから、基本、日常である。だからこそ、桐野夏生の得意とする、人間の悪意や本音を鋭く抉るように描出していく手法が、よりリアリティを持って届く。

登場人物たちは皆、貶めた言い方の裏側に誇りをもって、自分のことを「映画の奴隷」と呼んでいる。そんなふうに自分の好きなことだけを貫けたら、いい人生だろうなと、思う。映画制作現場の心理的な葛藤は圧巻。エンタメ業界好きな人には、なおのこと面白い1冊だと思う。

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» 桐野夏生 [ミステリー館へようこそ]
桐野夏生桐野 夏生(きりの なつお、1951年10月7日 - )は、石川県金沢市生まれの推理作家、小説家、作家。戸籍名は橋岡まり子。別のペンネーム、野原 野枝実(のばら のえみ)や桐野 夏子の名でロマンス小説、ジュニア小説のほか、日本の漫画家 ま行#森園みるく|森園みるくのレディースコミック原作も手...... [続きを読む]

受信: 2006年8月 6日 (日) 06時49分

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